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セル|ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
セル指揮 クリーブランド管弦楽団 1954年4月9日録音
Haydn:交響曲第104番「ロンドン」 「第1楽章」
Haydn:交響曲第104番「ロンドン」 「第2楽章」
Haydn:交響曲第104番「ロンドン」 「第3楽章」
Haydn:交響曲第104番「ロンドン」 「第4楽章」
ハイドン最後の交響曲

この作品を音楽史の中においてみると、モーツァルトは既に全作品を書き終えて(?)この世を去っています。
ベートーベンはと言えば、ウィーンでの初めての演奏会を成功させ音楽家としての地歩を築き上げていたところでした。そしてその数年後に不滅の9曲と呼ばれる偉大な交響曲の第1番を世に送り出すことになります。
ハイドンは交響曲の父とばれ、その生涯に100をこえる作品を書き上げてこの音楽形式をクラシック音楽における重要なジャンルとして確立した人物です。
しかし、その彼の生涯の中を足早に駆け抜けていったモーツァルトは、この音楽形式をハイドン自身が想像もしなかったような地点にまで引き上げてしまいました。さらに、彼の跡を継いだベートーベンによって、それはクラシック音楽の王者(?)ともいうべき地位にまで引き上げてしまいました。
そう言う音楽史に中においてみると、ハイドンの交響曲が見劣りして見えることは否定できません。
しかし、これはベートーベンの1番にまっすぐにつながっていく作品です。音楽職人ハイドンがその持てるスキルの全てをつぎ込んで、次にくる新しい時代を切り開いた作品です。
私はその事をクレンペラーによる演奏を聞いてハッキリと教えられました。
モーツァルトのジュピターはやはり天才が生みだした異形の作品、交響曲の系譜においてベートーベンにつながっていったのはハイドンであることを確認させてくれます。
貴重な録音です。
ハイドンの交響曲というのは演奏する側にとっては結構難しくてオケの性能テストみたいなところがあります。さらに、精密一点張りで演奏してもその中にハイドンのウィットみたいなものがにじみ出てこないと物足りなさが残るという難しさも内包しています。
そう考えると、セルとハイドンというのはちょっと考えると相性が悪そうに思えます。演奏の精緻さに関してはなんの心配もなくても、はたしてハイドンの面白味みたいなものがきちんと表現されているのかが心配になるのです。ところが、実際に聞いてみるとこの組み合わせ、なかなかにいけているのです。
以前、シェルヘンの演奏を紹介したときにこんな事を書いたことがあります。
「確かに、ビーチャムのウィットもワルターのロマンも、さらにはクレンペラーの力業もありません。しかし、ハイドンがこれらの作品に仕掛けた様々な「技」が手に取るように分かります。」
おそらくセルの演奏に関してもこの言葉がピッタリあてはまるように思えます。ただし、その完成度はシェルヘンの比ではありません。
おそらく、セルはハイドンの面白味を表現しようなどとはあまり考えていなかったはずです。しかし、職人ハイドンの楽譜を精緻に再現すれば、自ずからそこに仕掛けられた技が活き活きと再現されと言う仕組みなっているようなのです。その意味では、セルとハイドンという希有な職人技の合体によって成り立った希有な録音だと言えます。
なお、セルはハイドンの交響曲を数多く録音していますが、ハイドンのラストシンフォニーである104番に関してはこれが唯一のものです。さらに、88番は1920年代の古い録音があるだけです。その意味でもこれらは貴重な録音だと言えます。
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よせられたコメント
2010-04-29:シューベルティアン
- ハイドンという作曲家がちかごろ気になるんですが、これほど「標題」的な性格の少ないものも珍しいんじゃないでしょうか。
モーとベーの行く道を整えた人として話題になるばかりで、実のところ「たいしたことない」という認識が一般的のような気がしますが、しかしいい演奏で聞くと、こういった表現は後にも先にも例がないのではないかとも思われます。
わるくいえばただ音を並べただけ。よくいえば、最も健康的常識的な判断であるとも思えます。その点に興味があって、ときどき聞きたくなります。情念的に激しい音楽を聞いていると、ふとハイドンが懐かしくなったりします。
私は十分理解しているとはいえません。誰かハイドンを熱く語ってくれる人はいませんか?