Home|
ホッター(Hans Hotter)|シューベルト:歌曲集「冬の旅」
シューベルト:歌曲集「冬の旅」
バス・バリトン:ハンス・ホッター 1942年録音
Schubert:「冬の旅」(全曲)
Schubert:「冬の旅」?おやすみ
Schubert:「冬の旅」?風見の旗
Schubert:「冬の旅」?凍った涙
Schubert:「冬の旅」?凍結
Schubert:「冬の旅」?菩提樹
Schubert:「冬の旅」?洪水
Schubert:「冬の旅」?流れの上で
Schubert:「冬の旅」?回想
Schubert:「冬の旅」?鬼火
Schubert:「冬の旅」?憩い
Schubert:「冬の旅」?春の夢
Schubert:「冬の旅」?孤独
Schubert:「冬の旅」?郵便馬車
Schubert:「冬の旅」?白髪
Schubert:「冬の旅」?カラス
Schubert:「冬の旅」?最後の希望
Schubert:「冬の旅」?村にて
Schubert:「冬の旅」?嵐の朝
Schubert:「冬の旅」?幻
Schubert:「冬の旅」?道しるべ
Schubert:「冬の旅」?宿屋
Schubert:「冬の旅」?勇気
Schubert:「冬の旅」?三つの太陽
Schubert:「冬の旅」?辻音楽師
現実と幻覚との彷徨

シューベルトは自らが意図したものとしては二つの歌曲集を残しています。一つが「美しき水車小屋の娘」であり、もう一つがこの「冬の旅」で、歌詞はともにミュラーによるものです。
ミュラーは1827年に33歳の若さでこの世を去りますが、シューベルトもその翌年にさらに若い31歳で夭折します。この二つの若い魂が巡り会ってこのような素晴らしい作品が残されたことを私たちは感謝しなければなりません。もちろん、詩人としてのミュラーの才能に疑問を呈する人もいますが、その作品こそがシューベルトの偉大な才能に火をつけたのだと言うことは認めざるを得ません。シューベルトは誰からも頼まれることなく、まさにミュラーの詩に触発されてこの偉大な歌曲集を作り出したのです。
しかし、4年の歳月を隔てて創作されたこの二つの歌曲集は筋立ては似通っているようでも雰囲気は随分と異なります。
今さら指摘するまでもないことですが、「美しき水車小屋の娘」と比べてみると「冬の旅」の救いがたい暗さは歴然としています。水車小屋の娘では悲哀に包まれたストーリーであってもどこかに慰めが存在していました。ところが冬の旅にはその様な慰めはどこにも存在せず救いがたい暗さが作品全体を支配しています。例えば、第5曲「菩提樹」や第11曲「春の声」にちらりと垣間見られる明るさもかえって闇の深さを浮かび上がらせるかのようです。
さらに水車小屋の娘との相違点は、「冬の旅」には明瞭な筋立てが存在しないことです。
ですから24の歌曲から成り立っていると言っても、物語は現実と幻覚の間を彷徨うように展開されていきます。そして、その彷徨の行き着く先で、一人の男の寂寞とした思いは狂気へと変容していきます。とりわけ第20曲「道しるべ」から最後の「辻音楽師」までの音楽は、誤解を恐れずに言えば「狂人の歌」となっています。
クラシック音楽の中で最も陰鬱で最も素晴らしい作品の一つであることは間違いありません。
もう少しいい音で聞きたい人のために
ヒュッシュもいいのだが、SP盤特有のパチパチノイズはイヤだ!もう少しいい音で聞かしてほしい、と言う人はこちらのホッターの録音をお聞きください。
ヒュッシュと比べればもう少しは愛想がある歌唱ですし、音質的はかなり優秀ですから鑑賞用としてはこちらの方がベターかもしれませんね。ホッターに関してはムーアをピアニストに迎えて50年代に録音した素晴らしい演奏がありますが、この40年代の録音もなかなかに素晴らしいものです。
この演奏を評価してください。
- よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
- いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
- まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
- なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
- 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
67 Rating: 5.0/10 (226 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2025-12-11]

ベートーヴェン:六重奏曲 変ホ長調, Op.71(Beethoven:Sextet in E-Flat Major, Op.71)
ウィーン・フィルハーモニー木管グループ:1950年録音(Vienna Philharmonic Wind Group:Recorded on 1950)
[2025-12-09]

ベートーベン:交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」作品125(歌唱:ルーマニア語)(Beethoven:Symphony No.9 in D minor, Op.125 "Choral")
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 (S)Emilia (Ms)マルタ・ケスラー、(T)イオン・ピソ (Bass)マリウス・リンツラー (Chorus Master)ヴァシリ・パンテ ジョルジュ・エネスコ・フィル合唱団 (Chorus Master)カロル・リトヴィン ルーマニア放送合唱団 1961年8月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra (S)Emilia Petrescu (Ms)Martha Kessler (T)Ion Piso (Bass)マMarius Rintzler (Chorus Master)Vasile Pintea Corul Filarmonicii "George Enescu”(Chorus Master) arol Litvin Corul Radioteleviziunii Romane Recorded on July, 1961)
[2025-12-07]

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」 ヘ短調 Op.57(Beethoven: Piano Sonata No.23 In F Minor, Op.57 "Appassionata")
(P)ハンス・リヒター=ハーザー 1955年11月録音(Hans Richter-Haaser:Recorded on November, 1955)
[2025-12-06]

ラヴェル:夜のガスパール(Ravel:Gaspard de la nuit)
(P)ジーナ・バッカウアー:(語り)サー・ジョン・ギールグッド 1964年6月録音(Gina Bachauer:(Read)Sir John Gielgud Recorded on June, 1964)
[2025-12-04]

フォーレ:夜想曲第7番 嬰ハ短調 作品74(Faure:Nocturne No.7 in C-sharp minor, Op.74)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-12-02]

ハイドン:弦楽四重奏曲第32番 ハ長調, Op.20, No.2, Hob.3:32(Haydn:String Quartet No.32 in C major, Op.20, No.2, Hob.3:32)
プロ・アルテ弦楽四重奏団:1931年12月2日録音(Pro Arte String Quartet:Recorded on December 2, 1931)
[2025-11-30]

チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 ロ短調 作品58(Tchaikovsky:Manfred Symphony in B minor, Op.58)
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮 フランス国立放送管弦楽団 1957年11月13日~16日&21日録音(Constantin Silvestri:French National Radio Orchestra Recorded on November 13-16&21, 1959)
[2025-11-28]

ベートーベン:交響曲第8番 ヘ長調 作品93(Beethoven:Symphony No.8 in F major ,Op.93)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年5月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on May, 1961)
[2025-11-26]

ショパン: ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21(Chopin:Piano Concerto No.2 in F minor, Op.21)
(P)ジーナ・バッカウアー:アンタル・ドラティ指揮 ロンドン交響楽団 1964年6月録音(Gina Bachauer:(Con)Antal Dorati London Symphony Orchestra Recorded on June, 1964)
[2025-11-24]

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調, Op.127(Beethoven:String Quartet No.12 in E Flat major Op.127)
ハリウッド弦楽四重奏団:1957年3月23日,31日&4月6日&20日録音(The Hollywood String Quartet:Recorded on March 23, 31 & April 6, 20, 1957)