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フランツ・コンヴィチュニー(Franz Konwitschny) |ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」
ベートーベン:交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」
コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1959年~1961年録音
Beethoven:交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」 「第1楽章」
Beethoven:交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」 「第2楽章」
Beethoven:交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」 「第3楽章」
Beethoven:交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」 「第4楽章」
極限まで無駄をそぎ落とした音楽
今更何も言う必要がないほどの有名な作品です。
クラシック音楽に何の興味がない人でも、この作品の冒頭を知らない人はないでしょう。
交響曲と言えば「運命」、クラシック音楽と言えば「運命」です。
この作品は第3番の交響曲「エロイカ」が完成したすぐあとに着手されています。スケッチにまでさかのぼるとエロイカの創作時期とも重なると言われます。(1803年にこの作品のスケッチと思われる物があるそうです。ちなみにエロイカは1803?4年にかけて創作されています。)
しかし、ベートーベンはこの作品の創作を一時的に中断をして第4番の交響曲を作曲しています。これには、とある伯爵未亡人との恋愛が関係していると言われています。
そして幸か不幸か、この恋愛が破局に向かう中でベートーベンはこの運命の創作活動に舞い戻ってきます。
そういう意味では、本格的に創作活動に着手されたのは1807年で、完成はその翌年ですが、全体を見渡してみると完成までにかなりの年月を要した作品だと言えます。そして、ベートーベンは決して筆の早い人ではなかったのですが、これほどまでに時間を要した作品は数えるほどです。
その理由は、この作品の特徴となっている緊密きわまる構成とその無駄のなさにあります。
エロイカと比べてみるとその違いは歴然としています。もっとも、その整理しきれない部分が渾然として存在しているところにエロイカの魅力があるのですが、運命の魅力は極限にまで整理され尽くしたところにあると言えます。
それだけに、創作には多大な苦労と時間を要したのでしょう。
それ以後の時代を眺めてみても、これほどまでに無駄の少ない作品は新ウィーン楽派と言われたベルクやウェーベルンが登場するまではちょっと思い当たりません。(多少方向性は異なるでしょうが、・・・だいぶ違うかな?)
それから、それまでの交響曲と比べると楽器が増やされている点も重要です。
その増やされた楽器は第4楽章で一気に登場して、音色においても音量においても今までにない幅の広がりをもたらして、絶大な効果をあげています。
これもまたこの作品が広く愛される一因ともなっています。
大物に互しても存在価値のある全集
振り返ってみれば、1950年代の後半から1960年代の初頭、言葉をかえればモノラル録音からステレオ録音へと移行していった時期というのは、とてつもなく凄い時代だったと言うことに気づかされます。
例えば、ベートーベンの交響曲全集という、このクラシック音楽の王道を概観するだけでも、これだけの録音がリリースされています。
クリュイタンス指揮 ベルリンフィル 1957年~1961年録音
クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1957年~1961年録音
シューリヒト指揮 パリ音楽院管弦楽団 1957年~1958年録音(これのみモノラル録音)
ワルター指揮 コロンビア交響楽団 1958年~1959年録音
コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 1959年~1961年録音
レイホヴィッツ指揮 ロイヤルフィル 1961年録音
クリップス指揮 ロンドン交響楽団 1961年録音
カラヤン指揮 ベルリンフィル 1961年~1962年録音
調べれば他にもあるのかもしれませんが、わずか5年間の間にこれだけも多様性のあるベートーベン像が提供されたというのは壮観というしかありません。
明晰さの極みともいうべきクリュイタンス盤、巨大な構築物として偉容を示したクレンペラー盤、ピリオド楽器による演奏でさえ裸足で逃げ出していきそうな快速演奏のレイホヴィッツ盤、そこまでじゃないけれど若々しくてスピーディーなベートーベンを提起したカラヤン盤・・・等々です。
そう言う多様性の中に、この「コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管」の演奏を置いてみると、どのように映るのでしょうか。
パッと聞いただけでは、いささか特徴に乏しい演奏のように聞こえます。言葉をかえれば、聞き手の耳をさっと捕まえてしまうような魅力には乏しいかもしれません。
確かに、こうして並べてみると、クリップスやワルターの演奏はいささか分が悪いことは否めません。シューリヒトも、かなり状態の悪いモノラル録音ということで、「ステンドグラスのようなベートーヴェン像」もいささかくすみ気味なのが残念です。
しかし、コンヴィチュニーの録音は、聞き手の耳をすぐに虜にするような愛想の良さや声高な主張はありません。しかし、結局は最後まで聞かされて、その後には大きな満足感が残るという「大人の演奏」に仕上がっています。
もしかしたら、「今日はベートーベンでも聴いてみようか・・・!」と思い立った時に、結局は手が伸びる回数が一番多くなるという録音かもしれません。
俗な言い方をすれば、噛めば噛むほど味の出る演奏です。
では、その味とはどんなものでしょう?
まず、すぐに気がつくのは、今ではなかなか聞くことのできなくなったふくよかで暖かみのあるオケの響きの素晴らしさです。きらきらした華やかさとは正反対の厚みのある響きです。弦もいいですが、特に木管群の響きが魅力的です。
昔のヨーロッパのオケというのは、みんなこんな響きを持っていたのですが、いつの間にか華やかであってもどこかメタリックな感じの響きに変化してしまいました。
確かに、昨今のオケと比べれば機能的とは言えないのでしょうが、それでもこの生成りのザラッとしたような響きは魅力的です。そして、馬鹿ウマではないけれども、内部の見通しも良く透明感も失っていません。
まずは、これが味の一つめでしょうか。
二つめは、やはりドイツの力こぶ!
これはもう説明の必要はないでしょう。ドンと構えていて、ここぞというところではぐっと力こぶが入る演奏というのは、聞けそうでいて、現実にはなかなか聞けない音楽です。セル&クリーブランド管などが典型なのですが、グンとパワーが入っても最終的にはスタイリッシュに格好良く決まってしまうのです。もちろん、それはそれでいいのですが、時にはこういう「野蛮さ」みたいなモノが残っている演奏も聴いてみたくなります。
しかし、例えば田園の第2楽章や終楽章の牧人の歌などどを聞くと意外なほどに優しさにあふれていて驚かされたりします。
そう言えば、テンシュテットが録音した田園も同じような歌心に満ちた演奏で、最後の牧人の歌は神に呼びかけるような崇高さにあふれていたのを思い出しました。もしかしたら、東独ではベート?ベンの田園をこんな風に演奏する伝統でもあったのでしょうか。
とは言え、このコンヴィチュニーの基本は緩除楽章も「淡麗辛口」です。
お子様向きではありません。
そして最後にあげておきたいのが、隅々まで指揮者の指示が行き届いていて、まさにコンヴィチュニーという指揮者が信じるベートーヴェン像がか確固として提示されていることです。そして、その解釈が(これもまた好きな言葉ではないのですが)、この時代にまで連綿と引き継がれてきた伝統的なベートーベン像を見事なまでに具体化してくれているということです。
まあ、こういう言い方だけでは何も言っていないのに等しいのですが、一つ一つのフレーズや響きには(おそらくは劇場的な継承として伝統的に引き継がれてきたであろう)微妙なニュアンスが込められていて、この録音に向けてさぞや何度も練習を積み重ねただろうなと思わせられます。
そんなわけで、同時代の大物に混じると地味で目立たない全集ではあるのですが、内容的には充分五分に渡り合えるだけの「格」を持った録音であることは保障できます。
<追記>
昨日、コンヴィチュニーの田園をアップしたところ、「私の手持ちのCDにはPマークが63年になっています。著作権は大丈夫なのでしょうか?」という趣旨のメールをいただきました。
62年発行の「洋楽レコード総目録」によりますと、コンヴィチュニー指揮のベートーベンの交響曲は61年に全て分売で国内発売されています。そして、翌62年には全集という形でまとめてリリ?スされたようです。ですから、間違いなく2012年の段階でパブリックドメインとなっています。
それにしても、CDの発売元が満足に初出年も確定できないとは困った話です。
なお、ついでですので、どなたかレイホヴィッツの録音の初出年をご存じの方はいないでしょうか。録音は1961年の4月から6月にかけて集中的に行われたことは分かっているのですが、どう調べても「初出年」が分かりません。
この録音は、リーダーズ・ダイジェストの会員向けに頒布されたものなので、目録を探しても一切手がかりはありません。基本は会員向けの頒布なのでおそらくは61年から62年にかけて出回ったと思うのですが、どうしても裏が取れません。どこかの市会議員みたいに裏も取らずに公開するわけにもいかないので困っています。
この演奏を評価してください。
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いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
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最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
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