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サラサーテ:カルメン幻想曲 作品25

Vn.リッチ ピエロ・ガンバ指揮 ロンドン交響楽団 1959年9月録音



Sarasate:カルメン幻想曲


サラサーテの2枚看板の一つ

私の中ではハイフェッツの印象があまりにも大きいので、カルメン幻想曲と言えばワックスマンの作品が真っ先に浮かぶのですが、Google先生に「カルメン幻想曲」と言えばと聞くと、この作品だよ!と返事が返ってきますね。
サラサーテにとっても「ツィゴイネルワイゼン」と並ぶ二枚看板なのですからま当然と言えば当然なのでしょう。

カルメンの素材を使った作品はたくさんあるのですが、さすがにヴァイオリンの名手として名をはせたサラサーテだけに、実に上手く組み合わせて華やかな世界を作り上げています。
使われている素材は「第4幕への間奏曲アラゴネーズ」-「ハバネラ」-「カルメンが歌う鼻歌トゥ・ラララのメロディ」-「カルメンが歌うセギディーリャのメロディ」-「ジプシーの歌」という順番です。


ハイフェッツのあとにアップするのはいささか意地が悪いでしょうか。

ハイフェッツの名前は偉大でその輝きが失われるにはどれほどの年月を要するのでしょうか。
それと比べると、ルジェーロ・リッチの名前は既に黄昏につつまれているように聞こえます。

ハイフェッツによる歴史的名演とも言うべき録音を既にアップしたあとで、リッチの録音をアップするというのはいささか意地が悪すぎるかもしれません。しかし、この二人の録音を聞き比べてみると、ハイフェッツの「凄味」というものがよく分かります。
もちろん、リッチの録音も決して凡庸なものではありません。もしかしたら、ヴァイオリンの音色はリッチの方が美しいかもしれませんし、テクニックの冴えも悪くはありません。
彼が得意としたサラサーテのツィゴイネルワイゼンなんかはいかにもスタンダードという雰囲気で、この作品の持ついささか大袈裟な雰囲気が上手く表現されています。つまり、サン・サーンスのハバネラやカプリチオーソにしても、どこか落ち着いた雰囲気があって、それが「匕首」を突きつけてくるようなハイフェッツとの演奏と比べると落ち着いて聞くことができるという「美点」にもつながります。
しかし、それだけではやはり悲しいかな、長い年月の間に人々の記憶から消えていってしまうのです。
やはり、忘れらられたらいやだと思えば、聞き手ののど元に「匕首」を突きつけるような演奏をしないとダメだと言うことなのでしょう。

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