クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~


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ヴェルディ・オペラ合唱曲集

カルロ・フランチ指揮 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団、合唱団 (合唱指揮)ジーノ・ヌッチ 1964年録音

Vedi! Le Fosche (Act II - Il Travatore)

Squilli Echeggi (Act III - Il Travatore)

Gli Arredi Festivi (Act I - Nabucco)

Va Pensiero (Act III - Nabucco)

O Signore Dal Tetto Natio (Act IV - I Lombardi)

"Gloria All Egitto" (Grand March And Ballet Music) (Act II - Aida)

Giuriam D'Italia (Act III - La Battaglia Di Legnano)

Prelude And Introduction - "Urli Rapine" (Attila)

Fuoco Di Gioia (Act I - Otello)




一度はオペラの全曲を聴いてみたいと思わせてくれる演奏

「カルロ・フランチ」と言う指揮者に関しては殆ど情報はないのですが、1927年にアルゼンチンで生まれ、その後イタリアの「聖チェチーリア音楽院」で音楽を学び、ヨーロッパやアメリカの歌劇場で幅広く活躍した、くらいのことは分かりました。
しかし、この僅かに残された録音を聞く限りでは、何故にそこまで「無名」だったのかが不思議なくらいの素晴らしさです。

こういうヴェルディの合唱曲集と言えば、あのアバドが70年代から80年代にスカラ座のオケを使って録音したアルバムが思い出されます。(わたしもよく聞きました)取り上げている作品も重なっている部分が多いのでどうしても比較してしまうのですが、歌い回しの見事さという点ではこちらの方が上かもしれません。
まあ、こういう「比較」は名盤探しのコレクターにとっては重大事なのでしょうが、本質的には何の意味もないことですね。間違いがないのは、あのアバド盤に対しても独自の価値を主張できるほどの素晴らしさがある録音だと言うことです。

収録されている作品は以下の通りです。


  1. 「トロヴァトーレ」:朝の光がさしてきた(鍛冶屋の合唱:第2幕)

  2. 「トロヴァトーレ」:ラッパの響きに(兵士の合唱:第3幕)

  3. 「ナブッコ」:祭りの晴れ着がもみくちゃに(第1幕)

  4. 「ナブッコ」:行け、わが思いよ、金色の翼にのって

  5. 「十字軍のロンバルディア人」:おお主よ、ふるさとの家々よ(十字軍と巡礼の合唱:第4幕)

  6. 「アイーダ」:エジプトとイジスの神に栄光あれ(凱旋行進曲と舞踏音楽:第2幕)

  7. 「レニャーノの戦い」:われら、イタリアを救うことを誓わん(第3幕)

  8. 「アッティラ」:前奏曲と導入部(第1幕)~雄叫びあげよ、強奪だ!(アッティラ軍勢の合唱:プロローグ)

  9. 「オテロ」:喜びの炎よ(第1幕)



イタリア・オペラが持つ輝かしいカンタービレの世界が思う存分堪能できる一枚であり、それをきっかけとして、ならば一度はオペラの全曲を聴いてみたいと思わせてくれる演奏と録音です。
そして、「録音」という媒体を通してでしかクラシック音楽の世界の様子が伝わってこないこの国の「歪さ」にも注意しないといけないことに気づかせてくれる一枚です。

オーディオ・システムには入りきらない世界


生の舞台に接していると、「これは、どんなに頑張ってもオーディオの世界で再現するのは無理だな」と思わされることがあります。
個人的な経験で言えば、その最たるものがワーグナーの「マイスタージンガー」のラストのシーンでした。第3幕第5場の、祭のファンファーレに導かれてマイスター達が入場してくるところから、最後の「ハイル・ザックス!」の絶叫に至るまでの盛り上がりは、到底「オーディオ」という器には入りきらない規模を持つものでした。

それでも、録音エンジニア達は、その「不可能」を「可能」にすべく、まるで風車に立ち向かうドン・キホーテのような戦いを挑み続けてきました。
考えてみれば、録音という行為が始まった頃は、そのか細い響きを通して何とか「音楽」らしきものが識別できる程度のものだったのです。それが、独奏楽器であれば、まるで眼前で演奏されているかのごとき生々しさで再生することが可能となり、やがてはオーケストラであってもかなりのリアリティを持って再現することが可能となっていきました。

そして、その終着点とも言えるのが、おそらくはこういうオペラの再生でしょう。とりわけ、オーケストラと人間の声が渾然一体となって壮大な音のドラマを作り上げる世界は、オーディオにとっては難敵中の難敵と言えるでしょう。
そういえば、我が家の近くに「むくの木ホール」と言うところがあって、そこにはかなりのオーディオ・システムが仕込まれていて、定期的にオーディオショーも開催されています。





写真を見てもらえば分かるように、再生される環境も一般家庭ではのぞむべくもないほどの恵まれたホールです。
数年前に、このホールでこのシステムの威力をお披露目するイベントに参加して、最後にアイーダの「凱旋行進曲」を再生してくれました。それまでは、「さすが、大したものだ!」と感心しながら聞いていたのですが、この最後の「アイーダ」だけは余分でした。
実際の舞台で聞くことのできるあの壮大な世界は、これだけのホールとオーディオ・システムを持ってしても道半ばという感じだったので、いささか愕然とさせられたものです。

そういう難敵中の難敵にDECCAのエンジニア達が果敢に挑戦したのがこのアルバムです。
なかには、「今となってはいかにも録音が古すぎテープヒスが目立つのが残念だ。」などと評している人もいるようなのですが、これもまたネット上に広がる録音評がいかに当てにならないかの見本です。
この録音が「古すぎて残念」なレベルだとすれば、世に出てくる最新録音の大部分は「ゴミ同然」だと言わなければなりません。

それだけに、この録音を自分の環境でどのように鳴らすのかは、オーディオに興味を持つものにとっては一つのチャレンジであるかもしれません。

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2017-03-18:コタロー


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[2017-12-14]

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(P)アニー・フィッシャー ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1958年2月28日&3月1日,2日&10日録音

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