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ブレンデル(Alfred Brendel)|ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第1集 作品46
ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第1集 作品46
(P)ブレンデル & Walter Klien 1959年録音
Dvorak:スラブ舞曲 第1集 第1番 プレスト ハ長調
Dvorak:スラブ舞曲 第1集 第2番 アレグレット・スケルツァンド ホ短調
Dvorak:スラブ舞曲 第1集 第3番 ポーコ・アレグロ 変イ長調
Dvorak:スラブ舞曲 第1集 第4番 テンポ・ディ・ミヌエット ヘ長調
Dvorak:スラブ舞曲 第1集 第5番 アレグロ・ヴィヴァーチェ イ長調
Dvorak:スラブ舞曲 第1集 第6番 アレグレット・スケルツァンド ニ長調
Dvorak:スラブ舞曲 第1集 第7番 アレグロ・アッサイ ハ短調
Dvorak:スラブ舞曲 第1集 第8番 プレスト ト長調
ドヴォルザークの出世作

ドヴォルザークは貧乏でした。
ヴィオラ奏者をしたり、教会のオルガニストをしながら創作活動を続けていましたが、それでも生活は苦しくて、政府からの奨学金を得るために作品を出品をしてなんとか食いつないでいました。
そんなドヴォルザークに転機を与えたのが、この奨学金獲得のために出品していた作品でした。幸運だったのは、審査員の中にブラームスとハンスリックがいたことでした。特に、ブラームスはドヴォルザークの才能を高く評価し、なじみの出版業者だったジムロックに紹介の労をとります。ジムロックもブラームスからの紹介だと断れなかったのでしょう、早速に「モラヴィア二重唱曲」を出版するのですが、これが予想外に好評で、これをきっかけとしてドヴォルザークの名は広く知られるようになります。
そして、次に企画されたのがブラームスのハンガリー舞曲のような作品で、「スラブ舞曲」として8曲が注文されます。
最初は4手用のピアノ曲集として出版されたのですが、この作品はたちまち人気作品となり、すぐに管弦楽用に編曲されます。すると、このオーケストラ版も各地のオケが競ってプログラムに取り上げるようになって、ドヴォルザークの名声は世界的に確立されるようになりました。
やはり、人間というのは苦しいときに腐ってしまっては駄目で、そう言うときこそ努力を続けなければいけません。ドヴォルザークはこの幸運のきっかけとなった奨学金獲得のための作品提出を5年も続けていました。この5年の努力が結果としてブラームスの目にとまることにもなったのでしょうし、おそらくはこの5年の努力が作曲家としてのドヴォルザークの力量を大きく伸ばすことにもなったのでしょう。そして、その実力があったればこそ、ひとたびきっかけを得た後は、そのきっかけを確実な「成功」に結びつけることができたのだと思います。
まさに、スラブ舞曲こそはドヴォルザークの出世作でした。
第1番:プレスト ハ長調 4分の3拍子
第2番:アレグレット・スケルツァンド ホ短調 4分の2拍子
第3番:ポーコ・アレグロ 変イ長調 2分の2拍子
第4番:テンポ・ディ・ミヌエット ヘ長調 4分の3拍子
第5番:アレグロ・ヴィヴァーチェ イ長調 4分の2拍子
第6番:アレグレット・スケルツァンド ニ長調 4分の3拍子
第7番:アレグロ・アッサイ ハ短調 4分の2拍子
第8番:プレスト ト短調 4分の2拍子
かけがえのない「若さ」
ブレンデルの若き時代の録音についてはブラームスの「ハンガリー舞曲集」とムソルグスキーの「展覧会の絵」(リムスキー=コルサコフ版)を既に紹介してあります。そして、円熟期のブレンデルと若き時代のブレンデルが全く別の相貌を持っている事への驚きを述べさせていただきました。
円熟期のブレンデルがお上品でハイソな雰囲気が漂うのに対して、50年代の録音はどれもこれも荒々しいまでのストレートさで貫かれています。それ以外にもあれこれと最もらしいことを書いていますが、要は「すっかり気に入って」しまったのです。(^^v
そして、私がすっかり気に入ってしまった「荒々しさ」が最も良く前面に出ているのがこのドヴォルザークの「スラブ舞曲集」です。おそらく、音楽自体がそう言う荒々しさを内包しているがゆえに、演奏もまたそう言う性質を持つようになったのでしょう。確かに、あちこちに「荒々しさ」が「荒さ」になってしまっている部分は散見されます。しかし、そう言う未完成な部分も含めて、自分の感性を信じて一気に彫り上げていくような潔さは実に魅力的です。
「若さ」というのは実にもってかけがえのないものです。
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