クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|オーマンディ(Eugene Ormandy)|ヨハン・シュトラウス II:ワルツ「ウィーンの森の物語」 Op.325

ヨハン・シュトラウス II:ワルツ「ウィーンの森の物語」 Op.325

ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年12月27日録音



Johann Strauss II:Tales from the Vienna Woods, Op.325


社交の音楽から芸術作品へ

父は音楽家のヨハン・シュトラウスで、音楽家の厳しさを知る彼は、息子が音楽家になることを強く反対したことは有名なエピソードです。そして、そんなシュトラウスにこっそりと音楽の勉強が出来るように手助けをしたのが母のアンナだと言われています。後年、彼が作曲したアンネンポルカはそんな母に対する感謝と愛情の表れでした。
やがて、父も彼が音楽家となることを渋々認めるのですが、彼が1844年からは15人からなる自らの楽団を組織して好評を博するようになると父の楽団と競合するようになり再び不和となります。しかし、それも46年には和解し、さらに49年の父の死後は二つの楽団を合併させてヨーロッパ各地へ演奏活動を展開するようになる。
彼の膨大なワルツやポルカはその様な演奏活動の中で生み出されたものでした。そんな彼におくられた称号が「ワルツ王」です。
たんなる社交場の音楽にしかすぎなかったワルツを、素晴らしい表現力を兼ね備えた音楽へと成長させた功績は偉大なものがあります。

ウィーンの森の物語 作品325



疑いもなく、美しき青きドナウと並んで、シュトラウスのワルツを代表する音楽です。
この作品も序奏ー色々なワルツ(この作品では4つのワルツ)?コーダという形をとっているのですが、この作品の特徴は非常に序奏が長く充実していることです。そのために、これはもはやワルツというよりは交響詩と言ってもいいような規模と内容になっています。
さらに、この序奏にはツィターが用いられていて、さらには最後のコーダでもこのツィターが懐かしむように帰ってきて音楽が締めくくられル野が、この上もなく魅力的です。

実際の演奏会ではこのツィター奏者を用意するのが難しいので、これをヴァイオリンの独奏で代用することが多いようなのですが、残念ながらそれではこの作品の魅力が半減します。
それになんと言っても、この作品はウィーンの森の美しさを音楽で描いた愛国的な内容を持っていますから、その中にオーストリアの民族楽器であるツィターを使ったことには大きな意味があります。ボスコフスキーとウィーンフィルによるこの録音ではツィターの名手、アントーン・カラスが登場します。完璧です!!


端正であると同時に豊満

オーマンディがどうしても低く見られる要因として「オペラ」を指揮しなかったと言うことがあります。実はミンシュもほぼ同様で、彼もまた「オペラ」との縁は非常に少なかった指揮者でした。
そして、アメリカではまだしも、ヨーロッパではその事は決定的な「弱点」と見なされました。
ただし、ミンシュはそう言うことは殆ど気にしていなかったようです。

それに対して、オーマンディの方はその事に多少の引け目を感じていたのか、唯一、ヨハン・シュトラウスの「こうもり」だけを録音しています。そして、それを「ヨハン・シュトラウスの理想的指揮者」と鼻であしらったのがストラヴィンスキーでした。
しかしながら、そんな風に馬鹿にされながらも、彼が鬼のトレーニングで築き上げた「フィラデルフィア・サウンド」は唯一無二の魅力を持っていました。
例えばリヒャルト・シュトラウスの「薔薇の騎士」組曲を聴いてみれば、それはまさに「薔薇の騎士」のダイジェスト版になっているだけでなく、その響きの豊麗さは誰にも真似の出来ない優れものでした。

ですから、そんなオーマンディが手兵のフィラデルフィア管の豊饒な響きを最大限にフル活用してヨハン・シュトラウスのワルツやポルカを演奏すればどんな音楽になるのかは概ね予想はつきます。
そして、現実はその予想をはるかに上回る面白さと美しさに満ちた音楽を聞かせてくれています。

まず最初に断っておかなければいけないのは、ここには「ウィーンの粋」はありません。基本的にワルツはワルツとしてきちんと3拍子で構成されていますし、ポルカはポルカらしく力強い推進力が強調されています。
つまりは、ウィンナー・ワルツという「伝統」からは自由になって、それらの作品を純粋器楽として端正に構築しているのです。その点ではセル&クリーブランド管によるシュトラウス演奏と方向性は同じです。しかし、セルになくてオーマンディにあったのはフィラデルフィア管の豊麗なサウンドです。

そう言えば、セルのウィンナー・ワルツをまるで士官学校での舞踏会みたいだと書いた事があるのですが、ここにはその様な禁欲的な雰囲気は全くありません。その音楽は端正であると同時に豊満でもあります。
そして、こういう表現というのは、簡単にやれるように見えて意外と難しいものであることに気づかされます。
そして、これが誉め言葉になるのかどうかは分かりませんが、「オーケストラの休日」でも感じたように、こういう小品を扱わせたときのオーマンディの上手さは抜きんでています。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



4526 Rating: 6.1/10 (119 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2021-03-13:アドラー





【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2026-04-20]

ルーセル:セレナーデ Op.30(Roussel:Serenade in C major, Op.30)
パスキエ・トリオ:(Fl)ジャン・ピエール・ランパル (Harp)リリー・ラスキーヌ 1955年2月録音(Pasquier Trio:(Fl)Jean-Pierre Rampal (Harp)Lily Laskine Recorded on February, 1955)

[2026-04-18]

ベートーベン:ジュースマイアーの歌劇「スレイマン2世、または3人のサルタン妃」による8つの変奏曲 WoO 76(Beethoven:8 Variations on the Trio Tandeln und Scherzen from Sussmayr's Solimann der Zweite, WoO 76)
(P)アルフレッド・ブレンデル 1958年&1960年録音(Alfred Brendel:Recorded on 1958 & 1960)

[2026-04-16]

リリ・ブーランジェ:詩篇第129篇「彼らは、わたしの若い時から、たびたびわたしを苦しめた」(Boulanger:Psaume 129, Ils m'ont assez opprime des ma jeunesse)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮:ラムルー管弦楽団 エリーザベト・ブラッスール合唱団 (Br)ピエール・モレ 1958年録音(Igor Markevitch:Orchestre Des Concerts Lamoureux Elisabeth Brasseurr (Br)Pierre Mollet Recorded on 1958)

[2026-04-13]

ハイドン:弦楽四重奏曲第62番 変ロ長調 Op.55, No 3, Hob.3:62(Haydn:String Quartet No.62 in B-Flat Major, Op.55, No 3, Hob.3:62)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1936年11月19日録音(Pro Arte String Quartet]Recorded on November 19, 1936)

[2026-04-10]

ハイドン:協奏的交響曲 変ロ長調, Hob.I:105(Haydn:Sinfonia concertante in B-flat major, Hob.I:105)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮:ラムルー管弦楽団 1957年10月29日~30日録音(Igor Markevitch:Orchestre Des Concerts Lamoureux Recorded on October 29-30, 1957)

[2026-04-09]

J.S.バッハ:8つの小前奏曲とフーガ BWV.559-560(J.S.Bach:Prelude and Fugue BWV559-560)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1962年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 10-12, 1962)

[2026-04-08]

J.S.バッハ:8つの小前奏曲とフーガ BWV.557-558(J.S.Bach:Prelude and Fugue BWV557-558)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1962年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 10-12, 1962)

[2026-04-07]

J.S.バッハ:8つの小前奏曲とフーガ BWV.555-556(J.S.Bach:Prelude and Fugue BWV555-556)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1962年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 10-12, 1962)

[2026-04-06]

J.S.バッハ:8つの小前奏曲とフーガ BWV.553-554(J.S.Bach:Prelude and Fugue BWV553-554)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1962年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 10-12, 1962)

[2026-04-04]

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調, Op.61(Beethoven:Violin Concerto in D major, Op.61)
(Vn)ダヴィド・オイストラフ:シクステン・エールリンク指揮 ストックホルム・フェスティヴァル管弦楽団 1954年録音(David Oistrakh:(Con)Sixten Ehrling Royal Stockholm Philharmonic Orchestra Recorded on 1954)