AmazonでCDをさがすAmazonでビーチャム(Thomas Beecham)のCDをさがす
Home|
ビーチャム(Thomas Beecham)|シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D485
シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D485
ビーチャム指揮 ロンドンフィル 1938年録音
Schubert:交響曲第5番「第1楽章」
Schubert:交響曲第5番「第2楽章」
Schubert:交響曲第5番「第3楽章」
Schubert:交響曲第5番「第4楽章」
過渡期の作品
シューベルトの初期作品は交響曲という形式であっても身近な演奏団体を前提として作曲された作品です。この身近な演奏団体というのは、シューベルト家の弦楽四重奏の練習から発展していった素人楽団であろうといわれています。
しかし、対のように作曲されたこの4番と5番の交響曲は、その様な身内のための作品でありながら、次第にプロの作曲家として自立していこうとするシューベルトの意気込みのようなものも感じ取れる作品になってきています。とりわけ、この第5番の交響曲では、以前のものと比べるとよりシンプルでまとまりのよい作品になっていることに気づかされます。もちろん、形式が交響曲であっても、それはベートーベンの業績を引き継ぐような作品でないことは明らかですが、それでも次第次第に作曲家としての腕を上げつつあることをはっきりと感じ取れる作品となっています。
この作品を完成させた頃に、シューベルトはイヤでイヤで仕方なかった教員生活に見切りをつけて、プロの作曲家を目指してのフリーター生活に(もう少しエレガントに表現すれば「ボヘミアン生活」に)突入していきます。
そして、これに続く第6番の交響曲は、シューベルト自身が「大交響曲 ハ長調」のタイトルを付け、私的な素人楽団による演奏だけでなく公開の場での演奏も行われたと言うことから、プロの作曲家をめざすシューベルトの意気込みが伝わってくる作品となっています。また。この交響曲は当時のウィーンを席巻したロッシーニの影響を自分なりに吸収して創作されたという意味でも、さらなる技量の高まりを感じさせる作品となっています。
その意味では、対のように作曲された4番と5番のの交響曲、さらにはプー太郎になって夢を本格的に追いかけ始めた頃に作曲された第6番の交響曲は、シューベルトにとっては様々な意味において「過渡期」の作品だったといえます。
上手いものです・・・。
ビーチャムという人はシューベルトやモーツァルトの初期作品を振ると実にいい演奏を聞かしてくれます。
こういう作品は一生懸命がんばっていい演奏をしても、それで聞く人を感動のるつぼにたたき込むというのはどだい無理な話ですから、いわゆる「大家」という人はあまり演奏したくないようです。
かといって、二流の演奏家が「それなり」に演奏すると、これは「それなり」の演奏にはならなくて実に「つまらない」音楽になってしまいます。
おそらく、こういう作品を演奏するときは「愛」がないと駄目なんだろうと思います。その意味では才能は一流でありながらギラツイタ「野心」というものとは全く無縁だったビーチャムのような人でないと、なかなかこのようには演奏は出来ないのかもしれません。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
448 Rating: 5.3/10 (185 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2024-05-04]
スカルラッティ:20のソナタ集(3)(Scarlatti:20 Sonates Pour Clavecin)
(Cembalo)ワンダ・ランドフスカ:1939年1月9日,11日&12日録音(Wanda Landowska:Recorded on January 9,11&12, 1939
[2024-05-03]
スカルラッティ:20のソナタ集(2)(Scarlatti:20 Sonates Pour Clavecin)
(Cembalo)ワンダ・ランドフスカ:1940年3月8日~9日録音(Wanda Landowska:Recorded on March 8-9, 1940)
[2024-05-02]
スカルラッティ:20のソナタ集(1)(Scarlatti:20 Sonates Pour Clavecin)
(Cembalo)ワンダ・ランドフスカ:1940年3月8日~9日録音(Wanda Landowska:Recorded on March 8-9, 1940)
[2024-04-30]
モーツァルト:弦楽四重奏曲第5番 ヘ長調 K.158(Mozart:String Quartet No.5 in F major, K.158)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-04-28]
リスト:「ドン・ジョヴァンニ」の回想, S418(Liszt:Reminiscences de Don Juan, S.418)
(P)チャールズ・ローゼン 1963年12月録音(Charles Rosen:Recorded on December, 1963)
[2024-04-26]
ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「美しく青きドナウ」 op.314(Johann Strauss:The Blue Danube, Op.314)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1962年録音(Jascha Horenstein:Vienna State Opera Orchestra Recorded on December, 1962)
[2024-04-24]
ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲, Op.120(Beethoven:Variations Diabelli in C major, Op.120)
(P)ジュリアス・カッチェン 1953年録音(Julius Katchen:Recorded on 1953)
[2024-04-22]
モーツァルト:弦楽四重奏曲第4番 ハ長調 K.157(Mozart:String Quartet No.4 in C major, K.157)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-04-20]
ショパン:バラード第3番 変イ長調, Op.47(Chopin:Ballade No.3 in A-flat major, Op.47)
(P)アンドレ・チャイコフスキー:1959年3月10日~12日録音(Andre Tchaikowsky:Recorded on Recorded on March 10-12, 1959)
[2024-04-18]
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調, Op.85(Elgar:Cello Concerto in E minor, Op.38)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1957年録音(Andre Navarra:(Con)Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on 1957)