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Home|ヴォルフガング・シュナイダーハン(Wolfgang Schneiderhan)|ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

(Vn.)シュナイダーハン ケンペン指揮 ベルリンフィル 1953年5月17〜21日録音



Brahms:ヴァイオリン協奏曲 「第1楽章」

Brahms:ヴァイオリン協奏曲 「第2楽章」

Brahms:ヴァイオリン協奏曲 「第3楽章」


ヴァイオリンを手にしてぼんやりと立っているほど、私が無趣味だと思うかね?

この言葉の前には「アダージョでオーボエが全曲で唯一の旋律を聴衆に聴かしているときに・・・」というのがくっつきます。
サラサーテの言葉です。(^^)
もっとも、その前にはさらに「ブラームスの協奏曲は素晴らしい音楽であることは認めるよ、しかし・・・」ということで上述の言葉が続きます。

おそらくこの言葉にこの作品の本質がすべて語られていると思います。
協奏曲と言う分野ではベートーベンが大きな金字塔をうち立てましたが、大勢はいわゆる「巨匠風協奏曲」と言われる作品が主流を占めていました。独奏楽器が主役となる聞かせどころの旋律あちこちに用意されていて、さらに名人芸を披露できるパッセージもふんだんに用意されているという作品です。
イタリアの作曲家、ヴィオッティの作品などは代表的なものです。
ただし、彼の22番の協奏曲はブラームスのお気に入りの作品であったそうです。親友であり、優れたヴァイオリニストであったヨアヒムと、一晩に二回も三回も演奏するほどの偏愛ぶりだったそうですから世の中わからんものです。

しかし、それでいながらブラームスが生み出した作品はヴィオッティのような巨匠風協奏曲ではなく、ベートーベンの偉大な金字塔をまっすぐに引き継いだものになっています。
その辺が不思議と言えば不思議ですが、しかし、ブラームスがヴィオッティのような作品を書くとも思えませんから、当然と言えば当然とも言えます。(変な日本語だ・・・^^;)

それから、この作品は数多くのカデンツァが作られていることでも有名です。一番よく使われるのは、創作の初期段階から深く関わり、さらに初演者として作品の普及にも尽力したヨアヒムのものです。
それ以外にも主なものだけでも挙げておくと、

レオポルド・アウアー
アドルフ・ブッシュ
フーゴー・ヘールマン
トール・アウリン
アンリ・マルトー
ヤッシャ・ハイフェッツ
ただし、秘密主義者のヴァイオリニストは自らのカデンツァを出版しなかったためにこれ以外にも数多くのカデンツァが作られたはずです。
この中で、一番テクニックが必要なのは想像がつくと思いますが、ハイフェッツのカデンツァだと言われています。


豪快に鳴り響いていますが・・・それがブラームスに相応しいかといえばいささか首をひねってしまいます。

ケンペンとベルリンフィルというコンビに期待してしまうものがすべて実現されています。
これほどまでに豪快に、そして剛毅・剛直に鳴り響くベルリンフィルというのは他にはちょっと思い当たりません。ベルリンフィルはこのあとの時代になると、カラヤンによって徹底的に飼い慣らされてしまい、艶やかな美音を振りまく上品なオケになってしまいました。つまりはセレブの仲間入りをしてしまったわけです。
しかし、このケンペンとのコンビでは、ゲルマンの田舎魂が炸裂しています。
歴史をふりかえってみれば、ゲルマンというのは、その「野蛮」の力でローマ帝国を執拗に攻撃し続け、ついにはその大帝国を崩壊させた民族なのです。そう言う、彼らの内面の奥深くに眠っていたであろう「野蛮」の力がここではあふれ出しているように見えます。オランダ人であるケンペンの棒のもとでその様な演奏が展開されたというのは考えてみれば不思議な話です。
そして、シュナイダーハンも、その様なケンペンの棒に煽られたのか、ここではいつもの美音は後景に退き、時には荒々しいまでの剛直なラインを描いていきます。

ただしです・・・。
はたして、その様な演奏がブラームスのヴァイオリンコンチェルトに相応しいのかきかれれば、いささか首をひねってしまいます。
もう少し正確に表現すると、ケンペンとシュナイダーハンは、ブラームスのコンチェルトに対してなぜにこのような「野蛮」の力をあふれ出させるようなスタイルを選択したのかがちょっと理解できないのです。
もちろん、一発勝負のライブならば、その時の勢いでこのような演奏ができあがることもあるでしょうが、これはスタジオ録音です。
実に不思議です。

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