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ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73

ジョージ・セル指揮 ケルン放送交響楽団 1958年9月録音

Brahms:Symphony No.2 in D major , Op.73 [1.Allegro non troppo]

Brahms:Symphony No.2 in D major , Op.73 [2.Adagio non troppo]

Brahms:Symphony No.2 in D major , Op.73 [3.Allegretto grazioso (quasi andantino) ]

Brahms:Symphony No.2 in D major , Op.73 [4.Allegro con spirito]




ブラームスの「田園交響曲」

ブラームスが最初の交響曲を作曲するのに20年以上も時間を費やしたのは有名な話ですが、それに続く第2番の交響曲はその一年後、実質的には3ヶ月あまりで完成したと言われています。ブラームスにとってベートーベンの影がいかに大きかったかをこれまた物語るエピソードです。

第2番はブラームスの「田園交響曲」と呼ばれることもあります。それは明るいのびやかな雰囲気がベートーベンの6番を思わせるものがあるかです。

ただ、この作品はこれ単独で聞くとあまり違和感を感じないでのですが、同時代の他の作品と聞き比べるとかなり古めかしい装いをまとっています。この10年後にはマーラーが登場して第1番の交響曲を発表することを考えると、ブラームスの古典派回帰の思いが伝わってきます。
オケの編成を見ても昔ながらの二管編成ですから、マーラーとの隔絶ぶりはハッキリしています。
とは言え、最終楽章の圧倒的なフィナーレを聞くと、ちらりと後期ロマン派の顔がのぞいているように思うのは私だけでしょうか。


  1. 第1楽章 Allegro non troppo:冒頭に低弦が奏する音型が全曲を統一する基本動機となっている。静かに消えゆくコーダは「沈みゆく太陽が崇高でしかも真剣な光を投げかける楽しい風景」と表現されることもあります。

  2. 第2楽章 Adagio non troppo - L'istesso tempo,ma grazioso:冒頭の物憂げなチェロの歌がこの楽章を特徴づけています。

  3. 第3楽章 Allegretto grazioso (Quasi andantino) - Presto ma non assai - Tempo I:間奏曲とスケルツォが合体したような構成になっています。

  4. 第4楽章 Allegro con spirito:驀進するコーダに向けて音楽が盛り上がっていきます。もうブラームスを退屈男とは言わせない!と言う雰囲気です。



怒濤の追い込み


セルはメトロポリタン歌劇場と喧嘩別れをしてオペラの世界から身を引きます。それが切っ掛けになったのかどうかは分かりませんが、時間に余裕が出来たことは事実なので、ヨーロッパのオーケストラでの客演指揮が増えたことは事実です。
そんな、客演活動の中で、目立たないけれども回数を重ねていたのが「ケルン放送交響楽団」です。

ケルン放送交響楽団と言えば、私が真っ先に思い浮かぶのがギュンター・ヴァントと行ったブルックナーの交響曲全集です。力の限り金管を鳴らしまくったブルックナーは、いまだ「闘う男」だったヴァントの面目薬如たる演奏でした。
調べた範囲では、セルとのつながりは1958年から始まったようです。


  1. ブラッハー:クリーヴランドのための音楽 Op.53

  2. モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595

  3. ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op.73

  4. ストラヴィンスキー:幻想曲『花火』 Op.4



1958年9月のライブ録音が残されています。ここで紹介しているブラームスはこの日のライブ録音です。

それから1962年のドビュッシーの交響詩「海」、64年のベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲[(vn)エディト・パイネマン]、さらには66年のチャイコフスキーの交響曲第5番等も残されています。
これ以外に録音年月日不明のシューベルトの9番という録音もあったようです。

ですから、少なくとも、58年、62年、64年、66年の4回はケルンにおもむいて客演指揮をしてたことになります。
そして、このブラームスはそんな顔合わせの一番最初のメインプログラムだったわけです。

ケルン放送交響楽団は1947年に西部ドイツ放送に所属するオーケストラとして新しく結成されました。
セルという「恐ろしい指揮者」との初共演は、そこからわずか10年しか経っていない時期でした。おそらくは、かなりの緊張感の中でこの日を迎えたことでしょう。

音楽はセルらしい折り目正しい雰囲気の中で進んでいくのですが、聞き所はなんと言っても怒濤の迫力で突き進んでいく最終楽章のフィナーレでしょう。
なるほど、あの有名な1945年のフルトヴェングラーのライブを引き合いに出すまでもなく、ブラームスの2番というのはライブではこうなってしまうのでしょう。

あの第2楽章でホロンのソロが止まってしまうと言う事故の起こったクリーブランド管の57年ライブでも、それを帳消しにするように凄まじい迫力で突進していました。
ただし、あの一糸乱れぬ鬼のような突進をここでは期待できません。
いや、期待してはいけないのです。

しかし、この怒濤の追い込みに対して、少なくとも目に見えるような破綻をきたすことなく追随していくケルンのオケは立派なモノなのです。
それとも、破綻をきたさないように完璧に絞り上げ、コントロールしきっているセルが凄いのかもしれません。何しろ、これはライブですからね!!

そして、あらためてスタジオでの録音だけでは分からない部分があることを教えてくれる演奏でもあります。

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