Home|
トスカニーニ(Arturo Toscanini)|ベートーベン:交響曲第2番
ベートーベン:交響曲第2番
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1951年10月5日&1949年11月7・9日録音
Beethoven:交響曲第2番「第1楽章」
Beethoven:交響曲第2番「第2楽章」
Beethoven:交響曲第2番「第3楽章」
Beethoven:交響曲第2番「第4楽章」
ベートーベンの緩徐楽章は美しい。

これは以外と知られていないことですが、そこにベートーベンの知られざる魅力の一つがあります。
確かにベートーベンが最もベートーベンらしいのは驀進するベートーベンです。
交響曲の5番やピアノソナタの熱情などがその典型でしょうか。
しかし、瞑想的で幻想性あふれる音楽もまたベートーベンを構成する重要な部分です。
思いつくままに数え上げても、ピアノコンチェルト3番の2楽章、交響曲9番の3楽章、ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス、ヴァイオリンソナタのスプリング、そしてピアノソナタ、ハンマークラヴィーアの第3楽章。
そう言う美しい緩徐楽章のなかでもとびきり美しい音楽が聞けるのが、交響曲第2番の第2楽章です。
ベートーベンの交響曲は音楽史上、不滅の作品と言われます。しかし、初期の1番・2番はどうしても影が薄いのが事実です。
それは3番「エロイカ」において音楽史上の奇跡と呼ばれるような一大飛躍をとげたからであり、それ以後の作品と比べれば確かに大きな落差は否めません。しかし、ハイドンからモーツァルトへと引き継がれてきた交響曲の系譜のなかにおいてみると両方とも実に立派な交響曲です。
交響曲の1番は疑いもなくジュピターの延長線上にありますし、この第2番の交響曲はその流れのなかでベートーベン独自の世界があらわれつつあります。
特に2番では第1楽章の冒頭に長い序奏を持つようになり、それが深い感情を表出するようになるのは後年のベートーベンの一つの特徴となっています。また、第3楽章はメヌエットからスケルツォへと変貌を遂げていますが、これもベートーベンの交響曲を特徴づけるものです。
そして何よりも第2楽章の緩徐楽章で聞ける美しいロマン性は一番では聞けなかったものです。
しかし、それでも3番とそれ以降の作品と併置されると影が薄くなってしまうのがこれらの作品の不幸です。第2楽章で聞けるこの美しい音楽が、影の薄さ故に多くの人の耳に触れないとすれば実に残念なことです。
後期の作品に聞ける深い瞑想性と比べれば甘さがあるのは否定できませんが、そう言う甘さも時に心地よく耳に響きます。
もっと聞かれてしかるべき作品だと思います。
端正ではあるが、緊張感のみなぎった演奏
雰囲気的には古楽器による演奏を連想させるような風情があります。ただ、楽器間のバランスはキチンととれているので内声部からピーヒャララと管楽器の音ばかりがやけに耳につくということはありません。
ただ、個人的にはいささか緊張感が強すぎて、この作品の演奏としては、その立派さは認めながらも、ちょっと楽しめない面もあるのは事実です。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
347 Rating: 5.2/10 (197 votes cast)
よせられたコメント
2011-03-01:U-dan
- この演奏を聞くまでは、ベートーヴェンの2番って何だか、綺麗だけどつまんないなって感じだったんですが、これを聴いてその考えが一変しました。こんなに迫力があって、楽しい曲だったとは! ただ、トスカニーニにしては若干爽やかさが足りなくも無い気はしますが、それ以上にこの曲の魅力を伝える名演だと思います。
【最近の更新(10件)】
[2025-04-30]

ショパン:ノクターン Op.37&Op.48(Chopin:Nocturnes for piano, Op.37&Op.48)
(P)ギオマール・ノヴァエス:1956年発行(Guiomar Novaes:Published in 1956)
[2025-04-27]

ロッシーニ:管楽四重奏曲第6番 ヘ長調(Rossini;Quatuor No.6 in F major)
(fl)ジャン- ピエール・ランパル (cl)ジャック・ランスロ (hrn)ジルベール・クルシエ (basson)ポール・オンニュ 1963年初出((fl)Jean-Pierre Rampal (cl)Jacques Lancelotelot (basson)Paul Hongne (hrn)Gilbert Coursier Release on 1963)
[2025-04-25]

ブラームス:交響曲第2番 ニ長調, 作品73(Brahms:Symphony No.2 in D major, Op.73)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団 1962年録音(Joseph Keilberth:Berlin Philharmonic Orchestra Recorded on 1962)
[2025-04-22]

ロッシーニ:管楽四重奏曲第5番 ニ長調(Rossini;Quatuor No.5 in D major )
(fl)ジャン- ピエール・ランパル (cl)ジャック・ランスロ (hrn)ジルベール・クルシエ (basson)ポール・オンニュ 1963年初出((fl)Jean-Pierre Rampal (cl)Jacques Lancelotelot (basson)Paul Hongne (hrn)Gilbert Coursier Release on 1963)
[2025-04-19]

ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調, Op.68(Brahms:Symphony No.1 in C Minor, Op.68)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団 1951年録音(Joseph Keilberth:Berlin Philharmonic Orchestra Recorded on 1951)
[2025-04-16]

モーツァルト:弦楽四重奏曲第23番 ヘ長調 K.590(プロシャ王第3番)(Mozart:String Quartet No.23 in F major, K.590 "Prussian No.3")
パスカル弦楽四重奏団:1952年録音(Pascal String Quartet:Recorded on 1952)
[2025-04-12]

ロッシーニ:管楽四重奏曲第4番 変ロ長調(Rossini;Quatuor No.4 in B flat major)
(fl)ジャン- ピエール・ランパル (cl)ジャック・ランスロ (hrn)ジルベール・クルシエ (basson)ポール・オンニュ 1963年初出((fl)Jean-Pierre Rampal (cl)Jacques Lancelotelot (basson)Paul Hongne (hrn)Gilbert Coursier Release on 1963)
[2025-04-09]

ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 作品27(Rachmaninoff:Symphony No.2 in E minor, Op.27)
アルトゥール・ロジンスキ指揮:ニューヨーク・フィルハーモニック 1945年1月15日録音(Artur Rodzinski:New York Philharmonic Recorded on January 15, 1945)
[2025-04-06]

ロッシーニ:管楽四重奏曲第1番 ヘ長調(Rossini;Quatuor No.1 in F major)
(fl)ジャン- ピエール・ランパル (cl)ジャック・ランスロ (hrn)ジルベール・クルシエ (basson)ポール・オンニュ 1963年初出((fl)Jean-Pierre Rampal (cl)Jacques Lancelotelot (basson)Paul Hongne (hrn)Gilbert Coursier Release on 1963)
[2025-04-02]

モーツァルト:セレナーデ第13番ト長調, K.575 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(Mozart:Serenade in G Major, K.525 "Eine kleine Nachtmusik")
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バンベルク交響楽団 1959年録音(Joseph Keilberth:Bamberg Symphony Recorded on 1959)