クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

フランク:ヴァイオリンソナタ

P:ワルター・ギーゼキング Vn:ゲルハルト・タシュナー 1947年10月4日 ライブ録音





Franck:ヴァイオリンソナタ 「第1楽章」

Franck:ヴァイオリンソナタ 「第2楽章」

Franck:ヴァイオリンソナタ 「第3楽章」

Franck:ヴァイオリンソナタ 「第4楽章」


ヴァイオリンソナタという形式は不思議な形式です。

 もとはヴァイオリン助奏付きのピアノソナタと言った方がいいようなスタイルでした。
 しかし、ヴァイオリンが楽器としても完成され、さらに演奏者の能力も高まるにつれて、次第に二つの楽器が対等にわたりあえるようになっていきます。

 この移り変わりは、モーツァルトの一連のヴァイオリンソナタを聞いていくとよく分かります。
 初期の作品はヴァイオリンはおずおずとピアノに寄り添うだけだったのが、後期の作品になると二つの楽器が対等に自己主張をするようになり素晴らしい世界を展開してくれます。

 ベートーベンはヴァイオリンが持つ表現力をさらに押し広げ、時にはヴァイオリンがピアノを従えて素晴らしい妙技を展開するようになります。
 ヴァイオリンが自己主張する傾向はロマン派になるとさらに押し進められ、ここで聞けるフランクのヴァイオリンソナタはその頂点をなすものの一つです。

 それにしても、これほどまでにロマン派らしいヴァイオリンソナタが他にあるでしょうか!まさに、ヴァイオリンという楽器の持つ妖艶な魅力をいかんなく振りまいています。
 
 もともとユング君はこのような室内楽のジャンルはあまりにも渋すぎてどうも苦手でした。
 でも、初めてフランクのヴァイオリンソナタを聞いたときは、「室内楽は渋いなんて誰が言ったの?」という感じでたちまち大好きになってしまいました。
 誰だったでしょうか、この曲を聞くと、匂い立つような貴婦人が風に吹かれて浜辺に立っている姿がイメージされると言った人がいました。
 まさにその通りです。

 「どうも私は室内楽は苦手だ!」と言う方がいましたらぜひ一度お聞きください。
 そんな先入観なんかは吹っ飛ばしてくれることだけは保証します。

ゲルハルト・タシュナーって、誰れ?


と、言う人が多いでしょうね。実はユング君もそうでした。
ところが調べてみて、ビックリ!

なんと、1940〜45年にかけて、フルトヴェングラーのもとでベルリンフィルのコンサートマスターをつとめたのが、このゲルハルト・タシュナーなのです。聞くところによると大変な録音嫌いで、ソリストとしての演奏がほとんど残らなかったために、いつの間にかその名前も忘れ去られていったようです。

しかし近年、そのわずかに残された録音が発掘されリリースされるようになって、その存在が再び再認識されるようになってきているそうです。(なんだか頼りない書き方ですが、ユング君自身もタシュナーを聞いたのはこれがはじめてなもので・・・)

それにしても、驚くまでに強靱な響きをヴァイオリンから叩き出す人です。(エンコードしたファイルを聞くと、どうしても角が丸め込まれるので、その強靱さはちょっと伝わりにくいかもしれません)
フランクのヴァイオリンソナタにはいささか不向きな音色であることは否めませんが、聞き進むうちに、「まあ、こういうのも有りか!」と妙に納得させてしまう力は持っています。

録音も半世紀以上も前のライブ録音とは思えないほどの優れた音質でよみがえっています。
現代では絶対に聞くことのできない演奏スタイルだけに、興味深い録音だと言えます。

よせられたコメント

2013-08-10:nakamoto


【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2026-11-03]

リリ・ブーランジェ:ピエ・イエズ(Boulanger:Pie Jesu)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮:ラムルー管弦楽団 エリーザベト・ブラッスール合唱団 1958年日録音(Igor Markevitch:Orchestre Des Concerts Lamoureux Elisabeth Brasseur (T)Michel Senechal Recorded on 1958)

[2026-11-01]

モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ ニ長調, K.448(Mozart:Sonata for 2 Pianos in D major, K.448/375a)
(P)モニク・アース ハインツ・シュレーター:1957年録音(Monique Haas:(P)Heinz Schroter Recorded on 1957)

[2026-10-30]

ヘンデル:ハープ協奏曲変ロ長調 Op.4-6(Handel:Harp Concerto in B-flat major, Op.4, No.6)
(Harp)リリー・ラスキーヌ:ジャン=フランソワ・パイヤール指揮 パイヤール室内管弦楽団 1964年1月22日録音(Lily Laskine:(Con)Jean-Francois Paillard Orchestre de chambre Jean-Francois Paillard Recorded on Januery 22, 1964)

[2026-10-27]

ディエゴ・オルティス:レセルカーダとその基となった歌曲およびマドリガル集(Diego Ortiz:Recercadas, Songs And Madrigals)
(Lute)ヴァルター・ゲルヴィッヒ (Vdg)アウグスト・ヴェンツィンガ (harpsichord)エドゥアルト・ミュラー 1953年10月8日~9日録音(Walter Gerwig:(Vdg)August Wenzinger (harpsichord)Eduard Muller Recorded on October 8-9, 1953)

[2026-10-25]

ヴォーン・ウィリアムス:トマス・タリスの主題による幻想曲(Vaughan Williams:Fantasia on a Theme_by Thomas Tallis)
マルコム・サージェント指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1959年録音(Sir Malcolm Sargent:The Philharmonia Orchestra Recorded on 1959)

[2026-10-23]

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30(Rachmaninov:Piano Concerto No.3 in D minor, Op.30)
(P)モーラ・リンパニー:アンソニー・コリンズ指揮、ロンドン新交響楽団(Moura Lympany:(Con)Anthony Collins New Symphony Orchestra of London Recorded on 1952)

[2026-10-21]

リリ・ブーランジェ:古い仏教の祈り(Boulanger:Vieille Priere Bouddhique)
イーゴリ・マルケヴィチ指揮:ラムルー管弦楽団 エリーザベト・ブラッスール合唱団 (T)レイモンド・アマデ 1958年録音(Igor Markevitch:Orchestre Des Concerts Lamoureux Elisabeth Brasseur (T)Alain Fauqueur Recorded on 1958)

[2026-10-19]

エマヌエル・ポンセ:イ短調組曲(Poncw:Suite In A minor)
(Gt)アンドレス・セゴビア:1930年録音(Andres Segovia:Recorded on 1930)

[2026-10-17]

ベートーベン:ヴィンターの歌劇「妨げられた奉納式」より四重唱「子供よ、静かにお休み」の主題による7つの変奏曲 WoO 75(Beethoven:7 Variations on the Quartet Kind, willst du ruhig schlafen from Winter's Das unterbrochene Opferfest, WoO 75)
(P)アルフレッド・ブレンデル 1958年&1960年録音(Alfred Brendel:Recorded on 1958 & 1960)

[2026-10-15]

メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番 ト短調, Op.25(Mendelssohn:Piano Concerto No.1 in G minor, Op.25)
(P)モーラ・リンパニー:ラファエル・クーベリック指揮、フィルハーモニア管弦楽団 1952年録音(Moura Lympany:(Con)Rafael Kubelik The Philharmonia Orchestra Recorded on 1952)

?>