Home|
ビーチャム(Thomas Beecham)|ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
ビーチャム指揮 ロンドンフィル 1939年録音
Haydn:交響曲第104番「ロンドン」「第1楽章」
Haydn:交響曲第104番「ロンドン」「第2楽章」
Haydn:交響曲第104番「ロンドン」「第3楽章」
Haydn:交響曲第104番「ロンドン」「第4楽章」
ハイドン最後の交響曲

この作品を音楽史の中においてみると、モーツァルトは既に全作品を書き終えて(?)この世を去っています。
ベートーベンはと言えば、ウィーンでの初めての演奏会を成功させ音楽家としての地歩を築き上げていたところでした。そしてその数年後に不滅の9曲と呼ばれる偉大な交響曲の第1番を世に送り出すことになります。
ハイドンは交響曲の父とばれ、その生涯に100をこえる作品を書き上げてこの音楽形式をクラシック音楽における重要なジャンルとして確立した人物です。
しかし、その彼の生涯の中を足早に駆け抜けていったモーツァルトは、この音楽形式をハイドン自身が想像もしなかったような地点にまで引き上げてしまいました。さらに、彼の跡を継いだベートーベンによって、それはクラシック音楽の王者(?)ともいうべき地位にまで引き上げてしまいました。
そう言う音楽史に中においてみると、ハイドンの交響曲が見劣りして見えることは否定できません。
しかし、これはベートーベンの1番にまっすぐにつながっていく作品です。音楽職人ハイドンがその持てるスキルの全てをつぎ込んで、次にくる新しい時代を切り開いた作品です。
私はその事をクレンペラーによる演奏を聞いてハッキリと教えられました。
モーツァルトのジュピターはやはり天才が生みだした異形の作品、交響曲の系譜においてベートーベンにつながっていったのはハイドンであることを確認させてくれます。
ユーモアの分かる人
ハイドンの交響曲を演奏するというのは指揮者にとってもオケにとっても結構怖いらしいです。譜面を音にしただけではスカスカで音楽になりませんし、逆に好き勝手にやればこれまた音楽は壊れてしまいます。やはり古典派作品としての形式把握が何よりも重要ですし、さらにハイドン特有のウィットを理解する度量が必要です。
もちろん、クレンペラーみたいに、ザロモン交響曲はベートーベンの交響曲にも匹敵する偉大な作品だ、ウィットもユーモアもあるもんか!とばかりに壮麗なシンフォニーとして巨大な構築物を築き上げる才覚があれば、そう言う小難しい話は無視してもいいのでしょうが、ああいう演奏はあの男にしかできません。
と言うことで、ハイドン演奏の一つの解として代表的なのがビーチャム卿の演奏です。
ワルターのロマン性もないしクレンペラーの力業もありません。どちらかと言えば小粒な演奏ですし、スッキリとした造形です。
しかし、この大人はハイドンのウィットをよく理解しています。
誰でも簡単に出来そうな演奏ですが、意外とこういうスタイルをまねるのが最も難しいのかもしれません
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
313 Rating: 4.6/10 (189 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2025-07-11]

ベートーベン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68 「田園」(Beethoven:Symphony No.6 in F major, Op.68 "Pastoral")
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1960年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1960)
[2025-07-09]

エルガー:行進曲「威風堂々」第1番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 1 In D Major])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年8月28日~29日録音(Sir John Barbirolli:Philharmonia Orchestra Recorded on August 28-29, 1962)
[2025-07-07]

バッハ:幻想曲とフーガ ハ短調 BWV.537(J.S.Bach:Fantasia and Fugue in C minor, BWV 537)
(organ)マリー=クレール・アラン:1961年12月10日~12日録音(Marie-Claire Alain:Recorded December 10-12, 1961)
[2025-07-04]

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調, Op.64(Mendelssohn:Violin Concerto in E minor Op.64)
(Vn)ヨーゼフ・シゲティ:トーマス・ビーチャム指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1933年録音(Joseph Szigeti:(Con)Sir Thomas Beecham London Philharmonic Orchestra Recoreded on 1933)
[2025-07-01]

ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 作品67(Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽楽団 1958年録音(Joseph Keilberth:Hamburg Philharmonic Orchestra Recorded on 1958)
[2025-06-29]

ヘンデル:組曲第12番(第2巻) ト短調 HWV 439(Handel:Keyboard Suite No.12 (Set II) in G Minor, HWV 439)
(P)エリック・ハイドシェック:1964年9月18日~21日&30日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n September 18-21&30, 1964)
[2025-06-27]

ブラームス:ホルン三重奏 変ホ長調, Op.40(Brahms:Horn Trio in E-flat major, Op.40)
(Hr)フランツ・コッホ :(Vn)ワルター・バリリ (P)フランツ・ホレチェック 1952年録音(Franz Koch:(Vn)Walter Barylli (P)Franz Holeschek Recorded on 1952)
[2025-06-25]

バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542(J.S.Bach:Fantaisie Et Fugue En Sol Mineur, BWV 542)
(organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-06-22]

ラヴェル:ダフニスとクロエ第2組曲(Ravel:Daphnis And Chole, Suite No.2)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1959年4月19日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on April 19, 1959)
[2025-06-19]

ヘンデル:組曲第16番(第2巻) ト短調 HWV 452(Handel:Keyboard Suite (Set II) in G Minor, HWV 452)
(P)エリック・ハイドシェック:1957年9月30日&10月1日~2日録音