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ブラームス:交響曲第2番

メンゲルベルグ指揮:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1940年録音



Brahms:交響曲第2番「第1楽章」

Brahms:交響曲第2番「第2楽章」

Brahms:交響曲第2番「第3楽章」

Brahms:交響曲第2番「第4楽章」


ブラームスの「田園交響曲」

ブラームスが最初の交響曲を作曲するのに20年以上も時間を費やしたのは有名な話ですが、それに続く第2番の交響曲はその一年後、実質的には3ヶ月あまりで完成したと言われています。ブラームスにとってベートーベンの影がいかに大きかったかをこれまた物語るエピソードです。

第2番はブラームスの「田園交響曲」と呼ばれることもあります。それは明るいのびやかな雰囲気がベートーベンの6番を思わせるものがあるかです。

ただ、この作品はこれ単独で聞くとあまり違和感を感じないでのですが、同時代の他の作品と聞き比べるとかなり古めかしい装いをまとっています。この10年後にはマーラーが登場して第1番の交響曲を発表することを考えると、ブラームスの古典派回帰の思いが伝わってきます。
オケの編成を見ても昔ながらの二管編成ですから、マーラーとの隔絶ぶりはハッキリしています。
とは言え、最終楽章の圧倒的なフィナーレを聞くと、ちらりと後期ロマン派の顔がのぞいているように思うのはユング君だけでしょうか。


骨太のロマンティシズム

メンゲルベルグは1895年にわずか24歳という年齢でアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の常任指揮者に就任しました。(ついでながら、ナチスへの協力の罪でその座を追われる1945年までの50年間!!、その地位に君臨していました。)
ブラームスという人は作品の雰囲気が古いためにずいぶん昔のような人の気がするのですが、この1895年という年はまだ存命中でした。ということは、メンゲルベルグにとってはブラームスという人は同時代の音楽家という捉え方をしていたのだろうと思われます。この辺が、同時代の大指揮者のように思われるフルトヴェングラーなどとはちょっと違うところでしょうか。
ちなみにフルトヴェングラーは1886年の生まれで、1905年にブレスラウ市立歌劇場のコレペティトゥール(練習指揮者)として、音楽家のキャリアをスタートさせています。

メンゲルベルグという人は私の誤解かもしれませんが、このような4楽章構成の交響曲だと、その両端楽章は意外なほどに剛直な音楽作りをするように聞こえます。しかし、それらに挟まれた真ん中の楽章は「恣意的」といっては失礼でしょうが、実に曲線的な音楽作りをするように聞こえます。
ただし、このブラームスの2番に関して言うとそういう恣意的な面はあまり前面には出てこないので、両端楽章の実に男っぽい剛直な音楽が印象的です。
バックにノイズは盛大にのっていますが、オケの音は実に艶やかに収録されています。今は失われてしまったコンセルトヘボウならではなの低域のがっしりとした音色も実に魅力的に録音されているという意味でも、なかなかに魅力的な演奏だといえます。

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