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トスカニーニ(Arturo Toscanini)|フランク:交響曲ニ短調
フランク:交響曲ニ短調
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1946年3月24日年録音
Franck:交響曲ニ短調 「第1楽章」
Franck:交響曲ニ短調 「第2楽章」
Franck:交響曲ニ短調 「第3楽章」
偉大なるマイナー曲

この屈指の名曲を「マイナー曲」と言えばお叱りを受けそうですが、意外ときいていない人が多いのではないでしょうか?まあCDの棚に一枚か二枚程度は並んでいるのでしょうが、それほどに真剣に聞いたことはないと言う人も多いのではないでしょうか?
名曲というハンコはしっかり押されているにもかかわらず何故か人気はないと言う点で、「偉大なマイナー曲」と表現させてもらいました。
理由はいくつか考えられるでしょうが、まず第一に、フランクが交響曲という分野ではこれ一曲しか残さなかったことがあげられるでしょう。
交響曲作家というのは一般的に多作です。ベートーベンの9曲を代表として、少ない方ではブラームスやシューマンの4曲、多い方ではショスタコーヴィッチの15曲というあたりです。マーラー、ブルックナー、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、シベリウスなどなど、誰を取り上げてもそれなりにまとまった数の交響曲を残しました。
それだけにたった1曲しか残さなかったフランクの交響曲は、何かの間違いで(^^;、ポット産み落とされたような雰囲気が漂って「あまり重要でない」ような雰囲気が漂ってしまうのがマイナー性を脱却できない一つの理由となっているようです。
ただ、これは彼の人生を振り返ってみると大きな誤解であることは明らかです。吉田秀和氏がどこかで書いていましたが、60歳をこえ、残りの人生が少なくなりつつある10年間に、それこそねらいを定めたように、一つのジャンルに一作ずつ素晴らしい作品を産み落としたのがフランクという人でした。
そして、交響曲という分野においてねらいを定めてたった一つ産み落とされたのがこの交響曲なのです。
何かの片手間でポッと一つだけ作曲されたのではなく、自分の人生の総決算として、まさにねらいを定めたように交響曲という分野でたった一つだけ生み出され作品がこのニ短調のシンフォニーなのです。
さらにマイナー性を脱却できない第二の理由は作品が持つ「暗さ」です。とりわけこの作品の決定盤として君臨してきたフルトヴェングラーの演奏がこの暗さを際だたせた演奏だっただけに、フランクの交響曲は「暗い」というイメージが定着してしまいました。
たしかに、第一楽章の冒頭を聞くと実に「暗い」事は事実です。しかし、聞き進んでいく内に、この作品の本質がそのような暗さにあるのではなく、じつは「暗」から「明」への転換にあることに気づかされます。
そう、辛抱して最後まで聞いてくれればこの作品の素晴らしさを実感してもらえるのに、多くの人は最初の部分だけで辟易して、聞くのをやめてしまうのです。(実はこれってかつてのユング君でした・・・)
最終楽章の燦然と輝く音楽を聴いたとき、このニ短調の交響曲というのはあちこちで言われるような晦渋な作品ではなく、実に分かりやすい作品であることが分かります。そして、いかにドイツ的な仮面をかぶっていても、この作品は本質的にはフランスの音楽であることも了解できるはずです。
フランクの交響曲は晦渋だ!という先入観をうち破ってくれる演奏です。
実にトスカニーニらしいシャープな演奏です。
この作品の決定盤と長らく言われてきたフルトヴェングラーの「怨念の塊」みたいな演奏とは対極に位置する演奏です。
日本人の「短調好き」はよく言われる話ですが、トスカニーニのような演奏がこの作品のスタンダードとして世間に広まっていれば、この作品のイメージもずいぶんと違っただろうなと思わせられます。
と言うのも、おそらくですが、この1940年に行ったトスカニーニの放送用の録音がフランクの交響曲にとっては世界最初の正規録音だと思われるからです。ただ残念なことに、そのすぐあとに行われたメンゲルベルグの録音がSP盤時代のスタンダードとなってしまい、このトスカニーニ盤は忘れられた存在となっていました。
しかし、トスカニーニはこの作品が結構気に入っていたようで、1946年にもう一度録音を行っていて、それがここでお聞きいただける演奏です。「フランクの交響曲は暗くて晦渋なので苦手!」と言う人にとっては一聴の値打ちがある録音です。録音も悪くはありません。
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よせられたコメント
2009-06-03:ruru
- フランクの交響曲はすでに20年代の頃には全曲録音が複数ありますので、40年の放送用音源は初どころか、かなり遅い部類に(それでも初期には違いないのでしょうけど)入ると思うのですが…
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