クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~


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アンケートの結果と考察(--;のようなもの・・・



ブラームス:交響曲第1番(第4位)

  • セル
109
  • フルトヴェングラー
97
  • ベーム
58
  • カラヤン
55
  • ミンシュ
49
  • ザンデルリング
47
  • その他
35
  • ワルター
26
  • 小沢
25
  • ヴァント
25
  • ベイヌム
23
  • バーンスタイン
16
  • ジュリーニ
14
  • バルビローリ
7
  • アバド
5
  • ショルティ
3

投票総数: 594


セルが第1位になっています。
ユング君は自他共に認めるセルファンではあります。セルに関する録音は入手できる範囲では95%程度は手元あり、それらの録音の全てを複数回以上は聞き込んでいます。ですから、セルに関してはそこそこに「良い聞き手」であるという自負があります。その自負にかけて断言しますが、この結果は絶対におかしいです。

確かにセルのブラ1は決して悪い演奏ではありません。一見すると素っ気なくて表情も硬いように見えますが、そのイン・テンポの演奏の中からジワリジワリと深い感興がわき上がってきます。しかし、セルのブラームス演奏の中では決してベストのものではありません。一般的には第3番のシンフォニーをセルのブラームス演奏のベストに推す人が多いようですが、それ以外にもピアノやヴァイオリンのコンチェルトなどでも「伴奏」の領域を超えた圧倒的な演奏を聴かせてくれています。
さらに言えば、ミンシュやフルトヴェングラー、さらにはベームの来日公演を知るものにとっては、それらを押しのけてセルを推挙する自信はいかにセルファンであるユング君でも持ち合わせていません。

おそらく、今回の結果は何らかの「人為的操作」が加わったものだと判断します。
このアンケートに関してはできる限り正確さを保持したいために同一人物による多重投票は排除するようにしていますが、それでも今のネット社会では「限界」があります。このシステムで行っているチェック機能をすり抜けて何らかの「人為的操作」を加える方法の二つや三つはユング君でも簡単に思いつきます。
そして、残されたログを検討してみるとそういう「人為的操作」が加えられたというかなり確かな「根拠」も指摘できます。もちろん、その「根拠」を明らかにすることは、さらに巧妙な人為的操作を誘発するだけですからここでは伏せますが、どうもこの手の「イタチごっこ」はいつまでも続きそうです。
今回はセルの結果に関しては「除外」と言うことでまとめをしておきます。

そうなると、今回もトップはフルトヴェングラーと言うことになります。日本におけるフルトヴェングラー信仰の高さにはただただ驚かされます。もちろん、決して悪い演奏ではありませんから、それらが高く評価されるのは当然のことなのですが、それでも心のどこかに「いつまでもフルトヴェングラーでいいのかな?」という不安がかすめるのは私だけでしょうか。そして、そこまでフルトヴェングラーを評価するならば、録音の質も考え合わせて何故にミンシュではいけないのか?と思うのはユング君だけでしょうか?
指揮者に関するアンケートでも述べたことなのですが、今の若い人にとってミンシュなんて言っても、「それ、誰?」と言われるのがオチなんでしょうか?
さらに言えば、ブラームスをベームのように演奏するのをもっと評価してもいいのではないでしょうか?あの来日公演を聞けば、あれ以上のブラームスはちょっと想像できないと言うのはユング君の独りよがりでしょうか?

とはいえ、ミンシュもベームもともに50票以上も入ったのですから、地盤沈下の激しい二人にしては大健闘の部類には入るのでしょう。
そして、ここでもしぶとく上位に顔を出しているのがカラヤンです。凄いと言わざるを得ません。

<寄せられたコメントより>

「この曲は、ブラームスが感じてたであろうシューマンというプレッシャーに必死戦った勝利宣言ではないかとたまに思います。フルトヴェングラーが指揮するベルリンフィルの音色は、そんな勝利の中にある一抹の寂しさとマッチしている(特にホルン)ように聴こえてくるのです。そんなわけで、フルトヴェングラーに一票。」

「DGから出ていた52年・ティタニアパラストライヴが、僕にとってのベスト盤です。物凄い求心力でオケをドライヴしますが、破綻がありません。学生時代、中古で買ったレコードのジャケットは、フルトヴェングラーを真中に孔雀の文様を両端にあしらったもので、アールヌーボ調な感じが今でもお気に入りです(笑)「この演奏の音質に物足らなかったらミュンシュ・パリ管を」というのをよく聞きますが、明るい響きは今一つブラームスにそぐわない気がします。ちょいと話がそれますが、同じ年(52年)のヴィーンフィルライヴでは、ウラッハ先生のソロが聴けます。メッチャ巧い!! 鳥肌ものです。」

「 フルトヴェングラーに一票。特に’52年のベルリンでのライヴは、冒頭のティンパニが素晴らしい!!あの一瞬だけでもあの演奏に無限の価値があります!!」

「この曲の素晴らしさを教えてくれたのは、ベームが指揮したベルリンフィルとのスタジオ録音盤でした。(会場にいたわけではないですが)1975年の来日公演のライヴでは、これ以上の演奏を聴くことはもうないだろうと思いました。ところが翌年にフルトヴェングラーの1952年ティタニアパラストでのライヴが発売され、やはりフルトヴェングラーに軍配を揚げる事になってしまいました。当時、福永陽一郎氏が「冒頭のティンパニの音を聴いただけで・・・」と絶賛したのに『わが意を得たり』と得心したことを懐かしく思い出します。他にも「英雄」と同じく冒頭に独特な雰囲気を持つケンペ、悠揚迫らざるジュリーニ・ロスフィルの演奏も忘れがたい一枚ですし、、原点回帰というのでしょうかベームのスタジオ盤を選びたい思いも強かったのですが、セルの後塵を拝していることも鑑みて今回はフルトヴェングラーに一票を投じました。」

やはりフルヴェンへのオマージュはいつもアツイのです。

「高校時代(1960年代)、レコードが擦り切れてしまうまで聴き今でも脳裏に焼き付いています。特に終楽章は余人の追随を許さない、圧巻です。その人は,Beinum!」

「意外にもベイヌムが」苦戦しています。指揮者の偉大さを測る尺度は、どの作品に付き極限の完成度を極めたか、ではないでしょうか?例えば、クリュイタンスの「幻想&ダフニス」、ムラヴィンスキーの「ルスランとリュドミラ」も。」

「学生時代に聞いたモノラルのベイヌム、コンセルトヘボウ・オーケストラの演奏が今でも忘れられません。ベイヌムに一票入れます。」
熱いコメントは寄せられたのですが、ベイヌムは大苦戦でした。

「1975年の来日公演に1票。ベームの長い指揮者人生の中でも「最高」の部類に属する演奏だったはずです。なぜって?あの気むずかしいベームが、「ウィーン・フィルと言うのはどういうオーケストラですか?」と聞かれて「このようなブラームスが演奏が出来るオケだ」と答えたぐらいなのですから。」

「ミュンシュの演奏は色々いわれるかもしれませんが、この曲の特徴や魅力を、これほど明確に表現した演奏は他にないと思います。その対極にあるのがヨッフムで、自然な、深い呼吸からの演奏は、空から振ってくるような印象。ミュンシュの演奏の解毒剤として効果的です。」

「ブロムシュテッドです。派手さはないけど本当に何度聞いてもいい。」

「「その他」でムラヴィンスキーに一票。彼の冷徹で完璧なアンサンブルには頭が下がります。」

「チェリビダッケをぜひ。二十数年前,FM放送で聞いたライブで,第3楽章の中間部の目茶苦茶遅いテンポに打ちのめされた。それ以来他の指揮者の演奏が生ぬるく感じられてしまう様になってしまった。」

ちなみに、ユング君がライブで聞いた最高のブラ1は、テンシュテットの初来日の時に大阪のフェスティバルホールで聴いたもの。このときの演奏会はマーラーの5番が有名ですが、個人的にはその翌日に演奏されたブラ1が強く印象に残っています。そして、彼のことをフルトヴェングラーの再来と評したイギリスの人々の言葉を深く納得した演奏でした。ただ、残念なのは一般に流布しているスタジオ録音からはライブのテンシュテットの凄味が全くスポイルされていることです。

さて、次回からはいよいよベスト3に突入します。
いたずらに負けないで根性でこのアンケートを続けていきたいと思います。

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