クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~



AmazonでCDをさがすAmazonでドラティのCDをさがす
Home|ドラティ|ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op.67

ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op.67

ドラティ指揮 ロンドン交響楽団 1962年7月24日&25日録音

Beethoven:Symphony No.5 in C Minor Op.67 [1st movement]

Beethoven:Symphony No.5 in C Minor Op.67 [2nd movement]

Beethoven:Symphony No.5 in C Minor Op.67 [3rd movement]

Beethoven:Symphony No.5 in C Minor Op.67 [4th movement]


Youtubeチャンネル登録

古い録音が中心ですがYoutubeでも毎日アップしていますので、是非チャンネル登録してください。
チャンネル登録って何ですか?

極限まで無駄をそぎ落とした音楽

今更何も言う必要がないほどの有名な作品です。
クラシック音楽に何の興味がない人でも、この作品の冒頭を知らない人はないでしょう。

交響曲と言えば「運命」、クラシック音楽と言えば「運命」です。

この作品は第3番の交響曲「エロイカ」が完成したすぐあとに着手されています。スケッチにまでさかのぼるとエロイカの創作時期とも重なると言われます。(1803年にこの作品のスケッチと思われる物があるそうです。ちなみにエロイカは1803?4年にかけて創作されています。)

しかし、ベートーベンはこの作品の創作を一時的に中断をして第4番の交響曲を作曲しています。これには、とある伯爵未亡人との恋愛が関係していると言われています。
そして幸か不幸か、この恋愛が破局に向かう中でベートーベンはこの運命の創作活動に舞い戻ってきます。

そういう意味では、本格的に創作活動に着手されたのは1807年で、完成はその翌年ですが、全体を見渡してみると完成までにかなりの年月を要した作品だと言えます。そして、ベートーベンは決して筆の早い人ではなかったのですが、これほどまでに時間を要した作品は数えるほどです。

その理由は、この作品の特徴となっている緊密きわまる構成とその無駄のなさにあります。
エロイカと比べてみるとその違いは歴然としています。もっとも、その整理しきれない部分が渾然として存在しているところにエロイカの魅力があるのですが、運命の魅力は極限にまで整理され尽くしたところにあると言えます。
それだけに、創作には多大な苦労と時間を要したのでしょう。

それ以後の時代を眺めてみても、これほどまでに無駄の少ない作品は新ウィーン楽派と言われたベルクやウェーベルンが登場するまではちょっと思い当たりません。(多少方向性は異なるでしょうが、・・・だいぶ違うかな?)

それから、それまでの交響曲と比べると楽器が増やされている点も重要です。
その増やされた楽器は第4楽章で一気に登場して、音色においても音量においても今までにない幅の広がりをもたらして、絶大な効果をあげています。
これもまたこの作品が広く愛される一因ともなっています。


時代を超えた演奏

残念なことにほとんど話題にならない録音です。
どこかにも書いたことがあるのですが、この60年代の初頭というのはベートーベン激戦区の時代です。全集だけでも、思いつくだけで以下の通りです。


  1. クリュイタンス指揮 ベルリンフィル 1957年~1961年録音

  2. クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1957年~1961年録音

  3. シューリヒト指揮 パリ音楽院管弦楽団 1957年~1958年録音(これのみモノラル録音)

  4. ワルター指揮 コロンビア交響楽団 1958年~1959年録音

  5. コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 1959年~1961年録音

  6. レイホヴィッツ指揮 ロイヤルフィル 1961年録音

  7. クリップス指揮 ロンドン交響楽団 1961年録音

  8. カラヤン指揮 ベルリンフィル 1961年~1962年録音



ここに、セル&クリーブランド管やバーンスタイン&ニューヨークフィルなどの録音も始まっていて参入してきていました。
そう言う中に、ドラティ&ロンドン響と言う地味な組み合わせで5番「運命」・6番「田園」・7番という3作品だけで参入してもなかなか話題になるのは難しかったでしょう。

ですから、私も一連のドラティの録音を漁っている中ではじめて聞きました。
そして、本当にびっくりしてしまいました。

聞く前から想像されたことですが、とんでもなくパキパキとした演奏です。よく言えばリズムが立っているというのか、とにかくオケの整理の仕方が尋常ではないです。そして、その整理されきったオケの響きをとらえるマーキュリーの録音が尋常ではない凄さです。この録音に古さを感じる人もいりようなのですが、とても私には信じられません。
はっきり言って音楽のガタイは小さいです。そう言う意味では後年の古楽器による演奏を思わせる風情があるのですが、根本的にオケの響きのクオリティが違います。ここでは、あんな風邪をひいたオケみたいな貧相な音はどこを探しても見つかりません。そして、どの録音も最後のフィナーレは見事なまでの盛り上がりを聞かせてくれます。
この3つの録音の中では一番行儀が良くてこぢんまり感の強い7番でも、最後のフィナーレは堂々たるものです。
そう言う意味では、これを60年代の初頭においてみると、レイホヴィッツの録音などと同様に時代の制約を超えた演奏だと言えます。

オーケストラの実際の響きというのは意外と「軽い」です。
これは、コンサートによく足を運ぶ人にとっては常識なのですが、常日頃はオーディオでしか音楽を聴かない人がたまにコンサートに出かけると「低域が不足している!」などと叫んでしまうことが多いようです。(ついでに言えば「定位が甘い」もあるそうです)
笑ってしまいますが、笑ってはいけないですね。
でも、このマーキュリーの録音は、そう言う実際のオケの響きを質に上手くすくい取っています。見事なものです。6番「田園」の清涼感あふれる響きを聞かされると、実際のロンドン交響楽団はどれほど素晴らしい響きを実現していたんだろうと思わずにはおれません。5番「運命」の響きも同様です。
そして、ドラティの指揮はそのような機能性に徹しているように見えながら、その背景から彼の人間性がにじみ出てくるような味わいも不足していないのです。
全く持ってたいした指揮者です。
[関連ページ]


この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



2068 Rating: 5.3/10 (48 votes cast)

この演奏に対するご意見や感想をおよせください。

  1. 件名は変更しないでください。
  2. お寄せいただいたご意見や感想は基本的に紹介させていただきますが、管理人の判断で紹介しないときもありますのでご理解ください
名前*
メールアドレス
件名
メッセージ*
サイト内での紹介

 

よせられたコメント

2014-10-21:ろば


2014-10-20:ろば




【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2018-12-10]

モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲 K.620
カレル・アンチェル指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1960年6録音

[2018-12-10]

ワーグナー:「神々の黄昏」より「夜明け」と「ジークフリートのラインへの旅」
ルドルフ・ケンペ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団 1956年11月30日&12月5日録音

[2018-12-09]

ビゼー:交響曲 ハ長調
エルネスト・アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団 1960年10月録音

[2018-12-08]

ワーグナー:「タンホイザー」序曲&第1幕より「バッカナール」「ヴェヌスベルクの音楽」
ルドルフ・ケンペ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団 1956年11月30日&12月5日録音

[2018-12-07]

コダーイ:「ハンガリー詩篇」Op.13 (Sung in English)
ゲオルク・ショルティ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 ロンドン・フィルハーモニー合唱団 (T)ウィリアム・マクアルパイン 1954年4月~5月録音

[2018-12-06]

ヘンデル:シャコンヌ ト長調, HWV 435
(Harpsichord)カール・リヒター 1954年3月録音

[2018-12-06]

ドビュッシー:風変わりなラヴィーヌ将軍 (前奏曲集第2巻、第6曲)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1965年5月1日&3日録音

[2018-12-05]

ロッシーニ:「ウィリアム・テル」序曲
カレル・アンチェル指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1960年6録音

[2018-12-04]

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調 BWV1047
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮 北ドイツ放送交響楽団 1961年録音

[2018-12-03]

ベートーベン:交響曲第7番 イ長調 作品92
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮 北ドイツ放送交響楽団 1961年4月15日録音

[2018-12-02]

ハイドン(レオポルド・ホフマン):フルート協奏曲 ニ長調 Hob.7 f-D1
(Fl)オーレル・ニコレ カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1960年~1962年録音

[2018-12-01]

チャイコフスキー:スラヴ行進曲Op.31
フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団 1958年12月28日~29日録音

[2018-12-01]

チャイコフスキー:小行進曲[組曲第1番ニ短調 Op.43より]
フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団 1958年12月28日~29日録音

[2018-11-30]

ブラームス:4つの厳粛な歌 Op.121
(S)キルステン・フラグスタート (P)エドウィン・マッカーサー 1956年11月22日,23日,26日&27日録音

[2018-11-30]

民謡:水夫の踊り
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1965年5月1日&3日録音