クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



Home|名録音を聞く

名録音を聴く~今週の一枚(最新の20件)

名録音を聴く~今週の一枚(一覧表示)



ベルク:3つの管弦楽曲 Op.6

ドラティ指揮 ロンドン交響楽団 1962年7月14&22日録音

この録音はコザートが35ミリフィルムを使って行った最後の録音となりました。結果のためにはコストを惜しまない彼女の姿勢が買収先のフィリップスでは歓迎されなかったからです。
この作品は無調でも大規模編成の音楽が作れることを証明したものなのですが、それ故に録音的には大変な難物でした。何故ならば、すべての楽器が対等な立場で鳴り響くことを要求するからです。
しかし、その難題をコザートは見事に解決しています。また、ドラティによる共感に満ちた演奏が、ともすれば取っつきにくい無調の音楽に熱さを与えています。


R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 作品35

フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団 1960年2月8日録音

ライナーはこの作品をコンサートでは一度しか取り上げていなくて、その1回というのも、この録音をする前の定期演奏会だったと言うことですから、それはスタジオ録音のために事前に演奏会で取り上げたと見るのが妥当でしょう。しかしながら、終楽章は全く編集なしのワンテイクで録音したという「神話」が残っています。
ピアニシモからフォルティシモにいたるすべての段階においてオケのバランスは完璧にコントロールされ、録音する側もそれに応えて、リアリティ溢れるピアニシモから爆発するフォルティシモまでを完璧にすくい上げています。


シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」

ジュリアード弦楽四重奏団:1959年2月5日、6日&3月27日録音

4つの楽器が完璧に対等な立場で鳴り響きながら、シューベルトがこの作品で追求したシンフォニックな響きもまた完璧に実現しています。
それを録音のマジックと言ってしまえばそれまでなのでしょうが、ホンの短い期間だったとはいえ、ジュリアード弦楽四重奏団がそのマジックが実現できるRCAの黄金時代に録音する機会があったと言うことは幸運だったと言うべきでしょう。


ベルリオーズ:幻想交響曲

ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団 1954年11月14・15日録音

この録音の魅力は「断頭台への行進と処刑」、さらには「魔女の夜宴の大騒ぎ」ではなくて、なによりも第3楽章の「野の風景」にこそあらわれています。
とりわけ、二人の牧人がかわす牧歌の生々しさは特筆ものです。
ベルリオーズはこの場面をコールアングレと舞台裏のオーボエで演奏することを指定しているのですが、この二つの楽器の遠近感が実にナチュラルに再現されます。それ故に、ミンシュ&ボストン響の「幻想」としてはこの古い方の録音をとりたいのです。


ベートーベン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68 「田園」

ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団 1958年1月13日,15日,17日録音

ワルターの最晩年の録音であるコロンビア響とのステレオ録音は、録音と言うことに関してはあまり良い評判がありませんでした。その原因の大部分はLPにカッティングするときに低域をバッサリとカットするColumbiaの「悪癖」によるものだったようです。
その辺りの問題が改善された復刻盤で聞いてみると、ワルターの特長であるどっしりとした低域を土台として生み出されるオーケストラの響きが一切の混濁なしに収録されています。また、自然なサウンドステージが実現していることももう一つの特質として指摘することが出来ます。


モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218

(Vn)ヨハンナ・マルツィ オイゲン・ヨッフム指揮 バイエルン放送室内管弦楽団 1955年9月4日録音

管弦楽による前奏という露払いが終了してマルツィの独奏ヴァイオリンが入ってくると度肝を抜かれます。まさに日本刀の切れ味のごときヴァイオリンの響きが聞き手の耳を直撃します。
そして、その驚きの頂点が第1楽章の最後に置かれたカデンツァです。まさにカミソリのごとき切れ味であり、それは、モノラル録音としては驚くべきクオリティの高さによって、それは名刀の切れ味にまで格上げされているように聞こえるのです。


ラヴェル:舞踏詩「ラ・ヴァルス」

ポール・パレー指揮 デトロイト交響楽団 1962年3月録音

この作品で本当に恐いのは最後の「滅び」ではなくて、そこに至る過程において不気味な影が差しはじめる部分です。その怖さをリアルに引き出すために必要なのは、それを実現しているラヴェルの高度な管弦楽法を一点の曇りもなしに描き出すことです。
そのためには、映像の世界で昨今言われる4Kとか8Kとか言われる超精細な世界と等価なモノを、音の世界においても実現しなければいけません。
そして、その凄いことを見事なまでに成し遂げているのがこの演奏と録音なのです。


プロコフィエフ:スキタイ組曲「アラとロリー」 op.20

アンタル・ドラティ指揮 ロンドン交響楽団 1957年7月録音

確かに素晴らしい録音だろうと思うのですが、普通のシステムで音楽を聞いている普通の感覚の持ち主ならば、冒頭の音が飛び出した瞬間に思わずプリアンプのボリュームを絞るために腰を浮かずはずです。
そこで、「いや、もう一頑張り!」とこらえても、次にやってくる床を響かせるようなグランカッサの一撃を食らってはスピーカーを守るためにボリュームは下げざるを得ないでしょう。
はてさて、これが十全に再生できるシステムはどれほどあるでしょうか(^^;


ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー

アーサー・フィードラー 指揮 (P)アール・ワイルド ボストン・ポップス・オーケストラ 1959年5月13日録音

オーディオのハイエンド化と歩調をそろえて「音場表現」ということが強く意識されるようになったのですが、50年代の終わりごろにこのレベルに到達していたということは知っておいて損はないでしょう。
音響空間が左右だけでなく前後の奥行きも含めて見事に表現されています。
特に、オケの後の方から鳴らされる打楽器群の音色は実に生々しく、ワイルドのピアノもステージ前方に見事に浮かび上がります。


リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 Op.34

アンタル・ドラティ指揮 ロンドン交響楽団 1959年6月録音

玩具箱をひっくり返したような楽しい音楽です。
そして、評価の高い「Living Presence」の録音の中でも、これこそはとびきりの優秀録音です。
おそらく、このレベルを凌駕するような録音は、その後半世紀以上の時間が経過したにもかかわらずほとんど存在しないのではないでしょうか。


バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ, Sz.110

アンタル・ドラティ指揮 (P)Geza Frid ,Luctor Ponse ロンドン交響楽団 のメンバー 1960年6月6日録音

このソナタの録音を聞いて感じるのは「静けさ」ではないでしょうか。
もちろん音は鳴り響いているのですから「静か」なはずはないのですが、それでもこの録音から受ける印象は「静寂」です。至るところで打楽器が鳴り響き、ピアノもまた打楽器的に扱われる場面が多いのですから、それは考えてみれば不思議な話です。
それはきっと、コザートが音楽が鳴り響く場としての「静寂」を見事にすくい取っているからなのでしょう。
こんな書き方をするとまるで「禅問答」みたいだとお叱りを受けそうなのですが、これもまたもう一つの「優秀録音」の形と言えるでしょう。


R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」 作品40

フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団 1954年3月6日録音

「RCA」は1953年から実験的にステレオ録音を始めているのですが、商業ベースに乗る第1弾としてフリッツ・ライナーが率いるシカゴ交響楽団を選んだのは賢明でした。
このステレオ録音こそが録音史の大きな分岐点であり、新しい時代の始まりを告げるスタート地点なのです。
そして、このスタート地点から、私たちはどれだけ前に進むことができたのかを問えばいささか呆然とならざるを得ないのです。
この地点から60年を超える時間が経過していながら、未だにこのレベルをこえることのできない「最新録音」がゴロゴロ存在するのも悲しい事実なのです。


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30

(P)バイロン・ジャニス アンタル・ドラティ指揮 ロンドン交響楽団 1961年6月2日録音

嶋護(しま・もり)氏が『最高のオーケストラ録音は、アンセルメの「ロイヤル・バレエ・ガラ・コンサート」、協奏曲ならパイロン・ジャニスのラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」、器楽曲ならシュタルケルのバッハ「無伴奏チェロ組曲』と紹介されていることに敬意を表して選んでみました。





[2019-04-21]

スッペ:「詩人と農夫」序曲
ゲオルク・ショルティ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1959年5月録音

[2019-04-20]

バッハ:第4番変ホ長調 BWV1010
(Cell)ガスパール・カサド 1957年録音

[2019-04-19]

ハイドン:交響曲第12番 ホ長調 Hob.I:12
マックス・ゴバーマン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1960年~1962年録音

[2019-04-18]

ブラームス:「大学祝典」序曲 Op. 80
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 ウィーン交響楽団 1961年1月録音

[2019-04-17]

モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K595
アニー・フィッシャー:エフレム・クルツ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年5月14日,16日,17日,20日,24日&6月17日,20日録音

[2019-04-16]

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調 BWV1051
カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団 1950年録音

[2019-04-15]

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491
アニー・フィッシャー:エフレム・クルツ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年5月14日,16日,17日,20日,24日&6月17日,20日録音

[2019-04-14]

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」 第4幕
(S)レナータ・テバルディ (T) マリオ・デル・モナコ他 フランチェスコ・モリナーリ=プラデルリ指揮 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団 1954年7月~8月録音

[2019-04-13]

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」 第3幕
(S)レナータ・テバルディ (T) マリオ・デル・モナコ他 フランチェスコ・モリナーリ=プラデルリ指揮 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団 1954年7月~8月録音

[2019-04-12]

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」 第2幕
(S)レナータ・テバルディ (T) マリオ・デル・モナコ他 フランチェスコ・モリナーリ=プラデルリ指揮 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団 1954年7月~8月録音