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ドヴォルザーク:交響曲第7番 ニ短調 作品70

ジョージ・セル指揮 クリーブランド管弦楽団 1959年10月29~30日録音




ブラームスの仮面をかぶったシンフォニー

1882年、ドヴォルザークはロンドン・フィルハーモニー協会から自作の指揮をするように招待を受けて、はじめてイギリスの地を踏みます。演奏会は空前の大成功をおさめ、ドヴォルザークは協会の名誉会員に選ばれるとともに、協会のために新しい交響曲を書くように依頼されます。
ちょうど同じ頃に、ブラームスの交響曲3番を聞いて深く感動して新たな交響曲の創作に意欲を見せていたドヴォルザークはその依頼を即座に受け入れます。1884年の2回目のイギリスへの演奏旅行も成功裏に終り、プラハに戻ったドヴォルザークはその年の暮れから創作に取りかかり、翌年の3月には完成させました。その新しい作品が、現在では「第7番」とナンバーリングされている交響曲です。(この交響曲は出版されたときは「第2番」とされていて、それで長らく通用していました。)

この作品は同年4月からの3回目のイギリス訪問で初演され過大にすぎるくらいの成功と評価を勝ち得ました。一般的、ドヴォルザークとイギリスは相性が良かったようで、イギリスの評論家は常にドヴォルザークの作品に対して高い評価を与えてきました。その中でも、この作品は特にお気に入りだったようで、シューベルトのハ長調交響曲やブラームスの最後の交響曲に匹敵する傑作とされ続けてきました。(さすがに、今はそんなことを言う人はいないでしょうが・・・)

この作品はドヴォルザークに特有なボヘミア的な憂愁よりは、どこかブラームスを思わせるような重厚さが作品を支配しています。内省的でどこか内へ内へと沈み込んでいくような雰囲気があります。
ドヴォルザーク自身も出版業者のジムロックにあてて「新しい交響曲に取り組んでもう長期になるが、それは何か本格的なものになりそうだ」と述べています。その「本格的なもの」とはブラームスの交響曲をさしていることは明らかです。
誤解を招くかもしれませんが、ドヴォルザークがブラームスの仮面をつけて書いたような音楽です。

疑うことなき一級品の名演


セル&クリーブランドのドヴォルザークと言えばまずは8番が頭に浮かび、さらには9番「新世界より」も名演として名高いことは言うまでもありません。ところが、7番となるとセル好きと言われる人々の中でもあまり話題に上ることがありません。
それは、後期三大交響曲というくくり方がされるチャイコフスキーなどではその3つがほぼ同等の重みを持つのに対して、ドヴォルザークの場合は圧倒的に7番がマイナーだと言うことにも起因しているのかもしれません。
ですから、私も

「名演」というのは、あれこれの異演を聞いた上で、その比較の中で「これいいね!」と言うことで選定されるのが一般的です。しかし、ドヴォルザークの7番のような作品だとそれほど多くの異演を聞いているわけではないですから、あれこれの比較を通して「これいいね!」とはなりにくい作品です。
しかし、このセル&クリーブランドによる7番は、そう言う「比較」という作業を経なくても、これを聞いただけでその凄さに圧倒されて「名演」と認定してしまう事間違いなしです。つまり、相対的な「名演」ではなくて、これはまさにこの作品における絶対的な「名演」としての資格を持っています。
そして、これほどに素晴らしい演奏でありながら、その事に今回初めて気づいたといとことは、私の中でこの録音がいかに不当な扱いを受けていたかの証明でもあります。

この演奏の凄いのは、オケが完璧なバランスを保ちながら強烈なパッションを発散していることです。スタイリッシュでもなければお洒落でもありませんが、音楽はこうでなくてはいけません。そして、もしかしたら、セルにとってもっとも強く共鳴できた作品は8番でもなければ9番でもなくて、もしかしたらこのブラームスの影が色濃く漂う7番ではなかったのかと気づかされます。
もしかしたら、オケの響きのバランスはセルにとってみれば完璧ではなかったのかもしれません。しかし、それがこのコンビにしては珍しくゴリゴリとした感じが残ってかえって好ましくも思えたりもします。それは、おそらく作品への強い共感ゆえに、オケのコントロールが破綻するギリギリのところで踏みとどまっているような雰囲気です。
そして、最終楽章では音楽が次第にうねりだして大きく高揚していく様は見事としか言いようがありません。それは、セルの最後の指揮となった日本公演でのシベリウスの最終楽章の凄さを、ちらりと感じさせてくれるような盛り上がり方です。
まさに、疑うことなき一級品の名演です。

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  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



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