クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~




Home|ワルター(Bruno Walter)|モーツァルト:レクイエム

モーツァルト:レクイエム

ワルター指揮 ウィーンフィル 合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団 1937年録音



Mozart:レクイエム「入祭誦?キリエ」

Mozart:レクイエム「怒りの日」

Mozart:レクイエム「ラッパは驚くべき音を」

Mozart:レクイエム「恐るべき御稜威輝く王よ」

Mozart:レクイエム「思い出してください、慈しみ深いイエス様」

Mozart:レクイエム「呪われた者は退けられて」

Mozart:レクイエム「その日は涙に暮れる日」

Mozart:レクイエム「主イエス・キリスト」

Mozart:レクイエム「賛美の生け贄と祈りを」

Mozart:レクイエム「サンクトゥス」

Mozart:レクイエム「ベネディクトゥ」

Mozart:レクイエム「アニュス・デイ」

Mozart:レクイエム「永遠の光が」


モーツァルトの絶筆となった作品です

モーツァルト毒殺説を下敷きにしながら、芸術というものがもつ「酷薄さ」と、その「酷薄さ」を鮮やかに浮かび上がらせるかのようにモーツァルトの音楽の魅力を振りまいた映画が「アマデウス」でした。
 そのラストのクライマックスのシーンで、魔笛とレクイエムの音楽がこの上もなく効果的に使われていました。

 魔笛の輝くような明るい音楽と、陰鬱なレクイエムの音楽。光と陰が交錯する中から、モーツァルトの天才が浮かび上がってくる場面です。

 それは、同時に天才モーツァルトと、凡人サリエリの違いを残酷なまでに明らかにする場面でした。
 いや、凡人サリエリという言う方は正しくありません。真の凡人はモーツァルトの偉大さを全く知りません。
 しかし、サリエリは悲しいまでにモーツァルトの天才を知っています。

 死を目前にしたモーツァルトが口述するレクイエムのスコア、それを必死で理解しながらスコアに書き留めていくサリエリ。
 それは、悲しいまでにこの二人の関係を象徴的に表した場面でした。

 神の声が訪れるのはモーツァルトであって、決してサリエリではなく、彼にできるのは、モーツァルトを通して語られる神の声を、ただ必死で理解してそれをスコアに書き写すだけ。
 おそらく、そのような存在として自分を認識することは、「芸術家」として最も辛く、苦痛に充ちたものであったはずです。

 もっとも、そのような辛い認識に到達したのは、コンスタンツェが夫に内緒でサリエリのもとにスコアを持ち込んだときです。しかし、そのような残酷な認識をこれほども見事に映像として提示しているのはこのラストのシーン以外にはありません。
 そして、そのような場面にふさわしい音楽もまた、この「レクイエム」以上のものはちょっと思い当たりません。 


もう少し録音がよければ・・・

これほどまでにドラマティックなレクイエムはちょっと思い当たりません。ただ、ラクリモサが終わると突然に音楽の密度が薄くなるのは演奏のせいではなくて、音楽自体に問題があることはいうまでもありません。
モツレクは、ラクリモサの「アーメン」の絶唱で演奏はやめるべきだと、つくづくと思い知らされます。

昨今の古楽器ブームのおかげで、巷には蒸留水みたいな演奏が闊歩していて、このような熱い演奏は聞くことができなくなりました。今時こんな演奏をした日には「あんた、これはヴェルディのレクイエムじゃないんですよ」などと嫌みをいわれるのが関の山です。

しかし、もう少し録音さえよければ、あらゆるモツレクはこの演奏の前にひれ伏すべきだとユング君は確信します。惜しむらくは録音の貧しさで、とりわけ、肝心の合唱がフォルテになると完全につぶれてしまっています。実に残念です。
ただ、4人のソリストのすばらしい歌声はしっかりと録音されています。70年近くも前の演奏なのですから、まあ贅沢は言わずにそれだけでも良しとすべきなのでしょうね。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



134 Rating: 6.3/10 (307 votes cast)

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント




【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2025-08-14]

ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲&第3幕への前奏曲~従弟たちの踊りと親方達の入場(Wagner:Die Meistersinger Von Nurnberg Prelude&Prelude To Act3,Dance Of The Apprentices)
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)

[2025-08-11]

エルガー:行進曲「威風堂々」第4番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 4 In G Major])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年8月28日~29日録音(Sir John Barbirolli:Philharmonia Orchestra Recorded on August 28-29, 1962)

[2025-08-09]

バッハ:前奏曲とフーガ ホ短調 BWV.533(Bach:Prelude and Fugue in E minor, BWV 533)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)

[2025-08-07]

ベートーベン:交響曲第8番 ヘ長調 作品93(Beethoven:Symphony No.8 in F major , Op.93)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽楽団 1958年録音(Joseph Keilberth:Hamburg Philharmonic Orchestra Recorded on 1958)

[2025-08-05]

ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op. 115(Brahms:Clarinet Quintet in B Minor, Op.115)
(Clarinet)カール・ライスター:アマデウス四重奏団 1967年3月録音(Karl Leister:Amadeus Quartet Recorded on March, 1967)

[2025-08-03]

コダーイ: マロシュセーク舞曲(Zoltan Kodaly:Dances of Marosszek)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1962年11月15日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on November 15, 1962)

[2025-08-01]

ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲(Johann Strauss:Die Fledermaus Overture)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)

[2025-07-30]

エルガー:行進曲「威風堂々」第3番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 3 in C Minor])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)

[2025-07-28]

バッハ:前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.545(Bach:Prelude and Fugue in C major, BWV 545)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)

[2025-07-26]

ベートーベン:交響曲第7番 イ長調 作品92(Beethoven:Symphony No.7 in A major ,Op.92)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Berlin Philharmonic Orchestra Recorded on 1959)