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R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」 作品30

クレメンス・クラウス指揮 ウィーンフィル 1950年6月12日&13日録音


Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Einleitung]

Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Von den Hinterweltlern]

Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Von der grosen sehnsucht]

Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Von den Freuden und Leidenschaften]

Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Das Grablied]

Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Von der Wissenschaft]

Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Der Genesende]

Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Das Tanzlied]

Richard Strauss:Also sprach Zarathustra, Op.30 [Nachtwandlerlied]


冒頭部分があまりにも有名です

これはタイトルの通り、ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」に影響を受けて創作された交響詩です。
とにかく冒頭の、「太陽をクレーンで吊り上げる」と形容された部分が「2001年宇宙の旅」で使われてすっかり有名になりました。私の職場で、同僚から「2001年宇宙の旅のCDを貸してほしい」と頼まれたので、「あー、ツァラトゥストラはかく語りきだね」と答えると、「そんな曲じゃなくて、2001年宇宙の旅ですよ!!」という感じで全く話がかみ合わなかったことがありました。
ややこしいので、「はいはい!」と言って後日CDを手渡したのですが、それでも彼は「2001年宇宙の旅の後ろに、訳のわかんない音楽が延々と続いている!」とのたまっておりました。
まあ、それくらい、この冒頭部分は有名です。

ちなみに、全体の構成はあの有名な冒頭部分(導入部)を含めて以下の9つに分かれています。

1. Einleitung (導入部)
2. Von den Hinterweltlern (世界の背後を説く者について)
3. Von der grosen sehnsucht (大いなる憧れについて)
4. Von den Freuden und Leidenschaften (喜びと情熱について)
5. Das Grablied (墓場の歌)
6. Von der Wissenschaft (学問について)
7. Der Genesende (病より癒え行く者)
8. Das Tanzlied (舞踏の歌)
9. Nachtwandlerlied (夜の流離い人の歌)

作品はニーチェの「超人思想」に深く共感したと言うよりは、ニーチェの著作から気に入った部分を抜粋して音楽的に表現したエッセイみたいな雰囲気の作品と言った方がいいのかもしれません。作品全体が一つの統一感のもとにまとめられていると言うよりは、次々と風景が変わっていくような風情を楽しめば、「訳のわかんない音楽が延々と続く」のも我慢できるかもしれません。
それと響きのゴ?ジャスな事!!
あまり難しいことを考えずに、エンターテイメント的に楽しむ音楽なのでしょうね。


ウィーンフィルとの相性の良さ

クラウスの棒によるシュトラウスは、ヨハンの方もリヒャルトの方も困ってしまうほど面白いと書いたのですが、調べてみると50年代にウィーンフィルとのコンビでまとまった録音を残しています。
ウィーン、ベルリン、ミュンヘンというドイツ語圏の三大歌劇場の音楽監督を歴任した人にしては残された録音が異常に少ないだけに、モノラルとはいえデッカレーベルでこれだけまとまった録音が残ったことは感謝すべきでしょう。


  1. 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 op.30 1950年6月12日&13日録音

  2. 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」op.28 1950年6月16日録音

  3. 交響詩「ドン・ファン」 op.20 1950年6月16日録音

  4. 家庭交響曲 op.53 1951年9月録音

  5. 交響詩「英雄の生涯」 op.40 1952年9月録音

  6. 組曲「町人貴族」op.60 1952年9月録音

  7. 交響詩「ドン・キホーテ」 op.35 1953年6月録音

  8. 交響的幻想曲「イタリアより」 op.16 1953年12月録音

  9. 楽劇「サロメ」op.54 1954年3月録音



「ナチスの指揮者」というレッテルのために戦後はしばらく演奏活動が禁止されていましたから、戦後の音楽活動のほぼ全ての時期を網羅しています。戦後の録音はほぼ50年からスタートしていますし、54年の5月に演奏先のメキシコで急死したクラウスにとっては、その年の3月に録音された「サロメ」は結果として遺言のような録音になってしまいました。

それにしても、こうやってまとめて聞いてみると、クラウスとウィーンフィルとの相性の良さには感心させられます。
ウィーンフィルの美質と言えば、他では聞けない管楽器群の響きの美しさと、弦楽器群の臈長けた美しさ、そして何よりも他のオケでは絶対に聞くことの出来ない歌い回しの見事さあたりでしょうか。
そういえば、ヴァイオリンのソロが大きな役割を果たす「ツァラトゥストラはかく語りき」や「英雄の生涯」ではコンサート・マスターのボスコフスキーがつとめているのですが、そのとろっとした響きの美しさこそは「これぞウィーンフィル!」と思わせるものがあります。

それだけに、新しく再開されるウィーンの国立歌劇場の音楽監督に自分が指名されることを、彼は疑いもしていなかったのでしょう。
ところが、結果は、このような優美さと高貴さを讃えた指揮者ではなく、木訥な田舎もののベームがその地位を手に入れるのです。結局は、ベートーベンが指揮できないような指揮者がウィーンのシェフでは困ると言うことでしょうし、さらに言えば、何処まで行っても「ナチスの指揮者」という影が、新しく船出をするウィーンの国立歌劇場には相応しくないと判断されたのでしょうか。

それにしても、彼の師匠に当たるリヒャルト・シュトラウスの演奏は、どれもこれもウィーンフィルの美質を惜しげもなく振りまいていて、昨今のハイテクオケが聞かせてくれる音楽と較べれば、待ったくもって別の作品のように聞こえるほどです。そして、その「全く別の作品のように聞こえ」てしまうあたりが彼の音楽の様式的な古さを顕わにしていることも事実なのです。

しかし、物事を単純な進化論で切って捨てることが出来ないことも事実です。より新しく、より精緻に、より美しくと頑張ってきた果ての世界が、過去と較べて麗しくなっているとは言い切れないのも事実です。
ヘーゲルが語ったように歴史は決して「阿呆の画廊」ではありません。この50年の成果は素直に認めながらも、その「進化」の中で失ったものはないのかを見直すためには、時にはこういう「過去」に目を向けることも大切なのではないでしょうか。

<どうでも言い追記>
なお、どうでもいいことですが、このデッカ録音が最近まとまってリリースされました。ところが、その録音紹介の中に「『ナクソス島のアリアドネ』から編まれた組曲では、優雅な感覚に満たされてもいました。」なんて書いてありました。
シュトラウスさんの作品に「『ナクソス島のアリアドネ』から編まれた組曲」なんてものはありません。

詳しいことは割愛しますが、「町人貴族」と「ナクソス島のアリアドネ」という二つのオペラにはともに作品番号60が付されています。そして、オペラとして有名なのは「ナクソス島のアリアドネ」の方なのでそういう間違いが起こったのでしょう。シュトラウスが組曲として編んだ作品番号60は「町人貴族」の方です。
こんな事、調べればすぐに分かるのに、いい加減なものです。
<追記終わり>

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