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Home|ジネット・ヌヴー(Ginette Neuveu)|グルック:オルフェオとエウリディーチェより「メロディー」

グルック:オルフェオとエウリディーチェより「メロディー」

(Vn)ジネット・ヌヴー (P)ブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラー 1938年録音



Gluck:Melodie (Orfeo ed Euridice)


天国の野原で精霊たちが踊る場面で演奏される有名な作品

この作品は、よく知られているように歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」の中の1曲で、第2幕のバレエの場面で演奏される曲です。
天国の野原で精霊たちが踊る場面で演奏されます。

このオペラは歌手至上主義に陥っていたオペラの世界に改革をもたらしたもので、当時のウィーンやパリの聴衆に衝撃を与えました。ですから、古い時代のオペラであるにもかかわらず、今もしぶとく「現役のオペラ」として生き残っています。
とあるサイトで「現在では滅多に演奏されることはありません」というのはいささか正確さに欠けます。

そして、このグルックの改革をさらに推し進めて真の革命をもたらしたのがモーツァルトだったのです。

このオペラの中でもっとも有名なバレエ音楽をヴァイオリン曲に編曲したのはクライスラーで、彼はシンプルに「メロディ(Melodie)」とタイトルをつけました。その後、様々な楽器に編曲され、次第に「精霊の踊り」というタイトルの方が通りが良くなったようです。

なお、オペラの中で演奏される「精霊の踊り」にはウィーン版とパリ版の2種類のヴァージョンが存在します。
当時のパリではバレエが非常に重視されていたので、グルックもパリでの上演に際してより中身の濃いものに書き直したためです。
牧歌的なメロディにニ短調の暗いメロディが付け加わることで音楽に明瞭なコントラストが生まれています。


「内なる精神の炎が燃えさかっている」と称されるヌヴォーの特徴は初録音においても明瞭に刻み込まれています

ヌヴーの早熟についてはこちらでふれていますので興味ある方はご覧ください。
そんな早熟の天才ヌヴーの初録音を紹介したいと思います。

とは言え、今さら1938年という80年も前の録音などは願い下げだという人がいるかも知れません。
しかし、そこは私を信じて(^^;一度は聞いてみてください。きっと驚かれるはずです。

ヌヴォーはこの1938年(19歳)に以下の小品を録音しています。


  1. クライスラー:バッハの様式によるグラーヴェ ハ短調

  2. スーク:4つの小品 op.17 第3曲「ウン・ポコ・トリステ」

  3. スーク:4つの小品 op.17 第2曲「アパッショナータ」

  4. ショパン/ロディオノフ編:夜想曲第20番嬰ハ短調(遺作)

  5. グルック:『オルフェオとエウリディーチェ』より「メロディー」

  6. パラディス/ドゥシキン編:シチリア舞曲



このうちスークの4つの小品とショパンの夜想曲は戦後の46年にもう一度録音していますが、「内なる精神の炎が燃えさかっている」と称されるヌヴォーの特徴がより明瞭に刻み込まれているのは38年の録音の方です。
そして、数多くの歴史的録音を聞いてきて分かったことは、文化的にも一つの爛熟期をむかえていた30年代の録音は、戦争の混乱の中で録音された40年代の録音よりも概ね良好なものが多いと言うことです。

この38年に録音されたヌヴォーの小品も、かなり良好な状態で録音が残されています。
そして、その良好さのおかげで、極限のピアニシモから音楽が立ち上がってくる凄みが見事なまでに刻み込まれています。

例えば、ヌヴォーの代表的な録音であるショーソンの「詩曲」においても、その極限とも言うべきピアニシモから見事に一本のラインを描き出していく凄みには圧倒されます。
そして、この38年の録音では、それと同じような凄みをもって、この何気ない小品たちが突きつけられるのです。

さらに付け加えておけば、硬質な緊張感を維持しながら艶やかな響きの美しさを失わないのも見事と言うしかありません。
オイストラフが第1回ヴィエニャフスキ・コンクールでヌヴォーに敗れたときに「悪魔のようだった」と妻に書き送ったのは正当な評価だったのです。

そして、それと比べれば46年盤の方には、そこまでの凄みはなく、どちらかと言えば余裕を持って小品を弾きこなしているという風情があります。
ヌヴォーも20代になってシベリウスやブラームスのようなコンチェルトに活動の軸足が移っていって、そこまで真剣に小品と向き合う気にもなれなくなったと言うことかも知れません。

さらに言えば、38年録音ではヴァイオリンはかなりオン気味に収録されていてピアノは影のように付き従うだけでしたが、46年録音ではそれなりのバランスでピアノも収録されています。
そう言えば、戦後のピアノ伴奏は兄のジャンが務めていましたから、そしてシャンもイヴ・ナットに学んだ優れたピアニストでしたから、そちらにも光を当てたいという思いもあったのかも知れません。

なお、あまり語られることはないのですが、アメリカでの演奏旅行に向かう飛行機にはジャンも同乗していました。
ジネットとジャンのヌヴォー兄妹、ピアフの恋人だったマルセル・セルダン、実に多くの悲劇を引き起こした事故でした。

この演奏を評価してください。

  1. よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
  2. いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
  3. まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
  4. なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
  5. 最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10



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