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グリーグ:ピアノ協奏曲

P:ディヌ・リパッティ ガリエラ指揮 フィルハーモニア管弦楽1948年録音




G! GisでなくG!

 この作品はグリーグが初めて作曲した、北欧的特徴を持った大作です。1867年にソプラノ歌手のニーナと結婚して、翌年には女児アレキサンドラに恵まれるのですが、そのようなグリーグにとってもっとも幸せな時期に生み出された作品でもあります。
 この作品は今日においても、もっともよく演奏されるピアノ協奏曲の一つですが、初演当時からも熱狂的な成功をおさめるとともに、1870年にはグリーグが持参した手稿を初見で演奏したリストによって激賞される(「G! GisでなくG! これが本当の北欧だ!」)という幸せな軌跡をたどった作品でもあります。

 グリーグは晩年にもう一曲、ロ短調の協奏曲を計画しますが、健康状態がその完成を許さなかったために、その代わりのようにこの作品の大幅改訂を行っています。この改訂で楽器編成そのものも変更され、スコアそのものもピアノのパートで100カ所、オーケストレーションで300前後の変更が加えられました。(管野浩和氏の解説の受け売りです・・・^^;)
 現在一般的に演奏される出版譜はこの改訂稿に基づいていますから、私たちがよく耳にする協奏曲と、グリーグを一躍世界的作曲家に押し上げた初稿の協奏曲とではかなり雰囲気が異なるようです。

リパッティが残したもっとも優れた遺産の一つ


 グリーグの協奏曲は、シューマンからチャイコフスキーへというロマン派のピアノ協奏曲の中で一つの頂をなす作品だといえます。ただ、ドイツやオーストリアの、どちらかといえば重いロマン主義ではなく、北欧的な叙情が前面にでた作品となっています。
 リパッティはシューマンの協奏曲でもすばらしい演奏を残してくれていますが、北欧的な叙情をたたえたグリーグの協奏曲の方が、彼の特質により適合しているといえます。
 情におぼれることなく端正な造形を崩さないのに、他のピアニストからはついぞ聞くことのできなかった透明な歌心が胸にしみます。
グリーグのピアノ協奏曲を考えるときには絶対にはずすことのできない演奏であると同時に、リパッティが残してくれた(多いとはいえませんが)録音の中でももっとも優れたものの一つだといえます。


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