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ヴァルヒャ(Helmut Walcha)|バッハ:6つのコラール集(シューブラー・コラール集)
バッハ:6つのコラール集(シューブラー・コラール集)
ヴァルヒャ:1947年録音
Bach:6つのコラール「第1曲」 BMW645
Bach:6つのコラール「第2曲」 BMW646
Bach:6つのコラール「第3曲」 BMW647
Bach:6つのコラール「第4曲」 BMW648
Bach:6つのコラール「第5曲」 BMW649
Bach:6つのコラール「第6曲」 BMW650
もっとも人気のある親しみやすいコラール曲集

モーツァルトにおけるピアノ作品が往々にして彼の独白であったように、バッハにとってのオルガンというのは、彼の率直な感情がもっとも素直に吐露されている楽器だといえます。
バッハにとってオルガン作品というのはその役割から考えて三つのカテゴリーに分けることができます。
1.教会オルガニストとしての職務のための作品(コラール)
2.演奏を目的としたより自由な形式のオルガン作品
3.教育を目的とした作品
この中でもっとも数が多く、バッハがその生涯において常に手がけ続けたのが第1のオルガン・コラールです。その数は現時点で判明しているもので200を超えるといわれています。
バッハのオルガン・コラールは青年時代の規模が大きく複雑な形式のものから、年を経るにつれてよりシンプルで緊密な構造を持ったものに変化していったといわれています。ところが、この「シューブラー・コラール集」と呼ばれる6つのコラールはバッハの晩年に位置する作品ですが、それまでの厳格なたたずまいとは一転して、非常に親しみやすく演奏も容易な作品となっています。
それは、このコラール集がもともとオルガン・コラールとして作曲されたのではなくて、当時人気の高かった教会カンタータの中から「おいしい」ところをを抜き出してオルガンにおきかえた作品だからです。教会カンタータの中で人気の高かったメロディをしっかりと歌い上げながら、そこへ優雅なオブリガードで縁取っていくというやりかたは非常に優美であり親しみやすい形式です。
また、演奏そのものの比較的容易であるということもあって、バッハのオルガン・コラールの中ではもっとも人気があり親しまれている曲集です。
BWV645:目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声
BWV646:われはいずこに逃れゆくべきか
BWV647:尊き御神の統べしらすままにまつろい
BWV648:わが心は主をあがめ
BWV649:ああ、われらとともに留まりたまえ、主イエス・キリストよ
BWV650:イエスよ、汝いまぞ御空より下りたまい
これもまた一つのスタンダードとして聞いておいた方がいいのかもしれません
バッハのオルガン作品というのはシュヴァイツァーに代表されるようにきわめてロマンチックに演奏されていました。その様なロマン主義的歪曲からバッハのオルガン作品を救い出したのがヴァルヒャでした。
彼はどこかでリストのオルガン作品は好きではないと述べていました。それほどまでに、外面的効果で作品を彩ることを本能的なまでに拒絶した演奏家でした。
ですから、彼のバッハ演奏は厳格で峻厳なものとならざるを得ず、感覚的なヨロコビというものとは無縁なものでした。
その意味では、ヴァルヒャによるバッハ演奏は今でも一つのスタンダードとしての存在価値は失っていないと言えます。
しかし、そういうヴァルヒャの演奏に対して、ユング君はかつてこのように書いたことがあります。
「しかし、今になってみると「厳格」さと「「つまらなさ」は紙一重だと思わされます。
とりわけ年を重ねるとバッハを厳格さ一本槍の音楽として把握することに抵抗を覚えるようになってきて、そうなるとこのヴァルヒャのような演奏は今ひとつ物足りなさを感じてしまうことは事実です。」
実際、このような作品の場合はその思いはより強くなります。
例えば、有名な「BWV645:目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」では、ぶっきらぼうといえるまでに堅いリズムで、意図的とも言えるほどに素っ気なく演奏していますが、何もそこまで意地になることもないだろうと思ってしまいます。
こういう作品であるならば、もう少しにこやかに愛想というものがあってもいいような気がするのですがいかがなもんでしょうか?最近では、ヴァルヒャに対する評価下がりつつあるようなのですが、それはバッハを厳格さ一本槍で演奏することへの疑問の現れかもしれません。
この辺はバッハ演奏の根幹に関わる問題ですから、一度きちんと問い直す必要があるのかもしれません。
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よせられたコメント
2012-02-12:richrichrich
- パイプオルガンの音がすばらしく、曲も聴きやすく落ち着きます。
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