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シベリウス:交響曲第6番 ニ短調 op.104

アンソニー・コリンズ指揮 ロンドン交響楽団 1955年1月25〜27日録音



Sibelius:交響曲第6番 ニ短調 op.104 「第1楽章」

Sibelius:交響曲第6番 ニ短調 op.104 「第2楽章」

Sibelius:交響曲第6番 ニ短調 op.104 「第3楽章」

Sibelius:交響曲第6番 ニ短調 op.104 「第4楽章」


シベリウスの7つの交響曲の中では一番影の薄い存在

シベリウスの交響曲と言えば4番と7番が「傑作」と言うことになっています。それに次いで第5番が祝典的な華やかさをもちながらもシベリウスらしい凝縮した作品になっていると評価されています。そして、世間では大好きだという人が多い第1番や第2番の交響曲は若書きの作品であり、「真のシベリウス」になりきっていない「深み」にかける作品と言うことになっています。さらに、第3番はそう言う深みにかける若書きの時代から真のシベリウスに変化していく「過渡期の作品」らしいのです。
そして、第6番は・・・何故かいつも忘れ去られたようにほとんど言及されないのが特徴です。貶されることもないのですが、それほど褒められもせず、シベリウスの7つの交響曲の中では一番影の薄い存在、それがこの第6番の交響曲です。
ああ、それにしても評論家というのは「罪深い存在」です。せめて、「真のシベリウス」だとか「深みに欠ける」などと言う言葉の前に「私は」という主語をつけて、最後に「思います」という述語で締めくくってもらいたいものです。しかし、一般の聴衆は意外としたたかで、評論家が傑作と思う作品でプログラムを組むと誰も聴きに行かないので、真のシベリウスからはほど遠いフィンランディアやカレリア組曲や1番、2番の交響曲ばかりが演奏されることになります。そして、そんな中で、これまた最近人気が出始めているのが、長い間忘れ去られたような存在だったこの6番の交響曲です。
実は、私も最近になってこの交響曲のセレナードのような美しさにすっかりはまっていてよく聞くようになっています。もしかしたら、シベリウスの作品の中では聞く回数が一番多いのがこの作品かもしれません。
形式的にもサイズ的に古典的な交響曲のたたずまいを持っていて、本当に美しい音楽だと思います。
そして、この交響曲と「銀河鉄道の夜」を結びつけて論じたのが作曲家の吉松隆でした。
http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/~data/BOOKS/Thesis/sibelius01.html
彼はシベリウスと賢治の共通点にふれたあとに「共に一種の土俗的かつ民族主義的テイストを基盤に持ちながらも、そこから離れてフワリと成層圏を越え、オーロラや銀河の彼方の透明な思想を手にした作品を紡いだ点でも実に良く似ているのである。」とまとめています。さらに、別のところで、シベリウスの交響曲を7つの星からなる星座に喩えたりもしていますので、カレはよほど星空が好きなようです。
個人的には、この作品を銀河に喩えるよりは、影の中に時折燦めく光の美しさに彩られた北欧の自然をイメージするのですが、しかし、そう言う多様なイメージを喚起するところにこの作品の素晴らしさがあるのだとは思います。
もっともっと聞かれていい作品だと思います。


イギリスにおけるシベリウス

シベリウスをいち早く受け入れて、世界的な作曲家としての地位を与えたのはイギリス人です。何故か分かりませんが、イギリスは北欧の作曲家との相性がいいようで、とりわけシベリウスの受容に関しては長い歴史を持っています。
シベリウスの作品を積極的に取り上げてその評価を確かなものにしたのは、同じフィンランド人のカヤヌスです。彼はシベリウスとも深い親交があったために、長くシベリウス演奏の権威としての地位を保持していました。また、シベリウス自身もその様なカヤヌスへの感謝の気持ちとして交響詩《エン・サガ》や《ポホヨラの娘》をカヤヌスに献呈しています。
それ以後も、北欧の指揮者やオケにとってシベリウス作品は名刺代わりみたいなもので、彼らの演奏活動の重要な部分を占めていました。現在も、パーヴォ・ベルグルンドとオスモ・ヴァンスカあたりがすぐれた演奏を展開しています。
しかし、そう言う北欧系の人たちを除けば、シベリウスを積極的に取り上げてきたのはほとんどがイギリス人です。それも、ある特定の時代の特異な現象としてではなく、エイドリアン・ボールトやアンソニー・コリンズ、ビーチャムなどから始まってバルビローリ、コリン・デイヴィスという系譜をたどることができるぐらいに長い歴史を持っています。
そして、面白いのは、カラヤンやザンデルリングのようなドイツ系の指揮者がシベリウスを取り上げると非常にロマンティックに構成するのに対して、イギリスの指揮者はカヤヌス以来の流れである即物的で厳しい造形に徹していることです。そして、アンソニー・コリンズの演奏は、そう言うイギリス系の指揮者の中でも厳しさという点ではかなり右翼に位置するようです。
アンソニー・コリンズといえば、アメリカに渡って映画音楽の世界で活躍し、アカデミー賞にも3度ノミネートされた経歴を持っています。いわば、アメリカのショウビジネスの世界で生きてきた人ですから、もっと大衆受けしそうな演奏をしそうなものなのに、不思議と言えば不思議な話です。

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