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ベートーベン:ピアノ協奏曲第1番

ギーゼキング ロスバウト指揮 ベルリン・シュタッツオッパー管弦楽団 1937年録音



Beethoven:ピアノ協奏曲第1番「第1楽章」

Beethoven:ピアノ協奏曲第1番「第2楽章」

Beethoven:ピアノ協奏曲第1番「第3楽章」


若きベートーベンの自信作・・・大協奏曲!!

この作品は番号は1番ですが、作曲されたのは2番よりも後です。現行の2番は完成した後に筆を加えたり出版が遅れたりして番号が入れ替わってしまったわけです。
ベートーベンは第2番の協奏曲の方にはたんに「協奏曲」として出版していますが、この第1番の方は「大協奏曲」としています。それはこの作品に寄せる並々ならぬ自信の作品でもあったわけですが、大編成の管弦楽とそれに張り合うピアノの扱いなどを見ると、当時としては大協奏曲と銘打っても不思議ではない作品となっています。

この作品はベートーベンがウィーンに出てきて間もない頃に書かれたと言われています。当時のベートーベンは作曲家としてよりもピアニストとして認められていたわけですから、モーツァルトと同様に、自らの演奏会のためにこのような作品は必要不可欠だったわけです。
演奏効果満点の第1楽章と、将来のベートーベンを彷彿とさせるに十分な激しさを内包した最終楽章、そしてもこれもまたベートーベンを特徴づける詩的な美しさをもったラルゴの第2楽章。どれをとっても演奏会用のピースとして求められるあらゆる要素をもったすぐれモノの協奏曲です。

なお、この作品の第1楽章にはベートーベン自身による3種類のカデンツァが残されていますが、これらは作曲当時に書かれたものではなくて、かなり後になってからルドルフ大公のために書かれたものだと言われています。


ヴァントの思い出から

この演奏とは何の関係もない話ですが、ギーゼキングという人を知るにはなかなか面白い話なので引用しておきます。

「ヴァルター・ギーゼキングを思い出しますね。大先生、初手からご機嫌が悪かった。空港への迎えが手違いで誰も行かなくて、雨の中を自分ひとりでタクシー呼んでホテルに着いた。そこへ若い指揮者の私が行ったのです。ご機嫌は、かなり悪い。話にとりつく島がない。で、どんなテンポで始めますかと尋ねてみた。吐き捨てるように『わからん!』。そして私を、ジロリとにらむ。『明日わかるだろ』 − そうですか」
「で、翌日の練習で私は思うテンポで始めた。ピアノの入りは、感じがいい。よし!ところが本番、始まりは同じテンポで入っているのに、フィナーレではどんどん速くなる。第二夜はもっと速い。やっぱりこれは言わなければ。しかし勇気がいるんですよ、乗っている大家にものを言うのは」
「するとギーゼキングは目を剥いて、『何、速いと!』。あと何か唸って、無言」
「第三夜はどうなるかと思ったら、速くならないで、最上の結果。ギーゼキングさん自身、ご機嫌で、舞台裏で私に『な、よかったろ!』私が何か答える前に、私の首筋をむんずと掴んで、『おい、あれでよかったろ、おい!』(首筋に手をやって)痛かったよ、まだ覚えてる。力持ちでねえ!」

練習は嫌いだったようです。( -.-)/☆( +.;)ポカッ

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