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マーラー:交響曲第2番「復活」

ワルター指揮 ウィーンフィル 1948年6月15日 ウィーン ムジークフェラインザールでのライブ録音



Mahler:交響曲第2番「第1楽章」

Mahler:交響曲第2番「第2楽章」

Mahler:交響曲第2番「第3楽章」

Mahler:交響曲第2番「第4楽章」

Mahler:交響曲第2番「第5楽章」


交響曲の時代の終焉を飾った人、それがマーラーでした

と書けば反論が返ってくるかもしれません。マーラー以後も交響曲を書きつづけた人がいるからです。
 たとえば、シベリウス、たとえば、ショスタコーヴィッチ。
 
 しかし、彼らの交響曲は、クラシック音楽の中心に座りつづけてきた交響曲のありようとはどこかが違います。
 シベリウスはその最後において、これ以上は切り詰めようもないほどの単楽章の7番で最後を飾ります。ショスタコーヴィッチも、14番では歌曲集だといわれても仕方のないような形に行き着きます。

 そう言う意味では、ハイドン、ベートーベンと受け継がれてきた王道としての交響曲は、恐竜のように巨大化した果てに、マーラーで滅びてしまったと言っても言い過ぎではありません。

 それにしても、巨大なシンフォニーです。普通に演奏しても90分はかかります。最終楽章だけでも30分ではおさまりきれません。オーケストラの構成も巨大化のきわみに達します。
 彼はその晩年において、演奏に1000人を要する第8交響曲を生み出しますが、その巨大化のへの傾向はこの第2番でもはっきりとしています。特にこの最終楽章のラスト数分間に渡って繰り広げられる絢爛たる響きは特筆ものです。

 そう言えば、この絢爛たる響きに魅せられて、これ一曲だけの指揮者になった人物がいました。彼は、そのために事業を起こして成功をおさめ、稼いだお金で指揮法を学び、プロのオーケストラを雇っては練習を重ねました。
 そして、仕事の合間をぬっては、一曲だけの指揮者と銘打って演奏会を行いました。もちろん、自分のお金でオーケストラを雇ってですが、評判が高まるにつれて、時には正式に招かれることもあったようです。CDも出して、店頭に並べられたこともありました。

 名前を確認しようとして資料を探したのですが、なかなか見つかりません。記憶では、なんとか・キャプランと言ったような気がします。(ジェームス・キャプランだったかな?当時は結構話題になったのですが、人の記憶なんて当てにならないものです)
 専門家筋では小馬鹿にしたような対応が大勢でしたが、ユング君は、アメリカの金持ちと言うのは粋なことをするもんだと感心したものです。まさに、彼は自らの生涯をかけて、この作品を愛しつづけたのです。

 マーラーは指揮者としては頂点を極めた人ですが、作曲家としてはそれほど認められることもなく世を去りました。彼は晩年、いつか自分の作品が認められる時代がくるはずだと信じてこの世を去りました。

 60年代にバーンスタインがNYOとの共同作業で完成させたマーラーの交響曲全集は、マーラー再評価への偉大な狼煙でした。
 彼は晩年にもうひとつの全集を完成させていますが、マーラーの福音を世につたえんとの気概に燃えた旧全集は今もその価値は失っていないと思います。 
 それ以後、CDの登場によって、マーラーは一躍クラシック音楽の表舞台に飛び出し、マーラーブームだといわれました。
 今ではもはやブームではなく、クラシック音楽のコンサートにはなくてはならないスタンダードなプログラムとして定着しています。
 
 まさに彼が語ったように、「巨人」の「復活」です。


マーラーの使徒、ブルーノ・ワルター

と、一般的にいわれているのですが、この演奏を聴けば分かるように彼はマーラーがしつこいほどに指定した細かい指示をほとんど無視しています。

昨今のマーラー演奏と、このワルターの演奏を聴き比べてみると、ワルターの曲作りは驚くほどにゆったりとした穏やかなものになっています。その傾向は、つなぎの間奏曲みたいな役割を持っている2・3楽章で顕著です。このゆったり感はマーラーの指示を忠実に守ったのでは絶対に出てきません。

マーラーのシンフォニーというものはもっとギクシャクとしたひっかかりみたいなものがあちこちにあるはずなのに、そう言う部分が徹底的に丸め込まれているのがワルターの演奏です。原点尊重が何よりも重要視される現在にあっては絶対に聞くことのできなくなった演奏です。

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