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テレマン:トリオ・ソナタ ホ長調 TWV 42:E4

(Fl)ジャン=ピエール・ランパル (oboe)ピエール・ピエルロ (vn)Robert Gendre (Harpsichord)ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(パリ・バロック・アンサンブル) 1963年3月7日&14日録音

Telemann:Trio in E major, TWV 42:E4 for flute, violin and continuo [1.Soave]

Telemann:Trio in E major, TWV 42:E4 for flute, violin and continuo [2.Presto]

Telemann:Trio in E major, TWV 42:E4 for flute, violin and continuo [3.Andante]

Telemann:Trio in E major, TWV 42:E4 for flute, violin and continuo [4.Scherzando]


響きの面白さを堪能できる「クヮトゥオル」

ターフェルムジーク(Tafelmusik)とは祝宴や饗宴で演奏されることを目的とした音楽形式のことで、、16世紀の中頃から盛んに作られるようになりました。ですから、こういうタイトルの音楽は数多く作られたのですが、今日ではそれはテレマンという作曲家と結びつけて記憶されています。つまりは、それは音楽のジャンルと言うよりは、テレマンが作曲した作品の名前として記憶されているのです。

一般的にターフェルムジークとは三つの曲集からなり、それぞれの曲集には管弦楽組曲、コンチェルト、クヮトゥオル、トリオ・ソナタ、ソロ・ソナタといった異なった器楽合奏曲が含まれというのが約束事でした。
ですから、テレマンの「ターフェルムジーク」も以下のような構成になっています。

第1集




  1. 第1曲 序曲(管弦楽組曲) ホ短調 TWV 55:e1 - 2つのフルート、弦楽合奏と通奏低音

  2. 第2曲 クヮトゥオル ト長調 TWV 43:G2 - フルート、オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音

  3. 第3曲 協奏曲 イ長調 TWV 53:A2 - フルート、ヴァイオリン、チェロ及び弦楽合奏と通奏低音

  4. 第4曲 トリオ・ソナタ 変ホ長調 TWV 42:Es1 - 2つのヴァイオリンと通奏低音

  5. 第5曲 ソナタ ロ短調 TWV 41:h4 - フルートと通奏低音

  6. 第6曲 終曲 ホ短調 TWV 50:5 - 2つのフルート及び弦楽合奏と通奏低音



第2集




  1. 第1番 序曲(管弦楽組曲) ニ長調 TWV 55:D1 - オーボエ、トランペット及び弦楽合奏と通奏低音

  2. 第2曲 クヮトゥオル ニ短調 TWV 43:d1 - リコーダー、2つのフルート及び通奏低音

  3. 第3曲 協奏曲 ヘ長調 TWV 53:F1 - 3つのヴァイオリン、ヴィオリーノ・グロッソと通奏低音

  4. 第4曲 トリオ・ソナタ ホ短調 TWV 42:e2 - フルート、オーボエと通奏低音

  5. 第5曲 ソナタ イ長調 TWV 41:A4 - ヴァイオリンと通奏低音

  6. 第6曲 終曲 ニ長調 TWV 50:9 - オーボエ、トランペット及び弦楽合奏と通奏低音



第3集




  1. 第1曲 序曲(管弦楽組曲) 変ロ長調 TWV 55:B1 - 2つのオーボエ、ファゴット及び弦楽合奏と通奏低音

  2. 第2曲 クヮトゥオル ホ短調 TWV 43:e2 - フルート、ヴァイオリン、チェロと通奏低音

  3. 第3曲 協奏曲 変ホ長調 TWV 54:Es1 - 2つのホルン(ヴァルトホルン)、弦楽合奏と通奏低音

  4. 第4曲 トリオ・ソナタ ニ長調 TWV 42:D5 - 2つのフルートと通奏低音

  5. 第5曲 ソナタ ト短調 TWV 41:g6 - オーボエと通奏低音

  6. 第6曲 終曲 変ロ長調 TWV 50:10 - 2つのオーボエ、ファゴット及び弦楽合奏と通奏低音



この作品集の面白さは、様々な形式の音楽が楽しめるところにあります。いってみれば、バロック音楽の「おもちゃ箱」です。そんな「おもちゃ箱」の中で、個人的には一番面白かったのが「クヮトゥオル」という形式の音楽です。
後の時代に「クヮトゥオル」、つまりは「四重奏」と言えば「弦楽四重奏」が一般的です。しかし、ここでの「クヮトゥオル」はフルート、オーボエ、バスーンという管楽器にヴァイオリンや通奏低音を担当するハープシコードが加わった四重奏なのです。
「弦楽四重奏」ならば同色の響きなのですが、こういう管楽器による楽器の組み合わだ陀と、それこそ「おもちゃ箱」にピッタリの響きの面白さが堪能できます。

テレマンはこういう組み合わせの作品をそれこそ星の数ほど作曲し、そしてその中から自信作を厳選してこの「ターフェルムジーク」に収録したようです。
しかし、彼が残したこの手の音楽はどれも完成度が高く、たとえこの曲集に収録されなかったからと言って、それらが「つまらない」作品だというわけではありません。今の耳で聞いても不思議なまでに古さを感じさせない音楽は、これからもその魅力が色あせることはないでしょう。

ちなみに、テレマンがこの作品を販売するために予約者を募ったところ、イギリスからヘンデルが申し込んだというのは有名な話です。



ランパル・プレゼンツによるテレマンへの招待

「ランパル・プレゼンツによるバロック音楽への招待」というのを先に紹介したのですが、ここからは「ランパル・プレゼンツによるテレマンへの招待」と言うべき録音です。
ランパル積極的にバロック音楽を取り上げた時期の録音なのですが、その中に数多くのテレマンの作品が取り上げられています。


  1. 四重奏曲ト長調 TWV 43:G2

  2. 四重奏曲ホ短調 TWV 43:e4

  3. トリオ・ソナタ イ長調 TWV 42:A2

  4. 四重奏曲ニ短調 TWV 43:d1

  5. トリオ・ソナタ ホ長調 TWV 42:E4



この中で、「四重奏曲ト長調 TWV 43:G2」だけが「ターフェルムジーク」に収録されている作品です。ランパルが何故に、それ以外のターフェルムジークに収録されている作品をこの録音では選ばなかったのかは不思議と言えば不思議です。営業的に考えれば、有名な作品を選んだ方がメリットが大きいのは明らかなのですから。

しかしながら、前回と同じく、何を理由としてこれらの作曲と作品を選んだのかはあまり深く考えないようにしましょう。
ランパルという偉大なフルーティストが、己のフルートの魅力・美しさを最高にひき出してくれる音楽を選んだと言うことを信じるだけです。

結果として、どれもが楽しくも美しい音楽に仕上がっています。
そして、「音楽に精神性を求めてウンウン唸っている人が未だにいるならば、たまにはこういうあっけらかんとした音楽を聴いてみるのもいいのではないでしょうか。」という言葉がよりいっそうピッタリだと思えるような演奏になっています。

ちなみに、パリ・バロック・アンサンブルというグループは1952年に結成された団体で、設立時のメンバーはジャン・ピエール・ランパル(Fl),ピエール・ピエルロ(Ob),ロベール・ジャンドル(Vn),ポール・オンニュ(Fg),ロベール・ベイロン・ラクロア(HC)でした。
モダン楽器を使った古楽演奏というスタイルは今となっては時代錯誤かもしれないのですが、聞いていて楽しいことだけは間違いありませんし、逆に言えば、このような演奏をバックとして、何故にピリオド楽器を使う必要があるのかという素朴な問いかけは結構重みがあるように思えます。なお、70年代に入ってフルートはマクサンス・ラリュに交替していますが、その時もまたモダン楽器を使った演奏スタイルは貫いていたようです。

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