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ベートーベン:ピアノソナタ第2番

(P)バックハウス 1953年11月録音




ハイドンに献呈されたピアノソナタ

 ボン時代にベートーベンはハイドンと知り合います。イギリスに招かれての行き帰りの時です。
若きベートーベンの才能を認めたハイドンはウィーンに出てきて自分のもとで学ぶようにすすめます。喜んだベートーベンは選定侯の支援もあって飛ぶようにウィーンに向かいます。
 ハイドンがイギリスからの帰りにベートーベンと出会い、ウィーン行きをすすめたのが1792年の7月です。そのすすめに応じてベートーベンがウィーンに着いたのが同じ年の11月10日です。当時の社会状況や準備に要する時間を考えれば、ベートーベンがどれほどの期待と喜びをもってウィーンのハイドンのもとにおもむいたのかが分かります。

 しかし、実際にウィーンについてハイドンのもとで学びはじめるとその期待は急速にしぼんでいきます。偉大な選手が必ずしも偉大なコーチにならないとのと同じで、偉大な作曲家ハイドンは決して教師に向いた人ではなかったようです。
 おまけにベートーベンの期待があまりにも大きく、そして、ベートーベン自身もすでに時代を越え始めていました。

 ハイドンの偉大さは認めつつも、その存在と教えを無批判に受け入れるというのはベートーベンには不向きなことでした。それよりは、自分が必要と思うものをクールに受け取れる存在の方がよかったようです。
 そこで、ベートーベンはサリエリ(映画アマデウスのおかげで凡庸な作曲家というイメージが定着してしまいました)やアレブレヒツベルガーなどから作曲理論を学ぶようになり、結局は翌年の春にはハイドンのもとを去ることになります。

 この作品番号2としてまとめられている3曲のピアノソナタは、そのような若き時代の意気軒昂たる姿がうかがえて興味深い作品です。そして、世上噂されるハイドンとの不和も、これらの3曲がハイドンに献呈されていることを考えると、決定的なものではなかったようです。

 ちなみに、この3曲が完成したのは1795年と言われているが、作品の着想そのものはボン時代にさかのぼるそうです。それが、イギリスでの大成功をおさめてウィーンに帰ってきたハイドンに謝意を示すために一気に完成されたと言われています。

第1楽章
 アレグロ・ヴィヴァーチェ イ長調 4分の2拍子 ソナタ形式
第2楽章
 ラルゴ・アッパシオナート ニ長調 4分の3拍子 3部形式
第3楽章
 アレグレット イ長調 4分3拍子 スケルツォ
第4楽章
 ロンド イ長調 4分の4拍子 ロンド形式

バックハウス全盛期の演奏


バックハウスはモノラルの時代とステレオの時代にそれぞれ全集を録音しています。(ただし、29番「ハンマークラヴィーア」のみはステレオでの再録音がされなかったのでモノラル時代の録音が流用されています)
以前は随分と高価なボックスだったように記憶しているのですが、最近はどのような仕掛けがあるのか分かりませんが、イタリア・ユニーバーサルからかなり安価な値段で供給されるようになりました。

ところが、面白いのが、音質的には劣るモノラル録音の方がステレオ録音よりも高く値段が設定されていることです。
この手のものはお店によって価格設定が変わることが多いのですが、私がよく利用しているお店では

モノラル録音が10000円
ステレオ録音が6900円

に設定されています。
こういう古い録音は最終的には需要と供給の関係で決まるようですから、多くの人が音質的には劣ることは分かっているのにモノラル録音を求めることをこの事実は示しています。
理由はいうまでもありません、演奏そのものが圧倒的にモノラル録音の方が優れているからです。

日本では何故かシルバーシート優先で老大家の枯れた演奏を持ち上げる習慣があるのですが、いうまでもなく、その様な「枯れた演奏」よりは脂ののりきった全盛期の演奏の方が優れていることが多いのは自明の理です。とりわけ、この23番のような覇気満々たる作品であるならばそのアドバンテージは絶対的です。
ステレオ録音によるバックハウスしか聞いたことがない人には是非とも一度は聞いてもらいたい演奏です。


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