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バッハ:イタリア協奏曲

(P)ゼルキン 1950年6月録音



Bach:イタリア協奏曲 「第1楽章」

Bach:イタリア協奏曲 「第2楽章」

Bach:イタリア協奏曲 「第3楽章」


オケとピアノを一台の楽器で実現・・・?

最近ではセブンイレブンのおでんのコマーシャルに流れていて笑ってしまったことがあります。おかげで、この冒頭の部分は耳に覚えのある人も多いことと思います。
閑話休題。
バッハは、音楽的先進国であるイタリアの音楽を若いから研究し、とりわけ、ヴィヴァルディを完成者とするイタリアの協奏曲の様式に深く影響を受けました。このことが、18世紀のバッハ復活とともに思い出されて、すでに忘れ去られていたヴィヴァルディにも光が当たるようになったというのは有名な話です。
特に、バッハの心をとらえたのは、総奏部と独奏部を交互に出して進むというスタイルでした。
このイタリア協奏曲では(バッハ自身は「イタリア趣味による協奏曲」とよんでいたそうです)、そのようなイタリア風の協奏曲の様式を1台のチェンバロだけで示そうとした意欲的な作品です。そして全体の構成は、ヴィヴァルディ風の「急ー緩ー急」という3楽章構成で成り立っています。もっとも、第1楽章には速度指定はされていないのですが、それは協奏曲の第1楽章であるからして「アレグロ」であることは自明だとの理由からです。

この作品の最大の聞き所は、オーケストラの部分と独奏楽器の部分のコントラストを一台の楽器でどのように実現するかです。バッハはこの難しくも興味深い課題を、音を何重にも積み重ねて重量感を出すことで響きを充実させることと、それとは対照的に弱音で響きをうすくすることで独奏楽器の軽やかな動きを際だたせることで実現しています。そのため、バッハはこの作品ではピアノやフォルテの指定を他の作品と比べれば入念に行っています。また、バッハはこの作品を2段の手鍵盤のチェンバロ用と記しているのも、その様な対比が容易に行えるからです。

この作品は現代においてもバッハの代表作品として演奏される機会の多い作品ですが、その辺の対比を演奏者がどのようにこなしているかを注意して聞いてみると面白いと思います。


プラド音楽祭における貴重な記録

フランコ政権への抗議として南仏の田舎町であるプラドに引きこもったカザルスのもとへ、多くの音楽家が結集して行われた音楽祭がプラド音楽祭です。
この企画の中心になったのは、ブダペスト弦楽四重奏団のセカンド・ヴァイオリンを担当していたアレクサンダー・シュナイダーです。バッハの没後200年を記念するこの音楽祭はオール・バッハのプログラムで構成され、その演奏記録はアメリカ・コロンビア社が録音して開発まもないLPで発売することになりました。
おかげで、その貴重な演奏の大部分を良質な音質で聞くことができるのです。
このゼルキンによる録音もこの音楽祭の中での演奏です。
現代の贅沢な耳からすればやや「重い」と言わざるを得ませんが、カザルスのもとに集った音楽家たちの貴重な記録としてここに取り上げることにしました。

この演奏を評価してください。

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2014-06-22:稲葉 尚子





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