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Massenet
<フランス:1842年〜1912年>
生涯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マスネはフランス、ロワール県モントーで生まれた。モントーは今でこそサン=テチエンヌの都市部の一地区となっているが、当時は辺鄙な小村であった。マスネは1848年、家族とともにパリに移り住み、1853年、11歳でパリ国立高等音楽学校へ入学した。 1862年、カンタータ「ダヴィッド・リッツィオ」(David Rizzio)でローマ賞を受賞、3年をローマで過ごした。初めてのオペラは1867年にオペラ・コミック座で上演した一幕ものの作品であったが、彼がチャイコフスキーやグノーに並ぶ賞賛を勝ちえたのはオラトリオ劇「マグラダのマリア」によってである。
マスネは普仏戦争に兵士として従軍し、その間作曲活動を中断したが、1871年に戦争が終わると、創作活動に復帰した。1878年からはパリ国立高等音楽院の教授を務めた。同音楽院での彼の教え子にはギュスターヴ・シャルパンティエ、レイナルド・アーンやシャルル・ケクランなどがいる。彼の最大の成功は、1884年の「マノン」、1892年の「ウェルテル」と1894年の「タイス」である。特筆すべき後の作品として「ドン・キショット(ドン・キホーテ)」があり、1910年にモンテカルロで初演され、ロシアの伝説的バス歌手フョードル・シャリアピンが主役をつとめた。
マスネはリヒャルト・ワーグナーのライトモティーフの技法を使用したが、これにフランス風の軽妙さを加えており、一部にはこれをやや「甘ったる過ぎる」と敬遠する向きもある。例えば、ドライで真面目であったヴァンサン・ダンディは、マスネが「秘められた、ほとんど宗教的なエロティシズム」un érotisme discret et quasi-réligieuxを用いていると批判している。また心底からマスネの作曲法を嫌ったレオン・ドーデは、マスネのやり方を「コトドリか、尾羽を広げたクジャクの燃え上がる好色さ」に喩えた。 [1]しかし、生涯を通じてマスネは世界で最も人気のある作曲家であったし、その傑作には今日なお色あせない快活さと魅力がある。彼は申し分のないメロディメーカーであり、まさに「舞台人」であり、よきにせよ悪きにせよ、誰が聞いても間違いなく彼の作品だとわかるような強い個性を持った、唯一的な芸術家であった。
オペラの他に、彼はバレエ、オラトリオ、カンタータ、オーケストラ作品、また200以上の歌曲を作曲している。幾つかの作品は広範な人気をもち、今でも頻繁に演奏されている。例えば、バイオリン独奏とオーケストラで演奏される「タイス」の「瞑想曲」は殊に有名であるし、ピアノの練習曲としてよく用いられる、オペラ「ル・シッド」の「アラゴネーズ」やピアノ曲「エレジー」もよく知られる。
ユング君の一言
マスネは19世紀の終わり頃にはその甘美なメロディでとても人気のある作曲家でしたが、今ではほとんど忘れ去られています。ただし、時々「あの人は今?」みたいな感じで蘇演されることはあるので、まるっきりの中味無しの人気作曲家だったわけではありません。最近ではその様な見直しもあって「マノン」などは結構取り上げられる機会が増えているようです。
そんな中で、今でも圧倒的に有名なのがこの「タイスの瞑想曲」です。オペラの方はほとんど演奏されることはありませんが、その劇中で演奏されるこの作品はクラシック音楽に全く興味のない人でも一度は耳にしたことがあるだろうと言うくらい有名です。スッペのところでも書いたことですが、例え1曲でも時代を超えて聞きつがれる作品を生み出したというのは、やはり凄いことなのでしょう。
なお、このタイスの瞑想曲はオペラ『タイース』の第二幕で演奏される音楽です。このオペラは娼婦であるタイスとそのタイスに改心をすすめるキリスト教の修道士アタナエルの物語なのですが、このアタナエルがタイスに改心をすすめて部屋から出て行った後にこの音楽が流れるそうです。(ユング君もこのオペラは聴いたことがないのであくまでも伝聞です・・・^^;)
己の生き方をめぐって揺れるタイスの心の葛藤を表した音楽と言うことらしいです。
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