クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

J.シュトラウス:ワルツ集

カラヤン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1955年5月&7月録音



J_Strauss:美しき青きドナウ Op.314

J_Strauss:ワルツ「皇帝円舞曲

J_Strauss:ワルツ「芸術家の生涯

J_Strauss:ピツィカート・ポル

J_Strauss:ジプシー男爵 序曲


社交の音楽から芸術作品へ

父は音楽家のヨハン・シュトラウスで、音楽家の厳しさを知る彼は、息子が音楽家になることを強く反対したことは有名なエピソードです。そして、そんなシュトラウスにこっそりと音楽の勉強が出来るように手助けをしたのが母のアンナだと言われています。後年、彼が作曲したアンネンポルカはそんな母に対する感謝と愛情の表れでした。
やがて、父も彼が音楽家となることを渋々認めるのですが、彼が1844年からは15人からなる自らの楽団を組織して好評を博するようになると父の楽団と競合するようになり再び不和となります。しかし、それも46年には和解し、さらに49年の父の死後は二つの楽団を合併させてヨーロッパ各地へ演奏活動を展開するようになる。
彼の膨大なワルツやポルカはその様な演奏活動の中で生み出されたものでした。そんな彼におくられた称号が「ワルツ王」です。
たんなる社交場の音楽にしかすぎなかったワルツを、素晴らしい表現力を兼ね備えた音楽へと成長させた功績は偉大なものがあります。

まるでクライバーさんを彷彿とさせるような音楽


50年代のカラヤンを聴き直してみようと思って、最近かなりまとまった数を聞いています。そんな中で、これは凄いなぁ!と感嘆させられたのが、この一連のシュトラウスのワルツです。
何なんでしょう、このわき上がるような音楽は!!
ああ、こんな事を書けば、あちこちから雨霰と石礫が飛んできそうですが、そう思ったのですから正直に書きましょう。

「おお、これはあのクライバーさんの録音に肩を並べるほどの素晴らしさではないですか!!」

このわきたつシャンパンのような生命力に溢れた音楽の何と素晴らしいことでしょう。シュトラウスのワルツをこんな風に演奏できるのはクライバーさんだけだと思っていたのですが、何と50年代のカラヤンもこんな演奏していたのですね。

調べてみるとカラヤンは40年代の終わり頃にもまとまった数のワルツを録音しています。もちろん、60年代以降も手兵のベルリンフィルを使って結構たくさん録音しています。特に後年の録音はカラヤン美学の徹底したこの上もなく聞かせ上手な演奏ですが、しかし、そこにはこのわきたつような生命力は影をひそめています。
まさに、これはギラギラとしたリビドーが横溢してた50年代のカラヤンだからこそなしえた演奏ではないでしょうか?70年代以降のカラヤン美学にはウンザリしている人も多いと思うのですが、これならば、文句なしではないでしょうか。アンチ・カラヤンだった私も、最近はどうも「元アンチ・カラヤン」になりつつあるようです。

J_Strauss:ワルツ「美しき青きドナウ」 Op.314
J_Strauss:ワルツ「皇帝円舞曲」Op.437
J_Strauss:ワルツ「芸術家の生涯」 Op.316
J_Strauss:ピツィカート・ポルカ
J_Strauss:ジプシー男爵 序曲

よせられたコメント

2013-05-04:Joshua


【リスニングルームの更新履歴】

【最近の更新(10件)】



[2025-08-16]

ブラームス:交響曲第2番 ニ長調, 作品73(Brahms:Symphony No.2 in D major, Op.73)
アルトゥール・ロジンスキ指揮:ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年10月14日録音(Artur Rodzinski:New York Philharmonic Recorded on October 14, 1946)

[2025-08-14]

ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲&第3幕への前奏曲~従弟たちの踊りと親方達の入場(Wagner:Die Meistersinger Von Nurnberg Prelude&Prelude To Act3,Dance Of The Apprentices)
アルトゥール・ロジンスキー指揮 ロイヤル・フィルハーモニ管弦楽団 1955年4月録音(Artur Rodzinski:Royal Philharmonic Orchestra Recorded on April, 1955)

[2025-08-11]

エルガー:行進曲「威風堂々」第4番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 4 In G Major])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1962年8月28日~29日録音(Sir John Barbirolli:Philharmonia Orchestra Recorded on August 28-29, 1962)

[2025-08-09]

バッハ:前奏曲とフーガ ホ短調 BWV.533(Bach:Prelude and Fugue in E minor, BWV 533)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)

[2025-08-07]

ベートーベン:交響曲第8番 ヘ長調 作品93(Beethoven:Symphony No.8 in F major , Op.93)
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽楽団 1958年録音(Joseph Keilberth:Hamburg Philharmonic Orchestra Recorded on 1958)

[2025-08-05]

ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op. 115(Brahms:Clarinet Quintet in B Minor, Op.115)
(Clarinet)カール・ライスター:アマデウス四重奏団 1967年3月録音(Karl Leister:Amadeus Quartet Recorded on March, 1967)

[2025-08-03]

コダーイ: マロシュセーク舞曲(Zoltan Kodaly:Dances of Marosszek)
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 1962年11月15日録音(Eugene Ormandy:Philadelphis Orchestra Recorded on November 15, 1962)

[2025-08-01]

ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」序曲(Johann Strauss:Die Fledermaus Overture)
ルネ・レイボヴィッツ指揮 ロンドン新交響楽団 1961年録音(Rene Leibowitz:New Symphony Orchestra Of London Recorded 1961)

[2025-07-30]

エルガー:行進曲「威風堂々」第3番(Elgar:Pomp And Circumstance Marches, Op. 39 [No. 3 in C Minor])
サー・ジョン・バルビローリ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1966年7月14日~16日録音(Sir John Barbirolli:New Philharmonia Orchestra Recorded on July 14-16, 1966)

[2025-07-28]

バッハ:前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.545(Bach:Prelude and Fugue in C major, BWV 545)
(Organ)マリー=クレール・アラン:1959年11月2日~4日録音(Marie-Claire Alain:Recorded November 2-4, 1959)

?>