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Home|フェリックス・アーヨ(Felix Ayo)|ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 「喜び」 Op. 8, No. 6, RV 180(Vivald:Violin Concerto in C Major, Op. 8, No. 6, RV 180, "Il piacere")

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 「喜び」 Op. 8, No. 6, RV 180(Vivald:Violin Concerto in C Major, Op. 8, No. 6, RV 180, "Il piacere")

(Vn)フェリックス・アーヨ:イ・ムジチ合奏団 1961年9月20日~28日録音(Felix Ayo:Musici, I Recorded on September 20-28, 1961)

Vivald:Violin Concerto in C Major, Op. 8, No. 6, RV 180, "Il piacere" [1.Allegro]

Vivald:Violin Concerto in C Major, Op. 8, No. 6, RV 180, "Il piacere" [2.Largo e cantabile]

Vivald:Violin Concerto in C Major, Op. 8, No. 6, RV 180, "Il piacere" [3.Allegro]


相反する二つの要素を融合

「和声と創意の試み」ヴィヴァルディが1725年に出版した全12曲からなるヴァイオリン協奏曲集です。その中の最初の4曲は「四季」と言う名前で認知度は抜群なのですが、残りの8曲となると全くのマイナー曲になります。
しかし、ヴィヴァルディが書いたのはあくまでも12曲からなる 「和声と創意の試み」であって、「春」「夏」「秋」「冬」というのは、あくまでも最初の4曲につけたタイトルでした。ヴィヴァルディにはその4曲をセットとして「四季」などと言う作品を書いた覚えはなかったはずです。

全12曲の協奏曲で構成された「和声と創意の試み」は大半がヴァイオリン独奏と弦楽合奏、通奏低音のために書かれています。
「和声」とは「伝統的な音楽のルール」であって、「創意」とは「自由な独自のアイデア」と言うような意味合いをもっていたようです。彼はその相反する二つの要素を融合させるという思いがあったのでしょう。
この曲集の特徴は各楽曲には「ソネット(詩)」が書き込まれていることです。そして、そのソネットに添って自然の情景や人々の営みを音でリアルに表現しています。


  1. 全12曲の構成

  2. 第1番 ホ長調 RV 269 「春」

  3. 第2番 ト短調 RV 315 「夏」

  4. 第3番 ヘ長調 RV 293 「秋」

  5. 第4番 ヘ短調 RV 297 「冬」

  6. 第5番 変ホ長調 RV 253 「海の嵐」

  7. 第6番 ハ長調 RV 180 「喜び」

  8. 第7番 ニ短調 RV 242 「ピゼンデル氏のための協奏曲」

  9. 第8番 ト短調 RV 332

  10. 第9番 ニ短調 RV 236 (オーボエ協奏曲としても演奏されます)

  11. 第10番 変ロ長調 RV 362 「狩り」

  12. 第11番 ニ長調 RV 210

  13. 第12番 ハ長調 RV 178 (オーボエ協奏曲としても演奏されます)


ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 「喜び」 Op. 8, No. 6, RV 180



  1. 第1楽章:Allegro
    眩しい太陽の光が降り注ぐような、圧倒的な明るさを持つ楽章です。合奏と独奏が交互に現れるバロック期の形式で書かれています。
    冒頭、合奏による全員でのテーマは、シンプルでありながら一瞬で聴き手をワクワクさせるエネルギーに満ちています。
    その後に登場するソロ・ヴァイオリンは、細かく跳ねるような音符やアルペジオを駆使し、まさに「喜び」に駆られてステップを踏んでいるかのような軽快な超絶技巧を披露します。

  2. 第2楽章:Largo e cantabile前後の楽章とは対照的に、しっとりとした情緒を纏ったカンタービレ)の楽章です。
    調性も平行調のイ短調へと移り、少し哀愁を帯びた、しかし決して暗くなりすぎない優美な世界観が広がります。
    ソロ・ヴァイオリンが主役となり、まるでイタリア・オペラのアリアを歌い上げるかのように、長くて美しいメロディを朗々と奏でます。
    バックのオーケストラは控えめな伴奏に徹し、ソロの繊細な表情の変化を引き立てます。バロック音楽らしい、装飾音による即興的な美しさが映える楽章です。

  3. 第3楽章:Allegro
    再びハ長調に戻り、輝かしいフィナーレを飾る躍動的な楽章です。
    3拍子の軽快なリズムに乗せて、音楽が疾走します。第1楽章よりもさらにテンポが速く感じられるような、リズミカルで快活なテーマが特徴です。
    ソロ・ヴァイオリンの技巧的なパッセージが次々と現れ、オーケストラと対話するように激しく掛け合います。
    最後はすべての楽器が一体となり、最高潮の「喜び」の余韻を残したまま、力強く華やかに全曲を締めくくります。




マリノ・カピキオーニ

フェリックス・アーヨはイ・ムジチ合奏団は創設期の中心メンバーであり、初代コンサートマスターとして合奏団をリードしていった存在です。

彼らが1959年に録音したヴィヴァルディの「四季」はいまさらふれる必要もないほどの世界的な大ベストセラーとなりました。
ここで取り上げている協奏曲集「調和の霊感(L'estro armonico)作品3」は「四季」以外の協奏曲も紹介しようという事で1961年に録音されたもののようです。

もちろん、「四季」ほどには売れなかったのは仕方がありません。しかし、フェリックス・アーヨの美音をたっぷりと楽しめる優れモノの録音です。

フェリックス・アーヨはスペイン・バスク地方出身で、これまたよくあるように「神童」として頭角を現したヴァイオリニストです。
スペインのセスタオに生まれ、ビルバオ音楽院をわずか14歳で最優秀の成績で卒業して「神童」と呼ばれたようです。
その後、パリ、シエナを経て、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアで名師レミジオ・プリンチーペに師事しました。

そして、1951年、18歳でイ・ムジチ合奏団の創設に参加し、初代コンサートマスターを務めるようになったわけです。
彼のヴァイオリンの美質は、美しく、気品に満ちたカンタービレにあります。
そして、その美音を支えたのが名器「マリノ・カピキオーニ」でした。

アーヨは1955年のモノラルでの「四季」の録音では友人のカピキオーニ(1939年製)を借用していました。
そして、その響きを深く気にいったアーヨはり、翌年に自身専用のマリノ・カピキオーニ(1956年製)を特注しました。
以降17年以上にわたり、この楽器をメインとして数々の名盤を残しました。

ヴァイオリンといえば猫も杓子も「ストラディヴァリウス」という風潮の中で、それは凄い選択だと言わざるを得ません。
誰も彼もが「ストラディヴァリウス」をほしがる中でフェリックス・アーヨは、あえて20世紀イタリアの現代名工マリノ・カピキオーニ(1956年製)を特注し、生涯の相棒としたのです。
ストラディヴァリウスの華やかな輝きとは一味違う、アーヨならではの「温かく、シルクのように艶やかなモダン・イタリアンの響き」は、このカピキオーニだからこそ生まれたものでした。

当然の事ながら、「調和の霊感」もまた「マリノ・カピキオーニ」で演奏しています。そう思って聞いてもらえば、また感じるものがあるのではないでしょうか。

この演奏を評価してください。

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