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フェリックス・ワインガルトナー(Felix Weingartner) |ベートーベン:交響曲第9番 ニ短調
ベートーベン:交響曲第9番 ニ短調
ワインガルトナー指揮 ウィーン・フィル 1935年2月2日〜4日録音
Beethoven:交響曲第9番 ニ短調 「第1楽章」
Beethoven:交響曲第9番 ニ短調 「第2楽章」
Beethoven:交響曲第9番 ニ短調 「第3楽章」
Beethoven:交響曲第9番 ニ短調 「第4楽章」
何かと問題の多い作品です。
ベートーベンの第9と言えば、世間的にはベートーベンの最高傑作とされ、同時にクラシック音楽の最高峰と目されています。そのために、日頃はあまりクラシック音楽には興味のないような方でも、年の暮れになると合唱団に参加している友人から誘われたりして、コンサートなどに出かけたりします。
しかし、その実態はベートーベンの最高傑作からはほど遠い作品であるどころか、9曲ある交響曲の中でも一番問題の多い作品なのです。さらに悪いことに、その問題点はこの作品の「命」とも言うべき第4楽章に集中しています。
そして、その様な問題を生み出している原因は、この作品の創作過程にあります。
この第9番の交響曲はイギリスのフィルハーモニア協会からの依頼を受けて創作されました。しかし、作品の構想はそれよりも前から暖められていたことが残されたスケッチ帳などから明らかになっています。
当初、ベートーベンは二つの交響曲を予定していました。
一つは、純器楽による今までの延長線上に位置する作品であり、もう一つは合唱を加えるというまったく斬新なアイデアに基づく作品でした。後者はベート−ベンの中では「ドイツ交響曲」と命名されており、シラーの「歓喜によせる」に基づいたドイツの民族意識を高揚させるような作品として計画されていました。
ところが、何があったのかは不明ですが、ベートーベンはまったく異なる構想のもとにスケッチをすすめていた二つの作品を、何故か突然に、一つの作品としてドッキングさせてフィルハーモニア協会に提出したのです。
そして出来上がった作品が「第九」です
交響曲のような作品形式においては、論理的な一貫性は必要不可欠の要素であり、異質なものを接ぎ木のようにくっつけたのでは座り心地の悪さが生まれるのは当然です。もちろん、そんなことはベートーベン自身が百も承知のことなのですが、何故かその様な座り心地の悪さを無視してでも、強引に一つの作品にしてしまったのです。
年末の第九のコンサートに行くと、友人に誘われてきたような人たちは音楽が始まると眠り込んでしまう光景をよく目にします。そして、いよいよ本番の(?)第4楽章が始まるとムクリと起きあがってきます。
でも、それは決して不自然なことではないのかもしれません。
ある意味で接ぎ木のようなこの作品においては、前半の三楽章を眠り込んでいたとしても、最終楽章を鑑賞するにはそれほどの不自由さも不自然さもないからです。
極端な話前半の三楽章はカットして、一種のカンタータのように独立した作品として第四楽章だけ演奏してもそれほどの不自然さは感じません。そして、「逆もまた真」であって、第3楽章まで演奏してコンサートを終了したとしても、〜聴衆からは大ブーイングでしょうが・・・〜これもまた、音楽的にはそれほど不自然さを感じません。
ですから、一時ユング君はこのようなコンサートを想像したことがあります。
それは、第3楽章と第4楽章の間に休憩を入れるのです。
前半に興味のない人は、それまではロビーでゆっくりとくつろいでから休憩時間に入場すればいいし、合唱を聴きたくない人は家路を急げばいいし、とにかくベートーベンに敬意を表して全曲を聴こうという人は通して聞けばいいと言うわけです。
これが決して暴論とは言いきれないところに(言い切れるという人もいるでしょうが・・・^^;)、この作品の持つ問題点が浮き彫りになっています。
ベートーベン演奏の原点とも言うべき録音
ベートーベンの交響曲を全曲録音したのはこのワインガルトナーが最初です。その意味では、今日に至るベートーベン演奏の原点としての意味を持ちます。
しかし、録音はお世辞にも良好とは言い難いものですし、演奏そのものもこれに続くトスカニーニやフルトヴェングラーという錚々たる面々の演奏をすでに知っている耳にとっては取り立てて評価すべきものが乏しいと言わざるを得ません。
それでも、是非ワインガルトナーの録音をアップしてほしいという声が多く寄せられます。
おそらくは、演奏を「楽しみたい」と言うよりは、原点としての歴史的価値を一度は耳で「確かめてみたい」という思いなのでしょう。
ユング君のサイトは数はそろっているけれども音質はいまいちとよく言われます。確かに30年代から40年代の録音は、昨今の最新録音になじんだ耳にはいささか厳しいものがあることは事実です。ですから、最近は基本的に50年代以降の録音を中心にアップしてきました。良質なモノラル録音は最近の録音と比べても遜色ないほどの素晴らしさがあります。ユング君としては、そう言う良質なモノラル録音をアップするたびに「どうだ、これでもうユング君のサイトは音が悪い・・・とは言わせないぞ!!」なんどと一人で力みかえっています。(^^;
そんな努力(?)を積み重ねている最中に、いかに歴史的価値があるとは言え、20年代から30年代にかけて録音された演奏をアップすることには躊躇いを感じていました。
これが、例えばコルトーとティボーによるフランクのヴァイオリンソナタのように、演奏そのものにも価値があるなら問題はないのですが、ワインガルトナーのベートーベンにその様な価値を見いだす人はほとんどいないでしょう。
そんなわけで、要望が多く寄せられるのにも関わらず、どうしてもアップする気になれないでズルズルと先延ばしになっていました。
でも、あれこれ考えあぐねた末に、ついにアップする決心をしました。
結論から言えば、「実際の演奏を一度は耳で確かめては見たけれどCDを買い込んでまでも聞いてみる気にはなれない」というユーザー側の正直な気持ちに応えるべきだと判断したと言うことです。そして、ユング君のサイトのようなところで、そう言う類の録音をまとめてアップしておくというのも意味のあることかもしれないと思い直した次第です。
もちろん、これからも新しくパブリックドメインの仲間に入った録音・演奏ともに良質なものをアップしていくことが基本にはなるのですが、演奏史を振り返る意味で歴史的な価値があるものは録音に難点があってもアップしていこうと思います。
と言うことで、話は全くワインガルトナーには関係のないことばかりになったのですが、この録音に関しては以下のサイトに詳しい解説が載っております。
私が下らぬ事を長々と書き散らすよりは、こちらをご覧あれ。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/7792/weingartner.html
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よせられたコメント 2016-12-05:松見敬三 思春期にSP版をとっかえひっかえして聴いたものです。
13枚ですから掛けたり裏にしたり26回ということ。
歌詞のドイツ語を知りたくて大学はドイツ語科へ。
人生をある程度決めた演奏です。
50年ぶりに聴きました。
アップしてくれてありがとう。
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