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ショパン:ピアノ協奏曲 第1番

P:ルービンシュタイン バルビローリ指揮 ロンドン交響楽団 1937年4月3日



Chopin:ピアノ協奏曲第1番「第1楽章」

Chopin:ピアノ協奏曲第1番「第2楽章」

Chopin:ピアノ協奏曲第1番「第3楽章」


告別のコンチェルト

よく知られているように、ショパンにとっての協奏曲の第1作は第2番の方で、この第1番の協奏曲が第2作目の協奏曲です。

1930年4月に創作に着手され、8月には完成をしています。初演は、同年の10月11日にワルシャワ国立歌劇場でショパン自身のピアノ演奏で行われました。この演奏会には当時のショパンが心からあこがれていたグワドコフスカも特別に出演をしています。

この作品の全編にわたって流れている「憧れへの追憶」のようなイメージは疑いもなく彼女への追憶がだぶっています。
ショパン自身は、この演奏会に憧れの彼女も出演したことで、大変な緊張感を感じたことを友人に語っています。しかし、演奏会そのものは大成功で、それに自信を得たショパンはよく11月の2日にウィーンに旅立ちます。

その後のショパンの人生はよく知られたように、この旅立ちが祖国ポーランドとの永遠の別れとなってしまいました。

そう意味で、この協奏曲は祖国ポーランドとの、そして憧れのグワドコフスカとの決別のコンチェルトとなったのです。

それから、この作品はピアノの独奏部分に対して、オーケストラパートがあまりにも貧弱であるとの指摘がされてきました。そのため、一時は多くの人がオーケストラパートに手を入れてきました。しかし最近はなんと言っても原典尊重ですから、素朴で質素なオリジナル版の方がピアノのパートがきれいに浮かび上がってくる、などの理由でそのような改変版はあまり使われなくなったようです。

それから、これまたどうでもいいことですが、ユング君はこの作品を聞くと必ず思い出すイメージがあります。国境にかかる長い鉄橋を列車が通り過ぎていくイメージです。ここに、あの有名な第1楽章のピアノソロが被さってきます。
なぜかいつも浮かび上がってくる心象風景です。


呆れるほどの事務的な伴奏

晩年のバルビローリを知るものにとっては信じがたいほどのぶっきらぼうな伴奏です。もう本当に嫌々のおつきあいでオケを振っていますという雰囲気がありありと伝わってきます。
しかし、考えてみればショパンのピアノコンチェルトというものは本来こういうものだったと言うことに気づかされます。主役はあくまでもピアノであり、とりわけ第1楽章の導入部なんかは昔からのしきたりでつけているんですが、本当はそんなものはなしでいきなりピアノから入りたいほどなのですよ、という風情です。
とにかく事務的にそそくさとやることやってピアノの登場を待つというスタンスです。

そういえば、数年前にそういうショパンの解釈に異議を唱えて、自分でオケを編成してネッチリ、コッテリとオケを歌わせたピアニストがいました。ユング君はその演奏を初めて聞いたときに「これがLPの時代だったら、絶対にターンテーブルのモーターが壊れたと思ったことだろう」なんどと書いて顰蹙をかったことがありました。
でも、ここまで「潔い」オケの伴奏を聞かされると、そんなに無理しないで普通にやった方がピアノは栄えるんじゃないかと思ってしまったりします。

とはいえ、ここのルービンシュタインのピアノは残念ながら今一歩という感じですね。録音年代から見ても、粋な才人ピアニストから真に偉大なピアニストへと変身を遂げる過程での録音のようです。
悪くはないですが、この少し後に録音されたマズルカの演奏と比べると今一歩という感は否めません。
残念!!

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