クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|ルービンシュタイン(Arthur Rubinstein)|ショパン:ワルツ集

ショパン:ワルツ集

(P)ルービンシュタイン 1953年録音



Chopin:華麗なる大円舞曲 変ホ長調 作品18

Chopin:3つの華麗なる円舞曲 作品34 第1番 変イ長調

Chopin:3つの華麗なる円舞曲 作品34 第2番 イ短調

Chopin:3つの華麗なる円舞曲 作品34 第3番 ヘ長調 「猫のワルツ」

Chopin:ワルツ 変イ長調 作品42 「大円舞曲」

Chopin:3つのワルツ 作品64 第1番 変ニ長調 「子犬のワルツ」

Chopin:3つのワルツ 作品64 第2番 嬰ハ短調

Chopin:3つのワルツ 作品64 第3番 変イ長調

Chopin:2つのワルツ 作品69 第1番 変イ長調 「別れのワルツ」

Chopin:2つのワルツ 作品69 第2番 ロ短調

Chopin:3つのワルツ 作品70 第1番 変ト長調

Chopin:3つのワルツ 作品70 第2番 ヘ短調

Chopin:3つのワルツ 作品70 第3番 変ニ長調

Chopin:ワルツ ホ短調(遺作)


簡単な作品の解説

いわゆるウィーン風のワルツからはほど遠い作品群です。
ショパンがはじめてウィーンを訪れたときはJ.シュトラウスのワルツが全盛期の頃でしたが、その音楽を理解できないと彼は述べています。
いわゆる踊るための実用音楽としてのワルツではなく、シューマンが語ったようにそれはまさに「肉体と心が躍り上がる円舞曲」、それがショパンのワルツでした。また、全体を通して深い叙情性をたたえた作品が多いのも特徴です。

ショパンの手によってはじめてワルツと言う形式は芸術として昇華したと言えます。

ワルツ第1番 変ホ長調 作品18 「華麗なる大円舞曲」
ワルツ第2番 変イ長調 作品34-1
ワルツ第3番  イ短調 作品34-2
ワルツ第4番  ヘ長調 作品34-3「子猫のワルツ」
ワルツ第5番 変イ長調 作品42
ワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1「子犬のワルツ」
ワルツ第7番 嬰ハ短調 作品64-2
ワルツ第8番 変イ長調 作品64-3
ワルツ第9番 変イ長調 作品69-1(遺作)
ワルツ第10番  ロ短調 作品69の2(遺作)
ワルツ第11番 変ト長調 作品70-1
ワルツ第12番  ヘ短調 作品70-2
ワルツ第13番 変ニ長調 作品70の3(遺作)
ワルツ第14番(ヘンレ版第16番)ホ短調(遺作)


ルービンシュタインの「大きさ」

ルービンシュタインはショパンのピアノ曲をまとまった形で3回録音しています。言うまでもなく、SP盤の時代、モノラル録音の時代、そしてステレオ録音の時代です。そして、市場に広く出回っているのがステレオ録音の時代で、その録音を持ってルービンシュタインというピアニストの評価がなされています。
しかしながら、20代の頃から90歳を迎える直前まで現役のピアニストとして活躍した「巨人」の姿を、そのような限られた一時期だけで代表させることは大きな過ちを引き起こします。そして、老婆心ながらつけ加えれば、ルービンシュタインというピアニストはそのような謬りを引き起こしやすい人だと言うことです。

極めて大雑把に眺めてみれば、彼のピアニスト人生はホロヴィッツとの関わりで三分割出来そうです。「ホロヴィッツと出会う以前」「ホロヴィッツと格闘した時代」そして「ホロヴィッツにとらわれなくなった晩年」です。ただし、くせ者なのは、それが単純に「SP盤」「モノラル録音」「ステレオ録音」の時代に重なっていない点です。
具体的な年代で言えば、おおむねこうなるでしょうか。


  1. 「ホロヴィッツと出会う以前」・・・~1937年頃(もちろん、彼がホロヴィッツと出会ったのはこれよりも前ですが、ピアノに向かう姿勢としてホロヴィッツの存在が未だに影響を与えていないと言う意味で、出会う前と表現しました。)

  2. 「ホロヴィッツと格闘した時代」・・・1938年頃から1960年頃まで(38年、39年に録音されたマズルカ集あたりが分岐点)

  3. 「ホロヴィッツにとらわれなくなった晩年」・・・1961年頃~(61年に録音されたショパンの第1番協奏曲あたりが分岐点)




ただし、この時代区分は、どこかのエライ評論家先生によって確定されたものではなく、あくまでも私の独断によるものですから、あちこちで言いふらすと「恥」をかく恐れがありますのでご注意のほどを。

この区分に従いますと、スケルツォに関して言えば、モノラル録音もステレオ録音も同じ時代に区分されます。ルービンシュタインのステレオ録音によるショパンは、その大部分が60年代以降に録音されているなかで、このスケルツォとバラードだけが59年に録音されています。そのためか、両者の演奏のスタイルというか風情というか、そういうものはあまり変わりません。
そして、こういう単純な図式化はディテールを塗りつぶすのでよろしくないとも思うのですが、この2つの録音だけが、ステレオ録音のなかでは、その強靱さと逞しさで異彩をはなっているのですが、今回の集中的な聞き込みで自分なりに納得できました。
そして、そうなると、スケルツォに関しては無理をして古いモノラル録音を聞く必要はないと言うことになります。そして、これも図式化の誹りを免れないかもしれませんが、ワルツ集に関して言えば、63年のステレオ録音よりも53年のモノラル録音の方が好ましく思えます。53年録音が極めて優秀なモノラル録音であることも、そう言う判断を後押ししてくれます。
もちろん、その事を最終的に判断するのはそれぞれの聞き手ですから、その判断材料としてモノラル録音を紹介することは意味なきことではないでしょう。

こうして、その業績を追っていけばいくほど、ルービンシュタインの「大きさ」に圧倒されます。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



1653 Rating: 4.6/10 (154 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント




【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2025-12-06]

ラヴェル:夜のガスパール(Ravel:Gaspard de la nuit)
(P)ジーナ・バッカウアー:(語り)サー・ジョン・ギールグッド 1964年6月録音(Gina Bachauer:(Read)Sir John Gielgud Recorded on June, 1964)

[2025-12-04]

フォーレ:夜想曲第7番 嬰ハ短調 作品74(Faure:Nocturne No.7 in C-sharp minor, Op.74)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)

[2025-12-02]

ハイドン:弦楽四重奏曲第32番 ハ長調, Op.20, No.2, Hob.3:32(Haydn:String Quartet No.32 in C major, Op.20, No.2, Hob.3:32)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1931年12月2日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on December 2, 1931)

[2025-11-30]

チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 ロ短調 作品58(Tchaikovsky:Manfred Symphony in B minor, Op.58)
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮 フランス国立放送管弦楽団 1957年11月13日~16日&21日録音(Constantin Silvestri:French National Radio Orchestra Recorded on November 13-16&21, 1959)

[2025-11-28]

ベートーベン:交響曲第8番 ヘ長調 作品93(Beethoven:Symphony No.8 in F major ,Op.93)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年5月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on May, 1961)

[2025-11-26]

ショパン: ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21(Chopin:Piano Concerto No.2 in F minor, Op.21)
(P)ジーナ・バッカウアー:アンタル・ドラティ指揮 ロンドン交響楽団 1964年6月録音(Gina Bachauer:(Con)Antal Dorati London Symphony Orchestra Recorded on June, 1964)

[2025-11-24]

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調, Op.127(Beethoven:String Quartet No.12 in E Flat major Op.127)
ハリウッド弦楽四重奏団:1957年3月23日,31日&4月6日&20日録音(The Hollywood String Quartet:Recorded on March 23, 31 & April 6, 20, 1957)

[2025-11-21]

ハイドン:弦楽四重奏曲第31番 変ホ長調, Op.20, No1, Hob.3:31(Haydn]String Quartet No.31 in E flat major, Op.20, No1, Hob.3:31)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1938年6月5日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on June l5, 1938)

[2025-11-19]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」 ハ長調 Op.53(eethoven:Piano Sonata No.21 in C major, Op.53 "Waldstein")
(P)ハンス・リヒター=ハーザー 1956年3月録音(Hans Richter-Haaser:Recorded on March, 1956)

[2025-11-17]

フォーレ:夜想曲第6番 変ニ長調 作品63(Faure:Nocturne No.6 in D-flat major, Op.63)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)