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アイザック・スターン(Isaac Stern) |バルトーク:ヴァイオリンのための狂詩曲 第1番 SZ87
バルトーク:ヴァイオリンのための狂詩曲 第1番 SZ87
バーンスタイン指揮 (Vn)スターン ニューヨークフィル 1962年4月16日録音 Bartok:Rhapsody No.1 (Folk Dances) for Violin and Orchestra Sz 87 [1st movement]
Bartok:Rhapsody No.1 (Folk Dances) for Violin and Orchestra Sz 87 [2nd movement]
とってもマイナーです。
Google先生に「ヴァイオリンのための狂詩曲 バルトーク」って何ですか?と聞いてみると、勝手に「ヴァイオリンのための協奏曲 バルトーク」の結果を表示します。
違うよ!!と言いながらしつこく「ヴァイオリンのための狂詩曲 バルトーク」と聞いてみると、渋々結果を返すのですが、それでもしつこく「もしかして: ヴァイオリンのための協奏曲 バルトーク」と表示します。
まあ、それくらいマイナーな作品だと言うことです。
ついでに言うと、バルトークには「ヴァイオリンとピアノのための狂詩曲」という作品もあります。これは調べてみると、この「ヴァイオリンのための狂詩曲」の元版です。つまりは、「ヴァイオリンのための狂詩曲」は「ヴァイオリンとピアノのための狂詩曲」の編曲版なのです。
ところが、さらに調べてみると、「ピアノと管弦楽のための狂詩曲」と言う作品もあります。と言うことは、さらにピアノコンチェルト風にさらに編曲したのかと思ったのですが、こちらがピアノ独奏用の「狂詩曲」という作品のオーケストラ編曲だったのです。
ややこしいと言えばややこしいのですが、整理してみるとこうなります。
「狂詩曲 SZ26」(ピアノ独奏:1904年)→「ピアノと管弦楽のための狂詩曲 SZ27」(SZ26のオーケストラ編曲版:1904年)
「ヴァイオリンとピアノのための狂詩曲 第1番 SZ86」(ピアノとヴァイオリン:1928年)→「ヴァイオリンのための狂詩曲 第1番 SZ87」(SZ286のオーケストラ編曲版:1928年)
「ヴァイオリンとピアノのための狂詩曲 第2番 SZ89」(ピアノとヴァイオリン:1928年・1944年改訂)→「ヴァイオリンのための狂詩曲 第2番 SZ90」(SZ289のオーケストラ編曲版:1928年)
さらに、話をややこしくしているのが、「ピアノと管弦楽のための狂詩曲 第1番 SZ27」は翌年に同じ編成でさらに編曲されて「ピアノと管弦楽のための狂詩曲 第1番 SZ29」という作品が存在することです。さらに細かい話をすると、「ヴァイオリンとピアノのための狂詩曲 第2番 SZ89」も1944年に改訂が施されていることです。
ですから、バルトークのラプソディと言うだけでは何の作品なのか分からないのですが、幸いなことにその大部分がきわめてマイナーで、演奏される機会が少ないだけでなく、録音もそれほど多くないので、いらぬ混乱は引き起こさないようです。つまりは、「分かる奴しか聞かない」作品だと言い切って良いのでしょう。
なお、ここで紹介しているのはピアノとヴァイオリンのための狂詩曲をオーケストラ版に編曲した「ヴァイオリンのための狂詩曲」、より正確に記せば「ヴァイオリンと管弦楽のための狂詩曲」です。
バルトークはこの作品に「Folk Dances」と記しています。
どちらも2楽章構成で、第1楽章は「ラッシュー(Lassu)」、第2楽章には「フリッシュ(Friss)」と記されています。おそらくは民族的な舞曲の種類なのでしょうが、聞けば分かるように「ラッシュー(Lassu)」は緩やかな踊りであり、「フリッシュ(Friss)」はテンポの早急速な動きのダンスのようです。
また、どちらの作品も、ヴァイオリンコンチェルトと言うよりは管弦楽曲として編曲されたようで、独奏ヴァイオリンが前面に出てくるのが難しいほどに管弦楽が雄弁です。ただし、その分厚めのオケの前でジプシーヴァイオリン風の奮闘は結構聞いていて面白いので、もっと聞かれても良い作品だとは思います。
やはりどこかで共感しきれないバーンスタインを感じます。
この録音についても、ほぼオケコンのところで書いたことが当てはまります。おそらく、あそこの文章の「オケコン」の部分を「ヴァイオリンのための狂詩曲」と置換すれば、そのまま使えるでしょう。
えですから、手抜きをしてしまいます。(^^;
「若い頃のバーンスタインというのは面白い人物です。
彼は自分が共感できる音楽に対しては、その「共感」を何の衒いもなく表出します。
それは、彼の表芸であるマーラーであったり、裏芸であるチャイコフスキーなんかに顕著です。もしくは、シューマンの交響曲なんかもその範疇にはいるかもしれません。
そう言う作品に対する彼のアプローチは典型的な「俺さま」スタイルです。そして、その「俺さま」的な音楽の作りがいかに世間の「常識」とすれていても、そんなことには一切お構いなしにそう言う「俺さま」を貫く潔さがあります。
ところが、そこまでの「共感」がもてない作品になると、一転して「即物的」なスタイルが前面に出てきます。
いや、こんな書き方をすると誤解を招くのかもしれません。なぜなら、若い頃のベートーベンの交響曲対するアプローチには「俺さま」の欠片もなく、至って分析的で精緻な構築に終始しているので、そう言う言い方をすると、バーンスタインは本心ではベートーベンの音楽には共感していないんだ、と聞こえるからです。
でも、そう思って若い頃のベートーベンを聴いてみると、やはりどこかよそよそしさみたいなものは感じざるを得ません。もちろん、若い頃の彼がベートーベンを理解していなかったと言うつもりはありませんが、それでもどこか体質的にしっくりこない部分があったんだろうなと思わせるような風情はあります。
そして、このバルトークの「ヴァイオリンのための狂詩曲」です。
ある意味ではパワーで押し切れる部分もある音楽ですから、こう言うところでバーンスタイン的な「俺さま」が前面に出ればさぞかし面白い演奏が聴けるだろうと期待したのですが、そんな期待はものの見事に裏切られます。
ここでは、明らかに「指揮者バーンスタイン」ではなく「作曲バーンスタイン」が前に出てきています。そして、彼がこの作品に本音の部分では共感していないんだろうな、と言うことは聞き進んでいくうちに確信になっていきます。
よく言えば、この作品の良さを誰にでも理解してもらえるように、懇切丁寧に解説しているような演奏です。力づくになるような場面などは何処を探しても見つからず、最初から最後まで作品の構造を、「これ、こんな音楽ですよ」と言わんばかりに丁寧に提示しています。
ただ、その懇切丁寧な「ほら、こんな音楽ですよ!」という言葉の裏に「ほら、こんな程度の音楽ですよ!」という作曲家としてのバーンスタインの呟きが聞こえてきそうな気もして、少しばかり怖くなってきたりもします。
調べてみれば、バーンスタインはこの作品を再録音していませんし、それどころかバルトークの作品を晩年はほとんど取り上げていません。
つまりは、それがバーンスタインとバルトークとの距離感だったのかもしれません。 」
うーん、ピッタリです。
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