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ハイフェッツ(Jascha Heifetz)|ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
Vn.ハイフェッツ ライナー指揮 シカゴ交響楽団 1955年2月21&22日録音
Brahms:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77 「第1楽章」
Brahms:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77 「第1楽章」
Brahms:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77 「第1楽章」
ヴァイオリンを手にしてぼんやりと立っているほど、私が無趣味だと思うかね?

この言葉の前には「アダージョでオーボエが全曲で唯一の旋律を聴衆に聴かしているときに・・・」というのがくっつきます。
サラサーテの言葉です。(^^)
もっとも、その前にはさらに「ブラームスの協奏曲は素晴らしい音楽であることは認めるよ、しかし・・・」ということで上述の言葉が続きます。
おそらくこの言葉にこの作品の本質がすべて語られていると思います。
協奏曲と言う分野ではベートーベンが大きな金字塔をうち立てましたが、大勢はいわゆる「巨匠風協奏曲」と言われる作品が主流を占めていました。独奏楽器が主役となる聞かせどころの旋律あちこちに用意されていて、さらに名人芸を披露できるパッセージもふんだんに用意されているという作品です。
イタリアの作曲家、ヴィオッティの作品などは代表的なものです。
ただし、彼の22番の協奏曲はブラームスのお気に入りの作品であったそうです。親友であり、優れたヴァイオリニストであったヨアヒムと、一晩に二回も三回も演奏するほどの偏愛ぶりだったそうですから世の中わからんものです。
しかし、それでいながらブラームスが生み出した作品はヴィオッティのような巨匠風協奏曲ではなく、ベートーベンの偉大な金字塔をまっすぐに引き継いだものになっています。
その辺が不思議と言えば不思議ですが、しかし、ブラームスがヴィオッティのような作品を書くとも思えませんから、当然と言えば当然とも言えます。(変な日本語だ・・・^^;)
それから、この作品は数多くのカデンツァが作られていることでも有名です。一番よく使われるのは、創作の初期段階から深く関わり、さらに初演者として作品の普及にも尽力したヨアヒムのものです。
それ以外にも主なものだけでも挙げておくと、
レオポルド・アウアー
アドルフ・ブッシュ
フーゴー・ヘールマン
トール・アウリン
アンリ・マルトー
ヤッシャ・ハイフェッツ
ただし、秘密主義者のヴァイオリニストは自らのカデンツァを出版しなかったためにこれ以外にも数多くのカデンツァが作られたはずです。
この中で、一番テクニックが必要なのは想像がつくと思いますが、ハイフェッツのカデンツァだと言われています。
水晶玉を削りあげて作ったような精緻な構造物
ハイフェッツの演奏に関してはこんな事を書いていました。
「どこをとっても非の打ち所がなく、こういう演奏をライブで聴かされた日には、それこそ口もきけずに家路につくことでしょう。しかし、そのような立派さは認めながらも、録音という形で聞いてみると、何か楽しめない部分が残ることも事実です。」
ハイフェッツは小品においてこそその真価が発揮される、と言う思いは今も変わっていません。こういう大作になると、どこか物足りなさを感じることは否定できません。それを「深み」にかけるなどと言う、分かったようなラベルを貼って切り捨てる気もありませんが・・・。
このブラームスのコンチェルトを聴くと、ある種の「純粋性」みたいなものを感じることは事実です。まるで水晶玉を削りあげて作った精緻な構造物のような手触りを感じます。
でも、どこか不満なのです。
ブラームスのコンチェルトならば、もっとネットリと歌ってほしい・・・と、私のわがままな心は不満をもらすのです。
うますぎると言うことが決してプラスに作用しないこともある、と言うことに音楽が持つ奥深さがあるのかもしれません。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
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よせられたコメント
2010-07-17:かしま
- いつも有難うございます
この録音、無茶苦茶音がいいですね
ハイフェッツもライナーのシカゴ響も引き締まって、余裕たっぷりで素晴らしいです
2013-07-14:emanon
- ハイフェッツの冴えた技巧が存分に楽しめる演奏。ただ欲を言えばブラームスだけにもう少し含蓄があれば申し分ないのだが。
ライナーの伴奏指揮は素晴らしい出来栄え。
全体としては第3楽章が一番成功している。
2014-01-16:フランツ
- 古今協奏曲は独奏者のパートが目立って音楽的に空虚な曲が多いのですが、ブラームスの場合は独奏と管弦楽のバランスがよく、ときに交響曲的なほど全体の内容が充実していると思います。ヴァイオリンも重音が多く、横の線というより立体的な効果が求められます。古典からロマン派までの協奏曲の集約のような名曲だと思います。ハイフェッツは技巧的にはすばらしいですが、全体的に速いせいか、もう少しふくよかさや情緒が欲しいと感じるときがありますが、ライナーと目指す音楽作りが共通していて立派な協奏曲に仕上がっていると思います。
2014-01-24:RTJ
- この曲はドヴォコン以上にトゥッティが重要な役割をしめてますがこの演奏はまずそれがすばらしい。さすがライナー/CSO。
この曲のカデンツァは個人的にハイフェッツのものがすきなのでその点でもこの演奏は気に入ってます
1,3楽章もいいですが2楽章が非常にメロディックに表現されててすばらしい演奏だと思いました
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