Home |
ディヌ・リパッティ(Dinu Lipatti) |バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV 825
バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV 825
(P)ディヌ・リパッティ 1950年7月9日録音 Bach:Partita in B-flat major, BWV 825 [1.Prelude]
Bach:Partita in B-flat major, BWV 825 [2.Allemande ]
Bach:Partita in B-flat major, BWV 825 [3.Courante]
Bach:Partita in B-flat major, BWV 825 [4.Sarabande]
Bach:Partita in B-flat major, BWV 825 [5.Menuett`/a]
Bach:Partita in B-flat major, BWV 825 [6.Gigue]
バッハの鍵盤楽器による「組曲」の中では最も聞きごたえのある作品
バッハはいろいろな楽器を使った「組曲」(パルティータ)という形式でたくさんの作品を書いています。ヴァイオリンやチェロを使った無伴奏のパルティータや鍵盤楽器を使ったものです。
とりわけ、鍵盤楽器を使ったものとしては「イギリス組曲」「フランス組曲」、そしてただ単に「パルティータ」とだけ題されたものが有名です。
一般的には、「組曲」というのは様々な国の舞曲を組み合わせたものとして構成されるのですが、この最後の「パルティータ」にまで至ると、その様な「約束事」は次第に後景に追いやられ、バッハ自身の自由な独創性が前面に出てくるようになります。
たとえば、パルティータの基本的な構成は
「プレリュード-アルマンド-クーラント-サラバンド-ジーグ」
が一般的ですが、バッハはその構成をかなり自由に変更しています。
冒頭のプレリュードの形式を以下のように、様々な形式を採用しているのもその一例です。
第1曲:Praeludium
第2曲:Sinfonia
第3曲:Fantasia
第4曲:Ouverture
第5曲:Praeambulum
第6曲:Toccata
そして、この最初の曲で作品全体の雰囲気を宣言していることもよく分かります。
それ以外にも、同じ形式が割り振られていても、実際に聞いてみると全く雰囲気が異なるというものも多くあります。
おそらくバッハの鍵盤楽器による「組曲」の中では最も聞きごたえのある作品であることは間違いありません。
第1番変ロ長調 BWV 825
Prelude - Allemande - Courante - Sarabande - Menuett I - Menuett II - Gigue
第2番ハ短調 BWV826
Sinfonia - Allemande - Courante - Sarabande - Rondeaux - Capriccio
第3番イ短調 BWV827
Fantasia - Allemande - Corrente - Sarabande - Burlesca - Scherzo - Gigue
第4番ニ長調 BWV828
Ouverture - Allemande - Courante - Aria - Sarabande - Menuett - Gigue
第5番ト長調 BWV829
Preambulum - Allemande - Corrente - Sarabande - Tempo di Minuetto - Passepied - Gigue
第6番ホ短調 BWV830
Toccata - Allemande - Corrente - Air - Sarabande - Tempo di Gavotta - Gigue
バッハのパルティータの演奏からは、「病」の影は全く感じさせないリパッティの逞しさがあふれています
リパッティの残された録音はどれもみな音が貧しいと言われます。特に、そのピアノの響きに関しては、実際はどのようなものだったのかは全く分からないと言われます。
しかし、待ってくださいと言いたいのです。
ピアノの響きというのはその音色と音量から成り立っています。
音色というのは録音を通してでもある程度は推しはかれますが、どの程度の音量でそのピアノが鳴り響いているのかは、どれほどの最新、かつ超優秀録音であっても判断することは不可能です。何しろ、音量というのはアンプのボリューム一つでいかようにかえられるのですから、実際にどの程度の音量で鳴り響いていたのかは、録音を通してでは絶対に分からないのです。
ですから、どちらにしても本当のことは分からないのだと開き直れば、「本当の響きは分からない」などと言い立てるよりも、その「録音された響きで音楽が楽しめるかどうか」というレベルで判断すべきでしょう。
そして、そのように開き直ってみれば、再生の仕方によっては世間一般で言われるほど悪くない録音はたくさん残されているのです。
中には、戦後すぐのEMI録音だから「悪くて当然」みたいな事を書いている人もいるのですが、それもまた「録音の歴史」に関して無知に過ぎます。
モノラル録音時代のEMIの技術はほぼ完成に近づいていてて、それが完成に近づいていたがゆえにステレオ録音に対して懐疑的になって遅れを取ることになったのです。それでも、そう言う技術的遅れを取り戻すために奮闘していた60年代の前半頃までは、ステレオ録音もそれほど悪くはなかったのです。(ただし、それ以後のことに関しては多くの人が感じられているとおりです^^;)
ですから、戦後すぐのEMI録音は悪くて当然どころか、その時代の標準的なクオリティと較べればかなり優れた録音が多いのです。
そして、そのことはこのリパッティの録音にもあてはまります。
確かに1950年の録音ですから、テープによる録音が本格化する以前の録音です。
ですから、リパッティが残した録音はその様な技術的恩恵を受けることは出来なかったのですが、それでも同時代の録音と比較してとりわけ貧しいと言うことはありません。
ここでのリパッティは徹底的に考え抜いた末に、その考えてたどり着いたバッハの音楽の形をこの上もなくクリアに提示しています。そこには、この時代のバッハ演奏に染み込んでいたロマン主義的に厚化粧された姿はどこを探して耳つかりません。
そして、そのたどり着いた「形」はリパッティの中で完全に消化されているために、同時代の他のバッハ演奏と較べれば隔絶するほどに「新しい」スタイルであるにもかかわらず何ら「奇矯」な印象を与えません。
その極めて自然に聞こえる形で、まっさらに洗い直したようなバッハの姿が示されていることにこそ、この演奏の価値があります。
そして、その考え抜いた「形」を実際の音に変換するためにとびきり素晴らしいテクニックが貢献していることで、その自然さは担保されています。
リパッティと言えば常に白血病と闘い続けたと言うことが「エクスキューズ」として浮かび上がるのですが、ここで聞くことのできるリパッティの演奏はそう言う「病」などの影は全く感じさせない逞しさにあふれています。
そして、そう言う「逞しさ」をこの録音は見事に刻み込んでいます。それは保障できます。
そう思えば、「本当の響きは分からないのですが、凄かったらしいですよ」みたいな曖昧な言い方で褒めるのではなくて、「黙ってこれを聞いてください」と差し出した方がよほどリパッティの凄さが伝わるのではないでしょうか。
この演奏を評価してください。
よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
3328 Rating: 5.0 /10 (221 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2026-10-23]
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30(Rachmaninov:Piano Concerto No.3 in D minor, Op.30)
(P)モーラ・リンパニー:アンソニー・コリンズ指揮、ロンドン新交響楽団(Moura Lympany:(Con)Anthony Collins New Symphony Orchestra of London Recorded on 1952)
[2026-10-21]
リリ・ブーランジェ:古い仏教の祈り(Boulanger:Vieille Priere Bouddhique)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮:ラムルー管弦楽団 エリーザベト・ブラッスール合唱団 (T)レイモンド・アマデ 1958年録音(Igor Markevitch:Orchestre Des Concerts Lamoureux Elisabeth Brasseur (T)Alain Fauqueur Recorded on 1958)
[2026-10-19]
エマヌエル・ポンセ:イ短調組曲(Poncw:Suite In A minor)
(Gt)アンドレス・セゴビア:1930年録音(Andres Segovia:Recorded on 1930)
[2026-10-17]
ベートーベン:ヴィンターの歌劇「妨げられた奉納式」より四重唱「子供よ、静かにお休み」の主題による7つの変奏曲 WoO 75(Beethoven:7 Variations on the Quartet Kind, willst du ruhig schlafen from Winter's Das unterbrochene Opferfest, WoO 75)
(P)アルフレッド・ブレンデル 1958年&1960年録音(Alfred Brendel:Recorded on 1958 & 1960)
[2026-10-15]
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番 ト短調, Op.25(Mendelssohn:Piano Concerto No.1 in G minor, Op.25)
(P)モーラ・リンパニー:ラファエル・クーベリック指揮、フィルハーモニア管弦楽団 1952年録音(Moura Lympany:(Con)Rafael Kubelik The Philharmonia Orchestra Recorded on 1952)
[2026-10-13]
ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第2集 作品72(Dvorak:Slavonic Dances Op.72)
クルト・ザンデルリング指揮 レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1952年&1954年録音(Kurt Sanderling:Leningrad Philharmonic Orchestra Recorded on, 1952 & 1954)
[2026-10-11]
ヴィオッティ:ヴァイオリン二重奏曲 ト長調(Viotti:Duet for Violin Solo in G minor)
(Vn)ジョコンダ・デ・ヴィート:(Vn)イェフディ・メニューイン 1955年12月4日&6日録音(Gioconda de Vito:(Vn)Yehudi Menuhin Recorded on Decembr 4&6, 1955)
[2026-10-09]
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 「喜び」 Op. 8, No. 6, RV 180(Vivald:Violin Concerto in C Major, Op. 8, No. 6, RV 180, "Il piacere")
(Vn)フェリックス・アーヨ:イ・ムジチ合奏団 1961年9月20日~28日録音(Felix Ayo:Musici, I Recorded on September 20-28, 1961)
[2026-10-07]
J.S.バッハ:カンタータ第51番「全地よ、神を向かえて歓呼せよ」,BWV 51(J.S.Bach:Cantata: "Jauchzet Gott in Allen Landen", BWV 51)
(S)エリーザベト・シュヴァルツコップ:ペーター・ゲルホルン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1950年10月6日録音(Elisabeth Schwarzkopf:(cpn)Peter Gellhorn Philharmonia Orchestra Recorded on October 6, 1950)
[2026-10-05]
J.S.バッハ:管弦楽組曲第4番 ニ長調 BWV1069(J.S.Bach:Orchestral Suite No.4 in D major, BWV 1069)
クルト・レーデル指揮:ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団 1962年2月録音(Kurt Redel:The Pro Arte Chamber Orchstra of Munich Recorded on February, 1962)