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リスニングルームによせられたコメント
リスニングルームによせられたコメントをまとめたコーナーです。多くの方の熱いコメントを期待しています。(2008年3月10日記)
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- ハスキルのレパートリーが(録音に残された範囲では)かなり限定されたものだったことは確かですが、彼女の音楽世界も狭いものだったのかどうかはなお慎重に見極める余地があります。
ハスキルが戦後スイスに居を構えた後、スイスの音響機器メーカーが彼女にテープデッキを寄贈したことが有ったそうです。何年か以前、彼女の親族が保管していたその一部が公開・市販されたことが有りました(TAHARA THA366/367)。そこには断片的ですが、彼女が自宅で弾いていた曲のいくつかが記録されていますが、そのレパートリーにはブラームス、リストからスクリャービン、ラフマニノフに至る曲目が含まれています。この録音を聴くまでは、ハスキルとラフマニノフ・・・と言うのは、さすがに私も想像できませんでしたが、彼女の日常の音楽世界に彼女が生きた”同時代”の音楽が含まれていたことは確かなようです。また、更に意外なことに、彼女は演奏会ではヒンデミットの作品(「4っつの気質」)を何度か作曲家と共演もしています。
いずれも、彼女の一見慎ましやかな演奏の奥に広がっていた音楽の世界を垣間見せてくれるとともに、彼女が繊細で弱弱しい深窓の佳人と言うより生き生きと時代と関りをもっていたことを示す貴重な記録だと思います。
- 2020-08-09:コタロー
- joshua様、いつも達筆のコメントを楽しく拝見させていただいております。
このレコードのB面についてですが、ジャケット写真で見ると、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番のようです。ただ、伴奏指揮はミッチェル指揮ナショナル交響楽団という怪しげな(?)演奏者となっております。
ハイメ・ラレードについて、ウィキペディアを参照すると、クリーヴランド管弦楽団との共演経験があるそうです。もし、それが事実とすれば、ジョージ・セルとも何度か共演したかもしれませんね。
- 2020-08-08:joshua
- B面は何だったんでしょうね?
既に紹介された室内楽か、小品だったのかも。
ハイメさんは80を迎えて健在のようです。
音楽的には申し分ないのですが、また安心して聴ける技術の高さなんですが、ハラハラドキドキしません。要は、玄人のリスナー向きなんです。こういう人が、町内会にいて、学校の1クラスに満たない聴衆あいてに弾いてくれるといいのになあ。
また聞き手がそれに合わせた耳を持つ文化があってのプレイヤーです。いま、朝ドラでやってるように、ディレクターがセールス優先では世に出にくいプレイヤーは数知れずいるんでしょうね。しかし、この手の演奏家は、大売れしなくても、息長く、聞く耳もつあいてに、続けていくのだと
- 2020-08-07:toshi
- クライバーンの名前を聞くと、コンクールの功罪を改めて感じます。
それと、ミスなく演奏することが大切かどうか、ということも色々考えさせられます。
今の演奏はCDなどでは編集でミスがありませんが、ミスが多く下手な古い演奏に惹かれる今日この頃です。
- 2020-08-06:コタロー
- ジョージ・セルはロシア物の小曲にも相性の良さを示していました。チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」、リムスキー・コルサコフの「スペイン奇想曲」などがその一例です。地方色に寄りかかることなく、音楽にはあくまでも清潔感が漂っています。しかし決して歌心を忘れず、美しいメロディは思い切って歌わせているのが何とも素晴らしいですね。クラシック音楽の初心者には大いにお勧めしたい一方で、本格的なクラシックファンをも十分納得させる内容を有していると思います。
ちなみに、最近では「ダッタン人の踊り」の演奏の際には、オリジナル尊重で合唱を入れるケースが一般的ですが、私はセルのように合唱を入れない演奏の方が好きです。
話は変わりますが、以前このサイトで、セルがリァドフの曲を録音しているという記事を読んだ記憶があります。これなどもアップしていただけると良いですね。
- 2020-08-04:ワンダーランド
- フルートの音色が暖かく、何とも言えない雰囲気があります。
さすがモイーズですね。
ゼルキンとブッシュの関係は、初めて知りました。
- 2020-08-04:コタロー
- ピエール・モントゥーは、第1ヴァイオリンを左側、第2ヴァイオリンを右側に配置するのが常でした(いわゆる「両翼配置」)。そのため、この曲の中でも両者の掛け合いが随所で聴かれ、大変効果的かつ興味深い演奏でした。
- 2020-08-03:笑枝
- モイーズのフルート、初めて聴きました。名前は知ってましたが、素晴らしいですね。
一聴、どういう呼吸法したら、こんな音が出るんだろうって驚嘆してしまいました。
力みがなくて、フレージングもアーティキュレーションもこれしかない!と感じさせる理想的演奏。ランパル、二コレ、好きなフルーティストですが、モイーズは別格!と感じました。真の名人ですね。こんなに素晴らしいとは知らなかったです。
指揮&Vn のブッシュの功績も言わないといけないですね。ゼルキンのピアノ、カザルス=マールボロで聴いてますが、もうこの時点で相当のレベルだったことが分かります。
- 2020-07-31:jukose
- 精緻な演奏。ほんとうにそうだと思いました。
この曲は、リヒャルト・シュトラウスの中では一番好きな曲です。
聞いていると、作曲者はきっとドン・キホーテが大好きなんだろうなと思います。
- 2020-07-30:コタロー
- 今日はジョージ・セルの没後50年を迎えますね。そこで、セルを偲ぶにあたって、彼の演奏の特徴がよく表れていると思われるこの曲を選んでみました。
この交響曲、なかなかの曲者で、並みの指揮者が振ると、単に先祖返りしただけのこぢんまりとした音楽に聴こえてしまいがちです。
ひるがえって、セルはリハーサルの際、常時「リズム、リズム、そしてアーティキュレーション」と語っていたそうですね。それにしても、全曲を通してセルのあらゆる指示がオーケストラの隅々にまで徹底して行き渡っている様は、実に驚嘆に値します。そのため、ベートーヴェンがこの交響曲に仕組んださまざまな工夫がズバリ解き明かされるのです。これはまさに聴いていて胸のすく演奏です。
おかげで、私はこの曲に関しては、セルの演奏以外受け付けなくなってしまいました。
- 2020-07-29:yk
- 偶々、先日1947年の米国映画「カーネギー・ホール」を見、久しぶりにハイフェッツと共演するライナーの指揮姿をみました。そこには事実上、自国土を戦禍に曝すことなく第二次大戦の覇者、自由世界の盟主となった米国と言う国に花開いた”米国文化”の香が漂いますが、このワルツ集は(確かに録音を含めて)その完成形の一つの姿ですね。音楽に民族とか風土とか時代を無暗に持ち込んで”説明”するのは剣呑には違いありませんが、ドイツ系が多いと言われるシカゴの楽団をハンガリー系のライナーが振るウィーンのワルツを敗戦国ドイツのシュワルツコップが愛聴する・・・と言うのは、如何にも移民国家である米国の混合文化・・・・と言うか、1960年代の米国の多重入れ子文化の様相を感じます。
この演奏が現れた1960年代の受け止め方が何であったにせよ、録音から半世紀以上が経った今聴けば、確かに”伝統”といったものに拘泥するでもなく新しさとか機能性とか現代性といったものに阿るのでもない、一つの美しく明快なスタイルを持った演奏で、其れがライナーと言う優れた手腕の指揮者が丹精込めて作り上げたものであることを示す極上の記録ですね。
- 2020-07-29:joshua
- 見つけました!
おそらくこのサイトで唯一のポルカ・マズルカ「とんぼ」、
オトマール・ズイトナーもこれを得意としてましたね。それに、最近もラジオから、そう「音楽の泉」です。4月に最終回を終えてそれに合わせたかのように皆川達夫さん93歳の遷化でした。日曜8時になると、NHK第1にラジオを合わせてしまう私です。解説者は変わりましたがね。つい3日前でしたが、カルロスクライバーがNYコンサート1989年だったか、ベルリンの壁崩壊も知らずに弾いて吹いてた演奏です。「とんぼ」が聞こえてきました。短い曲だけど、こんなにトンボという生き物を見事に音で克明に表現した例は無いんじゃないでしょうか。還暦そこそこにメキシコで客死したクレメンス・クラウスの演奏で、再び「トンボ」です。いかにも貴族然とした風貌のクラウス。そうかと思うと、ライナー60年録音のシュトラウスがいまアップしていただいてますが、怖い顔ですね。それで、晩年のN響やシュタツカペレを振る何とも困惑に満ちたズイトナーの顔を思い出しました。ズイトナーはその息子が製作したドキュメンタリーで、東西ドイツに一人ずつ奥さんと3人で語らう場面が何とも印象的でした。そんなエピソードもズイトナーが「とんぼ」のテンポを上手に操るのと重なってきて、人間の不思議な可笑しさを思ってしましました。ライナーだって、先鋭な曲ばかりじゃなく、61年の心臓発作後の指揮台復帰はベートーヴェンの「田園」だったんですねえ。生国ハンガリー=ドナウの中流に思いを馳せるワルツも近い思いだったんじゃないでしょうか。前年ではありますが。ハイドンが最終録音だったのも、ハンガリーのエステルハージ大地主に仕えたハイドンだったからでしょうかね。アメリカのオケの手綱を締めながら、こころは故郷を駆け巡ってた、ということでしょうか。
- 2020-07-24:ごんごん
- アマオケホルン吹きの音盤中毒日記 レイボヴィッツのボレロ
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2010/02/post-ad98.html
にこのLPについて、以下のようにかかれていますが、これって、本当ですか。
----------------------------------------
60年代初頭のリーダーズダイジェストへの一連の録音からラヴェルの「ボレロ」と「ラ・ヴァルス」。オケはパリ音楽院管というもの。
手持ちはリーダーズダイジェスト社が出していたセット物LP。
P1010047 一般発売されずオケが契約上の変名だったりしたので、注目されることがなかった演奏だが、初出のLPにはソリスト名が明記されていた。
そこにはフルートのルボン、オーボエ・ダ・モーレのカシェ、ホルンのテーヴェらクリュイタンス時代のパリ音楽院管の伝説的な名手に加え、パリ・ギャルドの首席サックス奏者R GateauとF Lhommeの名。
さらにトロンボーンに超大物クロボカールが特別参加というオールスターキャストは鳥肌もの。これはレイボヴィッツの人脈のすごさだろう。とても一般家庭用の名曲全集とは思えないほど。
(中略)
名エンジニア、ケネス・ウイルキンソンの手による録音が驚異的に良い音なのも嬉しい。
- 2020-07-19:杉本正夫
- 20代の頃、28~32番を収めたLPを買って、なぜか30番の第一楽章が大好きになり(今でも)29番は取っ付きにくく遠ざけていました。Blue Sky の解説を読んでその理由がわかったような気がしています。転調と構築・・・
ハンマークラビーアも抵抗なく聴けるようになりました。
ありがとうございます!
- 2020-07-15:北の火薬庫
- セル・クリーブランドのcomplete物から入り、その音作りにびっくりしているものです。まず、びっくりしたのが、このドビュッシーの「海」とラヴェルの「ダフニス」です。精緻でありながら、色彩職の強い演奏!!まるでライブのような躍動感!!
「あれ?おかしいな?」と思ったのが、自分だけではないことを記載いただき安心しました。私の持つ旧盤はなんだったのか?たしかに、トスカニーニのRCA盤といい、ワルターのCBS盤といい、「おいおい、本来の音はそうだったの?」という時代なのかもしれませんね。
- 2020-07-15:コタロー
- 私が高校生の頃、家に小林利之氏の「ステレオ名曲に聴く」という本がありました。
当時私は廉価盤の優れた演奏を探すのに躍起になっていましたから、小林氏の本はまさにバイブル代わりでした。この本でライナーという指揮者を知り、まずバルトークの「管弦楽のための協奏曲」をRCAの廉価盤で購入し、非常に満足しました。そしてライナーの2枚目のレコードとして購入したのが、このハイドンだったのです。理由は、小林氏の強い推しがあったからでした。それはまたライナーのラスト・レコーディングでもあったのです。
ここでのライナーはかつてのような強いテンションは失われていましたが、人生を回顧するような静かな感動がありました。「時計」も良かったですが、私の心に深く刻まれたのはこの第95番の演奏の方でした。ハ短調で悲劇的に始まった曲がフィナーレでは明るいハ長調で終わる、その対照の妙に魅力を感じたのです。若い頃は、とりわけ「暗から明へ」という考え方に惹かれるのでしょうかね。
- 2020-07-14:杉本正夫
- 亡命してその先、生計を立てていけるのは極わずかの特権階級
でしょう。残るしか選択肢のなかったドイツ人が冷たい視線を向けた心理、理解できます。
- 2020-07-14:やっぱりセルが好き!
- 素晴らしい!
【クーレンカンプ=綺麗だけれど音が細い】と思っていましたが印象が変わりました。
1935年!録音にも拘わらず音質も驚愕。音源は何なのでしょうか?
- 2020-07-13:joshua
- これはありがたいです。
吉田秀和氏が、ラジオで、Mozartのトルコ風を紹介するとき、かけてくれたのが、このクーレンカンプでした。50年近く前の話です。細い音ながら、SPの針音の向こうから訴えてくるものが感じられ、繰り返し聞いたものです。今風の技巧はなくても、クーレンカンプならではの弾き振りが、何というか、一節一節を大事にする几帳面なさりとて神経質でもない味わいです。フルトベングラーとシベリウスを競演してたんじゃないですか?この人の、ベートーベンやブラームスは残ってないですかね?ブルッフがあるくらいなんで、弾いてはいたはずでしょう。
- 2020-07-12:yk
- 私が初めてこの演奏を聴いた国内LP盤では音質が貧弱で困りましたが、ここで紹介されているものは可成り改善されていて改めてハスキルの演奏を楽しませてもらいました。
ハスキルには彼女自身の発言といった記録が余り残されていませんが、この演奏の直前何故か「最近、自分の衰えを感じることがある・・・そう、私は楽天的な人間じゃないから・・・」とちょっと弱音とも聞こえる発言をしていたそうです。しかし、このルツェルンでの演奏会の翌日、「昨日のクレンペラーとの演奏は忘れ難いものだった・・・私もまだ演奏にアクティブでいられるようだ・・・」というようなことを言ったいいます。
彼女の演奏家としての資質の一端を示す逸話であり、その記録としてこの録音もやはり貴重なものです。
- 2020-07-11:コタロー
- ビゼーの「祖国」序曲、とても懐かしいです!私が小学校5年生当時、父が「コンサートホール・ソサエティ」に入会していました。そしてその年の秋ごろに、偶然ビゼーのレコードが家に届いたのです。指揮者は晩年のミュンシュで、曲目は確か「交響曲ハ長調」、「子どもの遊び」組曲、「祖国」序曲の3曲だったと思います。その中でも最後の序曲では、曲の劇的な内容とミュンシュの精力的で骨太な指揮ぶりが子供心に特に強く印象に残りました。
それに比べると、アンセルメの演奏は洗練されていて軽味のある響きを持った、いわば耳に馴染みやすい音楽になっています。また、録音年代に比して音が良いことは大きなアドバンテージです。
このような思い出深い曲をアップしていただき、ありがとうございました。
- 2020-07-10:東丈
- 私がこの曲を最初に聴いたのがこの演奏です。それ以後様々な演奏を聴きましたがどれも生ぬるくて受け入れられませんでした。私にとってはメンデルスゾーンの初期のものを除く5つの交響曲の中で一番好きなのがこの5番なのですが、それはマゼールの演奏だからなのかも知れません。
- 2020-07-08:コタロー
- 何かの本で読んだのですが、かつての日本には、「フランス音楽は、クリュイタンスから入るべし」という音楽的常識(?)があったそうですね。ところが、パリ音楽院管弦楽団は1967年のクリュイタンスの逝去によって発展的解消をとげて、パリ管弦楽団に生まれ変わってしまいました。しかし、それは結果的に良かったのでしょうか?
パリ音楽院管弦楽団のいわば「ヘタウマ」なフランス人気質丸出しのいい意味でのローカル色が、パリ管弦楽団ではインターナショナル化してすっかり失われてしまいました。
むしろ、1980年代以降、シャルル・デュトワがカナダのモントリオール交響楽団を率いて、「フランスのオーケストラよりもフランス的な音楽」を展開しました。このオーケストラは技術的にも完璧でしたから、これはもう「鬼に金棒」です。
これら一連の出来事には、なにか歴史上の皮肉を感じますね。
- 2020-07-08:東丈
- 名演中の名演だと思います。歌手もすばらしい。アガーテ素敵!あの有名な狩人の合唱のベルリン・フィルの音を割ったホルンの咆哮はシビレます。
- 2020-07-07:コタロー
- ゴバーマンが遺したハイドンの交響曲全45曲、すべて楽しく聴かせていただきました。演奏水準はおしなべて高く、録音も良好です。とりわけ、初期から中期の作品は資料的にも貴重です。
それにしても、ゴバーマンが志半ばにして早逝したことは、実に惜しまれます。個人的には交響曲第31番「ホルン信号」が聴きたかったのですが、それは果たせぬ夢となってしまいましたね。
しかし、それまで私が知らなかったゴバーマンという指揮者をこのサイトで知って、ハイドンの普段あまり耳にする機会が少ない交響曲をいろいろ聴くことができたのは、大変有意義な体験だったと思います。
ユング様におかれましては、ゴバーマンのハイドンの交響曲の演奏を2年半余りの長きにわたってアップしていただき、ほんとうにお疲れさまでした。
- 2020-07-07:東丈
- この曲の最高演奏だと思います。お涙ちょうだい風の自己陶酔で演奏されると辟易とする曲ですが、このように引き締まった演奏で聴くと本当にいい曲だと痛感します。
- 2020-07-06:しょうちゃん
- ハスキルさんの20番のコンチェルトが大好きで、かつてレコードはモノラルからステレオ録音まで数枚買い込みました。一音一音が放つ独特の「暗さ」に魅力を感じていました。この変奏曲の演奏には驚きました。タッチは変わらないのですが、華やかで幸福感に満ちていますね。アップしていただきありがとうございます。
- 2020-07-06:Sammy
- 古い音源、特に1940年代くらいまでの音源を聴く際に、わざわざ新しいものと同じ条件で比較して、こちらの方がよいのかどうか、と考えて聞かなくてもよいのではないか、と感じます。
特にこのように無料で聞く機会を提供していただいているようなこの幸いな時代の中では、この音源を再生した時に、その向こうにある古き良き時代を思いつつ、楽しく音楽を味わえるかどうか、くらいでよいのでは、と思うのです。
ここにはかつての個性的なウィーンフィルの響き、そして往年の名指揮者のもとでの溌溂とした演奏が、ノイズの向こうから立ち上ってきます。そこには比較云々ではなくて、これはこれでまたとても良い一つの個性を持った、十分一度は聴くに値する音楽が存在することを確かめることができました。
私はベートーヴェンの初期の傑作を、このすてきな音源で楽しむことができました。そして長い年月を超えてこうしてどこかつながれたことの不思議を思うのもまたよし、と感じています。確かに当時どういう響きであっただろうかは、ある程度想像するしかない。でも、そういう限界の中でつながっている。それは、鮮明な録音を聴くときにはない感慨でしょうが、それでいいのではないでしょうか。
- 2020-07-04:コタロー
- ユング様の、最近のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートがつまらなくなったというご意見、私も同意です。私自身数年前まではNHKのEテレで放送される生放送を見るのが恒例でした。しかし、最近は生放送は録画し、裏番組の朝日放送の「芸能人格付けチェック」を見るようになってしまいました(あの番組、浜ちゃんの名司会ぶりもあって、めちゃくちゃ面白いですよね!)。
なぜこんなことになってしまったのかというと、もちろんユング様がおっしゃるように、指揮者がさまざまな自己主張をしている面は確かにあります。しかし一番大きな要因は、肝心のウィーン・フィルの音色に「優雅さ」というか「魅惑」が失われてしまったことです。これも時代の流れというものなのでしょうかね・・・。
- 2020-07-03:コタロー
- マゼールはこの曲の第4楽章のティンパニ・パートに改変を加えています。それが、なんと驚くことに、ジョージ・セルが行った改変と瓜二つだったのです。
私は、てっきりセル独自の改変と思っていたのですが、マゼールの前例があったのには大変びっくりさせられました(マゼールのオリジナルなのでしょうか?)。どなたか正確な情報をお持ちの方、ご教示頂けると幸いです。
それにしても、肝心のセルの「イタリア」が当分の間パブリックドメインにならないのは残念至極ですね。
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[2025-09-12]

ベートーベン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」(Beethoven:Symphony No.3 in E flat major , Op.55 "Eroica")
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年3月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on March, 1961)
[2025-09-10]

ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調(Brahms:String Quartet No.1 in C minor, Op.51 No.1)
アマデウス弦楽四重奏団 1951年録音(Amadeus String Quartet:Recorde in 1951)
[2025-09-08]

フォーレ:夜想曲第2番 ロ長調 作品33-2(Faure:Nocturne No.2 in B major, Op.33 No.2)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-09-06]

バッハ:小フーガ ト短調 BWV.578(Bach:Fugue in G minor, BWV 578)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-09-04]

レスピーギ:ローマの噴水(Respighi:Fontane Di Roma)
ジョン・バルビローリ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1939年1月21日録音(John Barbirolli:Philharmonic-Symphony Of New York Recorded on January 21, 1939)
[2025-09-01]

フォーレ:夜想曲第1番 変ホ短調 作品33-1(Faure:Nocturne No.1 in E-flat minor, Op.33 No.1)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-08-30]

ベートーベン:交響曲第2番 ニ長調 作品36(Beethoven:Symphony No.2 in D major ,Op.36)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年4月20日録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on April 20, 1961)
[2025-08-28]

ラヴェル:舞踏詩「ラ・ヴァルス」(Ravel:La valse)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 パリ・コンセール・サンフォニーク協会管弦楽団 1960年録音(Rene Leibowitz:Orcheste de la Societe des Concerts du Conservatoire Recorded on 1960)
[2025-08-26]

フランク:交響詩「呪われた狩人」(Franck:Le Chasseur maudit)
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1954年6月27~7月11日録音(Artur Rodzinski:Wiener Staatsoper Orchester Recorded on June 27-July 11, 1954)
[2025-08-24]

J.S.バッハ:トッカータとフーガ ヘ長調 BWV.540(J.S.Bach:Toccata and Fugue in F major, BWV 540)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)