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アマデウス弦楽四重奏団(Amadeus String Quartet)|ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96 「アメリカ」
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96 「アメリカ」
アマデウス弦楽四重奏団 1959年9月録音
Dvorak:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96 「アメリカ」
Dvorak:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96 「アメリカ」
Dvorak:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96 「アメリカ」
Dvorak:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96 「アメリカ」
3日でスケッチを完成させた作品

クラシック音楽は堅苦しくて取っつきにくいという「誤解(-"-;) うっ…」があるのですが、この弦楽四重奏曲というジャンルだけはその「誤解」を解くのが一番難しいようです。
言ってみれば、クラシック音楽の奥座敷みたいなもので、まさに通好みの世界です。
しかし、そんな通好みの世界にあって、「いやいや弦楽四重奏といえどもこんなにも取っつききやすくて美しい音楽もあるのですよ」と主張できるのが、この「アメリカ」というタイトルがついた作品です。
この作品は教え子の家に招かれたときに、その一家で演奏するためにわずか3日でスケッチを完成させたと言われています。天性のメロディーメーカーと言われたドヴォルザークが、その天賦の才を一気に解き放ったように書き上げた作品です。
ですから、この作品には、至る所にドヴォルザークの「本能」みたいなものが顔を出します。
例えば、冒頭のテーマをヴィオラが歌い始めるのはとても珍しいのですが、もともとがヴィオラ奏者だったドヴォルザークの本能が思わず顔を出したと言えなくもありません。
また、アメリカというタイトルとは裏腹に、この作品から聞こえてくるのは彼の故郷であるボヘミヤの民謡です。この作品で最も美しく、最も感動的な第2楽章には黒人霊歌が反映していると言われますが、主役を務めているのは明らかにボヘミヤ民謡です。
ドヴォルザークという人は新世界とチェロ協奏曲だけの人みたいに思われるのですが、実は室内楽の分野でも多くの優れた作品を残しています。とりわけ、弦楽四重奏曲の分野では、このアメリカ以降に非常に優れた二つの作品を残しています。メロディの美しさもアメリカに比べて劣るものではないのですが、なぜかしらポピュラリティの面では大きな差があります。
考えてみれば実に不思議な話なのですが、やはり、それは弦楽四重奏というジャンルの特質が原因しているのだろうと思います。
弦楽四重奏というのは、基本的には「論理」の音楽です。じっくりと腰を据えて書けば、いかにメローディーメーカーであるドヴォルザークであってもそれは論理の音楽になってしまいます。しかし、わずか3日でスケッチを完成させたこの作品では、そう言う論理を押しのけてメローディーメーカーたる彼の美質が最もいい形で発揮されたのだと思います。
この作品には、どこを探しても気むずかしい表情を見つけることができません。しかし、その事が、このジャンルの音楽に「賢者の対話」を求める人々には物足りなさを感じさせることは否定できません。
とは言え、取っつきにくいこのジャンルに、このような音楽が存在することは価値あることだと思います。
少しばかり影がうすくなってきていますが・・・
アマデウス弦楽四重奏団は日本では大変有名な団体だったのですが、活動を停止してから20年近い歳月がたってしまうといささかその存在の影が薄くなってきています。最近のハイテクカルテットを聞き慣れた耳には、彼らのシンフォニックとまで評された重厚な響きはいささか鈍重に聞こえることは否めません。また、彼らの前の時代を代表する歴史的なカルテットのような味の濃さは求めることも出来ません。そういう二つの潮流の中に身を置いてみるといささか影が薄くなってきているということです。
しかし、1987年にヴィオラのシドロフが急死をして活動を停止するまで、一人もメンバーを交代しなかったというのがこのアンサンブルの最大の特徴です。そして、第1ヴァイオリンのノーバート・ブレイニンの個性がこの団体の個性として深く刻印されていたのも特徴と言えば特徴です。このブレイニンがもつ豊穣なロマン性がぴたりとツボにはまるとカルテットとしてもうまくいくのですが、そうでないときは意外とつまらない演奏をしてしまうという、ある意味では実に分かりやすい(^^;団体ではありました。
そのブレイニンも亡くなり、もしかしたらますます記憶の彼方に消えていってしまうかもしれないのですが、それでも60年代から70年代にかけて世界の室内楽をリードした団体であることは間違いありません。
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よせられたコメント
2014-01-29:ウィルソン
- 私の手元には、この曲のジュリアード四重奏団による録音があります。年代で言えばこの録音より8年のち、1967年に収録されたものです。
私が愛聴してきたジュリアード盤は、いい加減な言い方をすれば「アメリカ的」というか「モダン」というか、とにかくすっきりと整った演奏を聴かせてくれます。もちろん表情のつけ方はそれなりに豊かですが、それよりもやはりアメリカ的な響きというか、あまりボヘミアンではない音が際立ちます。
それに比べるとこのアマデウス盤は、そこまで田舎臭いというのではないにしろヨーロッパ的な、豊満なまでの歌い方をしているように思えます。作曲者の出自を反映した、それこそ交響曲第9番などと相性のよさそうな演奏ですね。
どっちがいいとか比較するのは難しいところです。標題からしてジュリアード盤の解釈が「正しい」のかもしれませんが、このアマデウス盤にも遜色ない魅力があると思います。心惹かれる名演です。
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