Home|
トスカニーニ(Arturo Toscanini)|ベートーベン:交響曲第4番
ベートーベン:交響曲第4番
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1951年2月3日録音
Beethoven:交響曲第4番 「第1楽章」
Beethoven:交響曲第4番 「第2楽章」
Beethoven:交響曲第4番 「第3楽章」
Beethoven:交響曲第4番 「第4楽章」
北方の巨人にはさまれたギリシャの乙女

北方の巨人にはさまれたギリシャの乙女、と形容したのは誰だったでしょうか?(シューマンだったかな?)エロイカと運命という巨大なシンフォニーにはさまれた軽くて小さな交響曲というのがこの作品に対する一般的なイメージでした。
そのためもあって、かつてはあまり日の当たらない作品でした。
そんな事情を一挙に覆してくれたのがカルロス・クライバーでした。言うまでもなく、バイエルン国立歌劇場管弦楽団とのライブ録音です。
最終楽章のテンポ設定には「いくら何でも早すぎる!」という批判があるとは事実ですが、しかしあの演奏は、この交響曲が決して規模の小さな軽い作品などではないことをはっきりと私たちに示してくれました。(ちなみに、クライバーの演奏で聴く限り、優美なギリシャの乙女と言うよりはとんでもないじゃじゃ馬娘です。)
改めてこの作品を見直してみると、エロイカや運命にはない独自の世界を切り開こうとするベートーベンの姿が見えてきます。
それはがっしりとした構築感とは対極にある世界、どこか即興的でロマンティックな趣のある世界です。それは、長い序奏部に顕著ですし、そのあとに続く燦然たる光の世界にも同じ事が言えます。第2楽章で聞こえてくるクラリネットのの憧れに満ちた響き、第3楽章のヘミオラ的なリズムなどまさにロマン的であり即興的です。
そして、こういうベクトルを持った交響曲がこれ一つと言うこともあり、そう言うオンリーワンの魅力の故にか、現在ではなかなかの人気曲になっています
アマゾネス・・・?
「北方の巨人にはさまれたギリシャの乙女」
こう形容されることの多い作品なのですが、この演奏にはその様な可憐な風情はかけらもありません。まさにこれは「アマゾネス」です。
「北方の巨人を従えた筋骨隆々たるアマゾネス」
これがこのトスカニーニの録音から聞こえてくる姿です。
確かにこれはこれで素晴らしいと思います。聴くものの耳をとらえて放さない説得力にも魅力にもあふれています。しかし、いくら何でもこれはやり過ぎだろう!と言う声にも納得はします。
好き嫌いはあるでしょうが、トスカニーニとはいったい何だったのかを考える上では貴重な手がかりとなる録音かもしれません。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
808 Rating: 5.8/10 (204 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2025-02-17]

ショパン:ノクターン Op.15(Chopin:Nocturnes for piano, Op.15)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1956年発行(Guiomar Novaes:Published in 1956)
[2025-02-15]

シベリウス:交響曲第4番 イ短調 Op.63(Sibelius:Symphony No.4 in A minor, Op.63)
アルトゥール・ロジンスキ指揮:ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年3月5日録音(Artur Rodzinski:New York Philharmonic Recorded on March 5, 1946)
[2025-02-11]

ラヴェル:ツィガーヌ(Ravel:Tzigane)
(Vn)ジネット・ヌヴー (P)ジャン・ヌヴー 1946年録音(Ginette Neveu:(P)Jean Neveu Recorded on 1946)
[2025-02-09]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」 変ロ長調, Op.106(Beethoven: Piano Sonata No.29 In B Flat, Op.106 "Hammerklavier")
(P)エリック・ハイドシェック:1957年9月23日,25日&27日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n September 23,25&27, 1957)
[2025-02-07]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K.575(プロシャ王第1番)(Mozart:String Quartet No.21 in D major, K.575 "Prussian No.1")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2025-02-05]

ハイドン:弦楽四重奏曲第49番 ニ長調「蛙」, Op.50, No.6, Hob.3:49(Haydn:String Quartet No.49 in D major "Frog", Op.50, No.6, Hob.3:49)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1937年11月15日録音(Pro Arte String Quartet]Recorded on November 15, 1937)
[2025-02-03]

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(Debussy:Prelude a l'apres-midi d'un faune)
グイド・カンテッリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1954年6月録音(Guido Cantelli:The Philharmonia Orchestra Recorded on June, 1954)
[2025-02-01]

ショパン:ノクターン Op.9(Chopin:Nocturnes for piano, Op.9)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1956年発行(Guiomar Novaes:Published in 1956)
[2025-01-29]

ダンディ:フランス山人の歌による交響曲, Op.25(D'Indy:Symphony on a French Mountain Air, Op.25)
シャルル・ミュンシュ指揮 (P)ロベール・カサドシュ ニューヨーク・フィルハーモニック 1948年12月20日録音(Charles Munch:(P)Robert Casadesus New York Philharmonic Recorded on Dcember 20, 1948)
[2025-01-26]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」 ヘ短調, Op.57(Beethoven: Piano Sonata No.23 In F Minor, Op.57 "Appassionata")
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月4日~5日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 3-4, 1960)