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ハイフェッツ(Jascha Heifetz)|バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042
Vn:ハイフェッツ ウォーレンスタイン指揮 ロスアンジェルス・フィル 1953年12月6日録音
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042 「第1楽章」
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042 「第2楽章」
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042 「第3楽章」
3曲しか残っていないのが本当に残念です。

バッハはヴァイオリンによる協奏曲を3曲しか残していませんが、残された作品ほどれも素晴らしいものばかりです。(「日曜の朝を、このヴァイオリン協奏曲集と濃いめのブラックコーヒーで過ごす事ほど、贅沢なものはない。」と語った人がいました)
勤勉で多作であったバッハのことを考えれば、一つのジャンルに3曲というのはいかにも少ない数ですがそれには理由があります。
バッハの世俗器楽作品はほとんどケーテン時代に集中しています。
ケーテン宮廷が属していたカルヴァン派は、教会音楽をほとんど重視していなかったことがその原因です。世俗カンタータや平均率クラヴィーア曲集第1巻に代表されるクラヴィーア作品、ヴァイオリンやチェロのための無伴奏作品、ブランデンブルグ協奏曲など、めぼしい世俗作品はこの時期に集中しています。そして、このヴァイオリン協奏曲も例外でなく、3曲ともにケーテン時代の作品です。
ケーテン宮廷の主であるレオポルド侯爵は大変な音楽愛好家であり、自らも巧みにヴィオラ・ダ・ガンバを演奏したと言われています。また、プロイセンの宮廷楽団が政策の変更で解散されたときに、優秀な楽員をごっそりと引き抜いて自らの楽団のレベルを向上させたりもした人物です。
バッハはその様な恵まれた環境と優れた楽団をバックに、次々と意欲的で斬新な作品を書き続けました。
ところが、どういう理由によるのか、大量に作曲されたこれらの作品群はその相当数が失われてしまったのです。現存している作品群を見るとその損失にはため息が出ます。
ヴァイオリン協奏曲も実際はかなりの数が作曲されたようなですが、その大多数が失われてしまったようです。ですから、バッハはこのジャンルの作品を3曲しか書かなかったのではなく、3曲しか残らなかったというのが正確なところです。
もし、それらが失われることなく現在まで引き継がれていたなら、私たちの日曜日の朝はもっと幸福なものになったでしょうから、実に残念の限りです。
いかにもスタンダードという安心感に満ちたバッハ
ヴィターリのシャコンヌではまさに日本刀のごとき切れ味をみせてくれたハイフェッツですが、このバッハのコンチェルトでは意外と太めの音色で暖かみのあるバッハを描いてみせてくれます。
確かに、このバッハでは唯一無二の凄味は感じませんが、いかにもスタンダードという安心感に満ちたバッハを聴かせてくれます。そして、バッハの音楽は、そういう風に過不足なくきちんと演奏してくれれば、いつもその素晴らしい姿を私たちに見せてくれる懐の広さがあります。
ただ、驚くのは昨日のヴィターリと言いこのバッハと言い、古いモノラル録音とは思えないほどの音の良さです。
なるほど、録音というのは機材だけでなく、録音する側の気概も大きな部分を占めているんだと思い知らされる立派さです。
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