Home |
シュナイダーハン(Wolfgang Schneiderhan) |バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041
(Vn)ヴォルフガング・シュナイダーハン ルドルフ・バウムガルトナー指揮 ルツェルン祝祭弦楽合奏団 1957年1月28~29日録音
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041 「第1楽章」
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041 「第2楽章」
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041 「第3楽章」
3曲しか残っていないのが本当に残念です。
バッハはヴァイオリンによる協奏曲を3曲しか残していませんが、残された作品ほどれも素晴らしいものばかりです。(「日曜の朝を、このヴァイオリン協奏曲集と濃いめのブラックコーヒーで過ごす事ほど、贅沢なものはない。」と語った人がいました)
勤勉で多作であったバッハのことを考えれば、一つのジャンルに3曲というのはいかにも少ない数ですがそれには理由があります。
バッハの世俗器楽作品はほとんどケーテン時代に集中しています。
ケーテン宮廷が属していたカルヴァン派は、教会音楽をほとんど重視していなかったことがその原因です。世俗カンタータや平均率クラヴィーア曲集第1巻に代表されるクラヴィーア作品、ヴァイオリンやチェロのための無伴奏作品、ブランデンブルグ協奏曲など、めぼしい世俗作品はこの時期に集中しています。そして、このヴァイオリン協奏曲も例外でなく、3曲ともにケーテン時代の作品です。
ケーテン宮廷の主であるレオポルド侯爵は大変な音楽愛好家であり、自らも巧みにヴィオラ・ダ・ガンバを演奏したと言われています。また、プロイセンの宮廷楽団が政策の変更で解散されたときに、優秀な楽員をごっそりと引き抜いて自らの楽団のレベルを向上させたりもした人物です。
バッハはその様な恵まれた環境と優れた楽団をバックに、次々と意欲的で斬新な作品を書き続けました。
ところが、どういう理由によるのか、大量に作曲されたこれらの作品群はその相当数が失われてしまったのです。現存している作品群を見るとその損失にはため息が出ます。
ヴァイオリン協奏曲も実際はかなりの数が作曲されたようなですが、その大多数が失われてしまったようです。ですから、バッハはこのジャンルの作品を3曲しか書かなかったのではなく、3曲しか残らなかったというのが正確なところです。
もし、それらが失われることなく現在まで引き継がれていたなら、私たちの日曜日の朝はもっと幸福なものになったでしょうから、実に残念の限りです。
ルツェルン祝祭弦楽合奏団の初録音
シュナイダーハンと言っても、今では覚えておられない方も多いと思います。3歳で母からヴァイオリンの手ほどきを受け、わずか5歳で公開の演奏会を行って「神童」の名をほしいままにしました。そして、17歳(1933年)でウィーン交響楽団のコンサートマスターに就任し、その4年後にはウィーンフィルのコンサートマスターへとキャリアアップした早熟のヴァイオリニストでした。
しかし、そんなシュナイダーハンが最も精力的に活躍したのは、34歳(1949年)でウィーンフィルを去ってソリストとしての活動に集中してからでした。特に、ルツェルン音楽院の教授としてマスタークラスで教鞭をとる中で結成したルツェルン祝祭弦楽合奏団の活動は彼にとって大きな部分を占めました。このルツェルン祝祭弦楽合奏団は彼が教鞭を執ったマスタークラスの生徒から優秀メンバーを選んで1955年に結成され、その2年後の夏の音楽祭で公式にデビューしました。
ですから、ここでお聞きいただいているバッハの演奏は、公式デビューを目前にした最後の追い込みの中での録音だと言うことになりますし、まさに彼らにとっての記念すべき初録音だったと言うことになります。ちなみに、ここで指揮をしているパウムガルトナーはシュナイダーハンのアシスタントとして参加しているのですが、この後1998年までこの楽団を率いて数々の名録音を残すことになります。
さて、そんな記念すべきこの一連の録音なのですが、音質はモノラルとしては最上の部類に入るものです。演奏も、現在の耳からすると少し「重い」と思えるかのしれませんが、それでも「緩み」は全く感じさせません。いわゆる、当時の「正当派」のバッハ演奏でシュナイダーハンのヴァイオリンも品のよい「典雅」そのものです。
もしかしたら、日曜の朝にブラックコーヒーとすごすにはピッタリの演奏家もしれません。
この演奏を評価してください。
よくないねー!(≧ヘ≦)ムス~>>>1~2
いまいちだね。( ̄ー ̄)ニヤリ>>>3~4
まあ。こんなもんでしょう。ハイヨ ( ^ - ^")/>>>5~6
なかなかいいですねo(*^^*)oわくわく>>>7~8
最高、これぞ歴史的名演(ξ^∇^ξ) ホホホホホホホホホ>>>9~10
997 Rating: 5.1 /10 (193 votes cast)
よせられたコメント
【最近の更新(10件)】
[2025-09-14]
フランク:天使の糧(Franck:Panis Angelicus)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)
[2025-09-12]
ベートーベン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」(Beethoven:Symphony No.3 in E flat major , Op.55 "Eroica")
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年3月録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on March, 1961)
[2025-09-10]
ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調(Brahms:String Quartet No.1 in C minor, Op.51 No.1)
アマデウス弦楽四重奏団 1951年録音(Amadeus String Quartet:Recorde in 1951)
[2025-09-08]
フォーレ:夜想曲第2番 ロ長調 作品33-2(Faure:Nocturne No.2 in B major, Op.33 No.2)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-09-06]
バッハ:小フーガ ト短調 BWV.578(Bach:Fugue in G minor, BWV 578)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)
[2025-09-04]
レスピーギ:ローマの噴水(Respighi:Fontane Di Roma)
ジョン・バルビローリ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 1939年1月21日録音(John Barbirolli:Philharmonic-Symphony Of New York Recorded on January 21, 1939)
[2025-09-01]
フォーレ:夜想曲第1番 変ホ短調 作品33-1(Faure:Nocturne No.1 in E-flat minor, Op.33 No.1)
(P)エリック・ハイドシェック:1960年10月21~22日録音(Eric Heidsieck:Recorded 0n October 21-22, 1960)
[2025-08-30]
ベートーベン:交響曲第2番 ニ長調 作品36(Beethoven:Symphony No.2 in D major ,Op.36)
ジョルジュ・ジョルジェスク指揮 ブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団 1961年4月20日録音(George Georgescu:Bucharest George Enescu Philharmonic Orchestra Recorded on April 20, 1961)
[2025-08-28]
ラヴェル:舞踏詩「ラ・ヴァルス」(Ravel:La valse)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 パリ・コンセール・サンフォニーク協会管弦楽団 1960年録音(Rene Leibowitz:Orcheste de la Societe des Concerts du Conservatoire Recorded on 1960)
[2025-08-26]
フランク:交響詩「呪われた狩人」(Franck:Le Chasseur maudit)
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1954年6月27~7月11日録音(Artur Rodzinski:Wiener Staatsoper Orchester Recorded on June 27-July 11, 1954)