AmazonでCDをさがすAmazonでフィードラー(Arthur Fiedler)のCDをさがす
Home|
フィードラー(Arthur Fiedler)|ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー
ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー
アーサー・フィードラー 指揮 (P)アール・ワイルド ボストン・ポップス・オーケストラ 1959年5月13日録音
Getshwin:ラプソディ・イン・ブルー
ガーシュインの”クラシック音楽”デビュー作
初演はガーシュイン自身のピアノとポール・ホワイトマン楽団によって行われました。(1924年)
ガーシュイン自身が作曲したのは2台のピアノによる、それも草稿程度のものだったようです。それをオーケストラ版に仕上げたのは楽団付属のアレンジャーだった、ファーディ・グローフェです。(そうです、あの「グランド・キャニオン」で有名なグローフェです。)
彼は、その後もこの作品の改訂と編曲に尽力をして、最終的には1942年に大編成のオーケストラ版を完成させます。そんなわけで、この作品の実体はガーシュインとグローフェの合作みたいなものだといえます。
実際、クラシックのコンサートで演奏されるのはこの42年のオーケストラ版です。
しかし、ユング君はあまり詳しくないのですが、シンフォニック・ジャズとしてこの作品を捉えるジャズ・オケなどでは、小編成のオリジナル版で演奏することが多いようです。プレヴィンなんかもこのスタイルで録音をしていますが、全く音楽の雰囲気が違います。
それから、ピアノソロに即興的なアドリブを入れたものも多いですから、ますます雰囲気が変わってしまいます。いったいどれが本当の「ラプソディー・イン・ブルー」なんだ?と聞かれてもとまどってしまうと言うのがこの作品の特徴だともいえます。
でも、そんなややこしい話は脇においておくとして、とにかく「粋」な音楽です。冒頭のクラネリットのメロディを聴くだけで嬉しくなってしまいます。20世紀に入って行き詰まりを見せ始めたクラシック音楽の世界にとって、このような響きがとても新鮮に聞こえたことだけは事実です。
悪くない演奏だと思います。
このフィードラーによる「ラプソディ・イン・ブルー」はバーンスタイン盤と並んでもう一つのスタンダードとしての一を占めていました。しかし、聞けばすぐに分かるように、オケの響きはかなり厚めで、かなり自由にスコアに改変しています。
そのために、一部では「すでに古い演奏」と言われることがあるのですが、私は決してそうは思いません。
そう言えば、少し前に「ラプソディ・イン・ブルー」についてこんな風に書いたことがあります。
「私の手もとに、ガーシュインがピアノソロを演奏したとっても古い録音があります。
初めて聞いたのは数年前なのですが、そのあまりのアクの強さに驚かされ、同時に作曲者がイメージしたラプソディー・イン・ブルーがこんなものなら、いわゆるクラシック音楽として演奏される大部分のラプソディー・イン・ブルーはあまりにもお行儀がよすぎるのではないかという思いがしたものです。そして、ラプソディー・イン・ブルーという作品は、ジャスのようにその時々の雰囲気に合わせてもっと自由に楽しくやる事こそが、作曲者の意図に忠実なのではないかと思った次第だったのです。」
スコアに手を加えてオケの響きを少々厚めに、華やかにお化粧したって何の問題もないともうのです。
そして、
「この作品のスタンダードと言われ続けてきたこのバーンスタイン盤は本当にガーシュインが思い描いていたような音楽だったのかという「恐れ多い」疑問がわき上がってきます。
もちろん、音楽というものは原作者の表現が絶対でないことは事実です。しかし、クラシック音楽としての「ラプソディ・イン・ブルー」の中では最もジャズ的だと言われ続けてきたこの録音でも、あまりにもお上品にすぎるような気がしてしまうのです。」
そう考えると、このフィードラーの演奏はガーシュインの自演ほどには灰汁は強くはないのですが、バーンスタインほど行儀はよくありません。その意味で、かえってこれくらいの方が「スタンダード」なのではないかと思ってしまう次第です。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
1498 Rating: 5.4/10 (128 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2024-04-22]
モーツァルト:弦楽四重奏曲第4番 ハ長調 K.157(Mozart:String Quartet No.4 in C major, K.157)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-04-20]
ショパン:バラード第3番 変イ長調, Op.47(Chopin:Ballade No.3 in A-flat major, Op.47)
(P)アンドレ・チャイコフスキー:1959年3月10日~12日録音(Andre Tchaikowsky:Recorded on Recorded on March 10-12, 1959)
[2024-04-18]
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調, Op.85(Elgar:Cello Concerto in E minor, Op.38)
(Cello)アンドレ・ナヴァラ:サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1957年録音(Andre Navarra:(Con)Sir John Barbirolli:Halle Orchestra Recorded on 1957)
[2024-04-16]
フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調(Franck:Sonata for Violin and Piano in A major)
(P)ロベール・カサドシュ:(Vn)ジノ・フランチェスカッティ 1947年5月7日録音(Robert Casadesus:(Vn)Zino Francescatti Recorded on May 7, 1947)
[2024-04-14]
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」, Op.62(Beethoven:Coriolan, Op.62)
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1945年6月1日録音(Arturo Toscanini:NBC Symphony Orchestra Recorded on June 1, 1945)
[2024-04-12]
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第3番 ト長調 K.156/134b(Mozart:String Quartet No. 3 in G Major, K. 156)
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2024-04-10]
ハイドン:弦楽四重奏曲第1番 変ロ長調「狩」,Op. 1, No. 1, Hob.III:1(Haydn:String Quartet No.1 in B-Flat Major, Op. 1, No.1, Hob.3:1, "La chasse" )
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1938年6月5日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on June 5, 1938)
[2024-04-08]
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18(Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18)
(P)ジェルジ・シャーンドル:アルトゥール・ロジンスキ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年1月2日録音(Gyorgy Sandor:(Con)Artur Rodzinski New York Philharmonic Recorded on January 2, 1946)
[2024-04-06]
シベリウス:交響的幻想曲「ポヒョラの娘」(Sibelius:Pohjola's Daughter - Symphonic Fantasy Op.49)
カレル・アンチェル指揮:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1962年6月7日~8日録音(Karel Ancerl:The Czech Philharmonic Orchestra Recorded on June 7-8, 1962)
[2024-04-04]
ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ヘ長調, Op.50(Beethoven:Romance for Violin and Orchestra No.2 in F major, Op.50)
(Vn)ジノ・フランチェスカッティ:ジャン・モレル指揮 コロンビア交響楽団 1952年4月23日録音(Zino Francescatti:(Con)Jean Morel Columbia Symphony Orchestra Recorded on April 23, 1952)