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トスカニーニ|レスピーギ:ローマの松
レスピーギ:ローマの松
トスカニーニ指揮 ニューヨークフィル 1945年1月13日録音
Respighi:ローマの松
オーケストレーションの達人

レスピーギという人、オーケストレーションの達人であることは間違いはありません。
聞こえるか、聞こえないかの微妙で繊細な響きから、おそらくは管弦楽曲史上最大の「ぶっちゃきサウンド」までを含んでいます。言ってみれば、マーラーの凶暴さとドビュッシーの繊細さが一つにまとまって、そして妙に高度なレベルで完成されています。
しかし、この作品、創作された年代を眺めてみると、色々な思いがわき上がってきます。
最初に作られたのが、「ローマの噴水」で1916年、次が「ローマの松」で1924年、そして「ローマの祭り」が1928年となっています。
要は後になるほど、「ぶっちゃき度」がアップしていき、最後の「ローマの祭り」の「主顕祭」ではピークに達します。そこには、最初に作られた「ローマの噴水」の繊細さはどこにもありません。
そのあまりの下品さに、これだけは録音しなかったカラヤンですが、分かるような気がします。
そう言えば、どこかの外来オケの指揮者がこんな事を言っていましたね。
「どんなにチンタラした演奏でも、最後にドカーンとぶっ放せば、日本の聴衆はそれだけでブラボーと叫んでくれる」
しかし、これは日本だけの現象ではないようです。
どうも最後がピアニッシモで終わる曲はプログラムにはかかりにくいようです。(例えば、ブラームスの3番。3楽章はあんなに有名なのに、他の3曲と比べると取り上げられる機会が大変少ないです。これは明らかに終楽章に責任があります)
この3部作の並びを見ていると、受けるためにはこうするしかないのよ!と言いたげなレスピーギの姿が想像されてしまいます。
それから、最後に余談ですが、レスピーギはローマ帝国の熱烈な賛美者だったそうです。この作品の変な魅力は、そういう超アナクロの時代劇が、最新のSFXを駆使して繰り広げられるような不思議なギャップにあることも事実です。
ちなみに彼は自分の作品にこんな解説をつけています。
第1楽章
ボルゲーゼ荘の松の木の下で子供たちが遊んでいる。子供たちは輪になって踊り、兵隊の真似をし、行進したり、戦争ごっこをする。子供たちは、自分たちの叫び声に酔い、大空の下で駆け回り、夕暮れに帰る燕のように群をなして退散して行く。情景が突然変わる。
第2楽章
カタコンバに入る道の両側に立ち並ぶ松の木かげ。墓地の奥底から悲しげな声が上って来て、荘重な聖歌のように拡がり、やがて神秘的に消えて行く。』
第3楽章
大気(風)がゆらいで走る。ジャニコロの丘の松が、清らかな月光に浮かび上がる。ナイチンゲールが鳴く。
第4楽章:
霧に包まれたアッピア街道の朝明け。高い松並木の陰に、静かな平原の景色が見える。突如として、多数の兵士の足音の響きが、絶え間無いリズムをとって聞えて来る。古代の栄光が詩人の幻想に蘇える。
ラッパの音がとどろき、太陽の光が射すとともに、執政官の軍隊が現われ、聖なる街道を行進して、首都へ凱旋していく。
トスカニーニの18番
ある人曰く、「おそらくトスカニーニは、レスピーギのローマの松と、メンデルゾーンのイタリアだけで歴史に名を残せるだろう。」
この意見にユング君も同感です。それほどに、この二つの作品に関しては絶対的な高みを示しています。
トスカニーニはこの作品を何度も演奏し録音もたくさん残っています。有名なのは、1952年3月22日のカーネギーホールでのライブ録音でしょうが、このニューヨークフィルとのライブも壮絶です。俗な言い方ですみませんが、まさにローマ正規軍団が鋼鉄の甲冑を煌めかせて通り過ぎていくような演奏です。
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