Home |
アリシア・デ・ラローチャ(Alicia de Larrocha) |グラナドス:詩的なワルツ集(序奏と7曲)
グラナドス:詩的なワルツ集(序奏と7曲)
(P)アリシア・デ・ラローチャ:1967年初出
Granados:Valses poeticos: Introduction [No.1 Melodico]
Granados:Valses poeticos: Introduction Valses poeticos [No.2 Tempo di vals noble]
Granados:Valses poeticos: Introduction Valses poeticos [No.3 Tempo di vals lento
Granados:Valses poeticos: Introduction Valses poeticos [No.4 Allegro humoristico - No. 5 Allegretto (elegante)]
Granados:Valses poeticos: Introduction Valses poeticos [No.6 Quasi ad libitum (sentimental)
Granados:Valses poeticos: Introduction Valses poeticos [No.7 Vivo]
Granados:Valses poeticos: Introduction Valses poeticos [No.8 Coda (presto y tempo del premier vals)]
グラナドス自身もお気に入り
1887年に作曲された作品で、タイトルの通り(^^;序奏と7つの即興的なワルツからできています。
ただし、それぞれの作品は1~2分の短いものなので全曲は通して演奏されます。
グラナドス自身はこの作品がかなり気に入っていたのでしょうか、自分自身の手によってピアノ・ロールの録音を残していますし、彼自身にとって最後となったコンサートでもこの作品を取り上げています。
活気に満ちた序像から音楽は始まり、そのまま切れ目なしに最初の「メロディアスなワルツ」に繋がっていきます。最初のワルツはシンプルでありながらも優しさに溢れた美しいです。続く2つめのワルツは一転して「情熱的なワルツ」とグラナドスは記しているのですが、それほどの激しさは求めていず、どちらかと言えば上品ささええかんじられるワルツになっています。
そして、その後の「ワルツ・レント」は深い悲しみに満ちた音楽です。そして、その悲しみを打ち消すように「ユーモラスなワルツ」が続きます。この辺りの気分の転換は聞き手を飽きさせませんね。
続く「ワルツ・ブリランテ」は響きの分厚さと繊細さが入り交じった優雅なワルツで、その後に再び「センチメンタルなワルツ」が続きます。
どこか希望を失った足取りの重さを感じさせる音楽ですが、これもまた次の「聴のワルツ」で一掃されます。蝶が舞い飛ぶような高音部が気持ちを一変させ、その蝶が羽を休めるかのような低音部との対比が魅力的なワルツです。
そして、最後は自ら「素晴らしいワルツ」と題したようにリズミカルで活気に満ちた前半部分と最初の「メロディアスなワルツ」が想起される後半部分で全曲が統一されます。
驚くべき生命力の発露
アリシア・デ・ラローチャといえば、まさにスペインを代表するピアニストなのですが、私の中ではモーツァルトを演奏する人という印象が何故か強く刻み込まれていました。
当然の事ながら、彼女の事はスペインのピアノ曲の専門家として評価するのがもっとも正当なラインであり、要は、私がスペインの音楽を聞く機会がほとんどなく、結果としてモーツァルトでのみ彼女と出会ったと言うだけの話だったのでした。
そして、この年になって初めて彼女の演奏するスペインのピアノ曲とファースト・コンタクトしたのです。お恥ずかしい。
そう思えば、この音源はなんと長い間部屋の片隅で埃をかぶっていたことでしょう。
しかし、このスペイン舞曲集を聞いたときに、その驚くべき生命力の発露のようなものには圧倒されました。
そして、そのピアノの響きにはとんでもない透明感があって、音楽的に曖昧な部分などは全くありません。
とは言え、一番の魅力は何といってもその弾むようなリズム感でしょう。
あまり民族性等という安易な言葉で片付けたくはないのですが、このリズム感だけはラローチャのようなスペインのピアニストでないと実現は難しいのではないでしょうか。
ここまで書けば褒め殺しになるのかもしれませんが、このようなラローチャの生命力あふれるピアノ演奏があってこそグラナドスの魅力がひときわ光り輝いたとも言えそうです。
この演奏を評価してください。
よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
4857 Rating: 5.0 /10 (107 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2025-09-01]
フォーレ:夜想曲第1番 変ホ短調 作品33-1(Faure:Nocturne No.1 in E-flat minor, Op.33 No.1)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-08-30]
ベートーベン:交響曲第2番 ニ長調 作品36(Beethoven:Symphony No.2 in D major ,Op.36)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年4月20日録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on April 20, 1961)
[2025-08-28]
ラヴェル:舞踏詩「ラ・ヴァルス」(Ravel:La valse)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 パリ・コンセール・サンフォニーク協会管弦楽団 1960年録音(Rene Leibowitz:Orcheste de la Societe des Concerts du Conservatoire Recorded on 1960)
[2025-08-26]
フランク:交響詩「呪われた狩人」(Franck:Le Chasseur maudit)
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1954年6月27~7月11日録音(Artur Rodzinski:Wiener Staatsoper Orchester Recorded on June 27-July 11, 1954)
[2025-08-24]
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ヘ長調 BWV.540(J.S.Bach:Toccata and Fugue in F major, BWV 540)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-08-22]
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(Debussy:Prelude a l'apres-midi d'un faune)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団 1960年録音(Rene Leibowitz:London Festival Orchestra Recorded on 1960)
[2025-08-20]
エルガー:行進曲「威風堂々」第5番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 5 in C Major])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)
[2025-08-18]
ベートーベン:交響曲第1番 ハ長調 作品21(Beethoven:Symphony No.1 in C major , Op.21)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年5月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on May, 1961)
[2025-08-16]
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調, 作品73(Brahms:Symphony No.2 in D major, Op.73)
アルトゥール・ロジンスキ指揮:ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年10月14日録音(Artur Rodzinski:New York Philharmonic Recorded on October 14, 1946)
[2025-08-14]
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲&第3幕への前奏曲~従弟たちの踊りと親方達の入場(Wagner:Die Meistersinger Von Nurnberg Prelude&Prelude To Act3,Dance Of The Apprentices)
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)