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セル(George Szell)|ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」
ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」
セル指揮 クリーブランド管弦楽団 1949年4月27日録音
Haydn:交響曲第92番「オックスフォード」 「第1楽章」
Haydn:交響曲第92番「オックスフォード」 「第2楽章」
Haydn:交響曲第92番「オックスフォード」 「第3楽章」
Haydn:交響曲第92番「オックスフォード」 「第4楽章」
ハイドンの「エロイカ」

この作品は、これに続くザロモンセットと比べても遜色のない内容を持っています。と言うよりも、ここでハイドンは明らかに飛躍しています。彼が今まで書き続けてきた交響曲の総決算として一つ高い次元に突き抜けた作品ということで、これをハイドンの「エロイカ」と呼ぶ人もいます。
この作品を聞いてまず感じることは響きの豊かさです。それはオーケストラの可能性を広げるものであり、交響曲という形式の可能性を押し広げるものです。そして、その可能性は一連のザロモンセットを突き抜けてベートーベンのエロイカにまで到達する歴史的価値を持っているように思います。
なお、この作品はパリ交響曲の依頼者であるドニー伯爵からの依頼で書かれたものですが、後にオックスフォード大学から博士号を授与されたときのお礼としてこの交響曲を自らの指揮で演奏したために、「オックスフォード」というニックネームがつけられました。巷間、この作品は博士号が授与された事への謝礼として作曲されたといわれることがありますが、それは誤りです。
希有な職人技の合体によって成り立った希有な録音
ハイドンの交響曲というのは演奏する側にとっては結構難しくてオケの性能テストみたいなところがあります。さらに、精密一点張りで演奏してもその中にハイドンのウィットみたいなものがにじみ出てこないと物足りなさが残るという難しさも内包しています。
そう考えると、セルとハイドンというのはちょっと考えると相性が悪そうに思えます。演奏の精緻さに関してはなんの心配もなくても、はたしてハイドンの面白味みたいなものがきちんと表現されているのかが心配になるのです。ところが、実際に聞いてみるとこの組み合わせ、なかなかにいけているのです。
以前、シェルヘンの演奏を紹介したときにこんな事を書いたことがあります。
「確かに、ビーチャムのウィットもワルターのロマンも、さらにはクレンペラーの力業もありません。しかし、ハイドンがこれらの作品に仕掛けた様々な「技」が手に取るように分かります。」
おそらくセルの演奏に関してもこの言葉がピッタリあてはまるように思えます。ただし、その完成度はシェルヘンの比ではありません。
おそらく、セルはハイドンの面白味を表現しようなどとはあまり考えていなかったはずです。しかし、職人ハイドンの楽譜を精緻に再現すれば、自ずからそこに仕掛けられた技が活き活きと再現されと言う仕組みなっているようなのです。その意味では、セルとハイドンという希有な職人技の合体によって成り立った希有な録音だと言えます。
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