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フランク:交響曲ニ短調

バーンスタイン指  ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団年1959年2月2日録音

Franck:Symphony in D minor [1st movement Lento; Allegro ma non troppo]

Franck:Symphony in D minor [1st movement Lento; Allegro ma non troppo]

Franck:Symphony in D minor [1st movement Lento; Allegro ma non troppo]


偉大なるマイナー曲

この屈指の名曲を「マイナー曲」と言えばお叱りを受けそうですが、意外ときいていない人が多いのではないでしょうか?まあCDの棚に一枚か二枚程度は並んでいるのでしょうが、それほどに真剣に聞いたことはないと言う人も多いのではないでしょうか?

名曲というハンコはしっかり押されているにもかかわらず何故か人気はないと言う点で、「偉大なマイナー曲」と表現させてもらいました。

理由はいくつか考えられるでしょうが、まず第一に、フランクが交響曲という分野ではこれ一曲しか残さなかったことがあげられるでしょう。
交響曲作家というのは一般的に多作です。ベートーベンの9曲を代表として、少ない方ではブラームスやシューマンの4曲、多い方ではショスタコーヴィッチの15曲というあたりです。マーラー、ブルックナー、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、シベリウスなどなど、誰を取り上げてもそれなりにまとまった数の交響曲を残しました。
それだけにたった1曲しか残さなかったフランクの交響曲は、何かの間違いで(^^;、ポット産み落とされたような雰囲気が漂って「あまり重要でない」ような雰囲気が漂ってしまうのがマイナー性を脱却できない一つの理由となっているようです。

ただ、これは彼の人生を振り返ってみると大きな誤解であることは明らかです。吉田秀和氏がどこかで書いていましたが、60歳をこえ、残りの人生が少なくなりつつある10年間に、それこそねらいを定めたように、一つのジャンルに一作ずつ素晴らしい作品を産み落としたのがフランクという人でした。
そして、交響曲という分野においてねらいを定めてたった一つ産み落とされたのがこの交響曲なのです。

何かの片手間でポッと一つだけ作曲されたのではなく、自分の人生の総決算として、まさにねらいを定めたように交響曲という分野でたった一つだけ生み出され作品がこのニ短調のシンフォニーなのです。

さらにマイナー性を脱却できない第二の理由は作品が持つ「暗さ」です。とりわけこの作品の決定盤として君臨してきたフルトヴェングラーの演奏がこの暗さを際だたせた演奏だっただけに、フランクの交響曲は「暗い」というイメージが定着してしまいました。

たしかに、第一楽章の冒頭を聞くと実に「暗い」事は事実です。しかし、聞き進んでいく内に、この作品の本質がそのような暗さにあるのではなく、じつは「暗」から「明」への転換にあることに気づかされます。
そう、辛抱して最後まで聞いてくれればこの作品の素晴らしさを実感してもらえるのに、多くの人は最初の部分だけで辟易して、聞くのをやめてしまうのです。(実はこれってかつてのユング君でした・・・)

最終楽章の燦然と輝く音楽を聴いたとき、このニ短調の交響曲というのはあちこちで言われるような晦渋な作品ではなく、実に分かりやすい作品であることが分かります。そして、いかにドイツ的な仮面をかぶっていても、この作品は本質的にはフランスの音楽であることも了解できるはずです。


皆様はこの録音をどのように聴かれたでしょうか?

バーンスタインでの指揮者としてのキャリアを振り返ってみれば、以下の3期に分けられることには誰も異存はないでしょう。


  1. 1943年?1958年:衝撃のデビュー・コンサートからニューヨーク・フィルの常任指揮者就任まで

  2. 1958年?1969年:ニューヨーク・フィルの常任指揮者時代

  3. 1969年?1990年:ニューヨーク・フィルの常任指揮者を辞任してから亡くなるまで



区分としては粗すぎることは百も承知ですが、それでもこの3期を、ホップ・ステップ・ジャンプと捉えて、客演指揮者として世界中のオケを指揮してまわった晩年をベストとする人と、そうではなくてニューヨークフィルの常任指揮者として活躍していた時期こそがベストだと言う人と、大きく分けて二分されるようです。
晩年の超絶的スローテンポの演奏を重厚で円熟の極みと褒めちぎる人もいれば、どうにも「付き合いきれんなぁ・・・!」と言う人も少なからず存在して、そう言う連中は「荒さはあってもニューヨークフィル時代がベスト!」なんて言っていました。

しかし、ニューヨーク時代の録音をまとめてきいてみると、確かに「荒いなぁ!」と思う録音が多すぎることは否定しようもありません。
困るのは、そう言う「荒さ」を回避したベートーベンなんかだと、バーンスタインらしさが後退して面白味の欠けることです。この二つを両立させるのは、なかなかに難しかったようです。

そんな中に、このフランクの交響曲をおいてみると、これが何とも「手探り状態」の演奏で、何とも感心できない演奏になっています。
時期的には、この中期のニューヨーク時代の幕開けを告げるお仕事なのですが、そう言う勢いが余り感じられません。

そんなわけで、長くアップせずに放置していたのですが、それはあくまでも私の評価であって多の人がどう思うか分かりません。
また、何よりも、バーンスタインのニューヨーク時代を俯瞰する上では、そう言う恣意的なカットは許されないでしょう。

皆様はこの録音をどのように聴かれたでしょうか?

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