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ベートーベン:ピアノソナタ第7番


シュナーベル 1935年11月12日録音


新しいスタイルを模索するベートーベン

 ”3つのピアノソナタ”としてまとめて発表されていますが、一つ一つがユニークさをもっていて、意欲満々で新しい形式を模索するベートーベンの姿を感じ取ることができます。
 そして、この中で一番ユニークであり優れているのがピアノソナタ第7番の第2楽章です。
 ”ラルゴ・エ・メスト”と記されたこの楽章は、ベートーベン自身が「悲しんでいる人の心のありさまを、様々な光と影のニュアンスで描こうとした」ものだと語っています。”メスト(悲しみ)”と記されているように、ベートーベンの初期作品の中では際だった深刻さを表出している作品です。

 また、ラルゴというスタイルを独立した楽章に用いるのもこれが最後になるだけに意味深い作品だと言えます。

 それ以外にも、例えば第5番のソナタの第1楽章の構築感は紛れもない’ベートーベンそのもの’を感じ取ることができますし、緩徐楽章が省かれた第6番のソナタのユニークさも際だっています。
 初期のピアノソナタの傑作とも言うべき第8番「悲愴」の前に位置する作品で、見過ごされることの多い作品ですが、腰をすえてじっくりと聞いてみるとなかなかに魅力的な姿をしています。

ピアノソナタ第7番 ニ長調 Op.10−3


第1楽章
 プレスト ニ長調 2分の2拍子 ソナタ形式
第2楽章
 ラルゴ・エ・メスト ニ短調 8分の6拍子 
第3楽章
 アレグロ ニ長調 4分の3拍子 メヌエット
第4楽章
 アレグロ ニ長調 4分の4拍子 ロンド

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